銭ゲバ#3

「銭ゲバ」#3
風太郎は造船所の労働へと足を向ける。三國の家で生活することになった風太郎。だが、造船所での労働は続けさせて欲しいと頼んだのだ。家に入った時点で給料(茜のお守り役として)もでるという事だったのにも関わらず。ともかく、その言葉に三國譲次も多少は信用できる男なのか?と思ったのかどうか・・。茜の「いってらっしゃい。」の見送りを受け風太郎は出かけた。茜は風太郎の事を信頼し、そして愛していた。((風太郎も自分を愛してくれている))と茜も信じている。茜の表情は今は明るくそして穏やかだ。だが・・風太郎の茜に対する目は時折冷たく光るのだ・・。茜はそれに気づいていない。
労働者達が不当に解雇されたというデモが道の途中で行われている。風太郎もビラを渡されるがそれを受け取らない。思わずビラを渡した男が風太郎に叫ぶ。「同じ仲間だろ?いいと思うのか?今の格差社会をさ!?」「格差社会ですか?」ニヤッと笑う風太郎。「格差なんてずっとずっと昔からありましたよ?なかったことなんてないですよ。なくなりませんよ絶対に。貧乏人は必要なんですよ。」「おまえふざけんなよ!」「貧乏人がいなきゃお金持ちが困るでしょ?貧乏人は必要なんですよ。お金持ちのためにね。」そう言う風太郎の目は少し狂気染みていた・・。風太郎は決めていたのだ。<自分は金に勝ってやると!>寝ていてうなされ、ふと目を覚ました風太郎は、三國家に隠し持ち込んだ札束を数えて安心する。幼い頃からの環境が彼をそうさせてしまった・・。金のせいですべて失う恐ろしさを、この不当解雇された労働者の男よりも風太郎は知っているのだ。それは環境が生み出した究極の不幸な形だった・・。
今日の労働が終わり、歩いて帰る風太郎。そこへ突然後ろから覆いかぶさられた!父親・健蔵だ!「親子が会うのに理由なんているか?」「何の用ですか?あんたが家に帰るのは飲む金がなくなった時だけだ!」ふざけて絡み付いてきた健蔵に、あからさまに拒否反応を起こす風太郎。この男を許せるわけがないのだ。「そんな顔すんなよ。とりあえず風太郎?」懐をまさぐられ、持っていた札を奪い取る健蔵。「なんだよ、しけてんなあ。金持ちの家に潜り込んだじゃないのか?」!!「なんで!?」「お父さんを舐めちゃいけないよ。」「消えろ!」「おいおい、お父さんを殺す気か?」風太郎の目は殺意にみなぎっていた。「冗談やめろよ風太郎。なんだよおまえ。やれるもんならやってみろよ!父親をさ!」健蔵の怒鳴り声に挑発されたのか、風太郎の手は健蔵の首を絞めていた。場所は誰もいない路地。ここで殺しても誰もみていない。だが、そんなことはどうでもよいのだ!風太郎の力は本当に父親殺しをするほどに締め上げている・・。憎しみしか感じられない風太郎の目にあせる健蔵。<殺される!>たまらず蹴り上げ難を逃れるが、風太郎は一円玉を健蔵に投げつけていた。「銭ズラ!」風太郎はその場を去る。その目には、涙がこみ上げて止まらない・・。もし、風太郎のこの行動が異常だと思うのなら、それは幸せなことなのかもしれない・・。
健蔵はへたり込み、しばらくして笑いだした。「風太郎。おまえは一体何をして生きてきたんだ?おもしろい、おもしろいねえ。おもしろいじゃねえか!」そこへ、荻野が現れた。今の一連の出来事を見ていた荻野とその相棒。荻野は風太郎のことを遠くから見ていた。そして健蔵が現れ首を絞める場面を見てもそれを止めない。なぜか?風太郎の狂気をたしかめる絶好の機会だったのかもしれなかったのだから・・。荻野は弟を殺したのは風太郎だと疑っている。いつもは穏やかな表情しか見せず、無口な風太郎だが。((今の奴の目は))荻野はまた確信できたのかも知れない。弟をやったのは風太郎だと。
その後。荻野は健蔵に飯をおごり話を聞く。どうしようもない父親だということは知っていた。だが、こうして話してても本当にどうしようもない男だ。しかも、自分の妻が死んだことも知らなかったようだ・・。そのことを教えてやった荻野。そして自分の弟が殺されたことも。風太郎が施設を脱走したその日に!「なんか、あんな父親を持った封太郎が、ちとかわいそうになりましたよ。」その相棒の言葉に無言で煙草を消す荻野。
「そりゃ怒るわなあ、風太郎ちゃんは。」かわいそうな女だと妻だった女のことを笑い、「で、殺ったのか?風太郎。殺ったなおまえ・・。」ひとり健蔵の顔に妖しい笑みが浮かぶ。
風太郎の周りに色々な人物がうごめく。いつぞやの腕時計の男も、風太郎が怪しげな目的のために三國家に近づいたと勘ぐっていた。もちろん時計のことは茜がやったことを風太郎がかばったと思っている。だが、そういうことじゃないのだ。裕福な人間が富を持たない人間を下げずむのとも違う。風太郎の得体の知れない雰囲気を察知していたのかもしれない・・。
だが、暴漢に襲われた緑を助けた風太郎は信用を得る。緑からも改めて、そして譲次からも。それはいっしょの食卓に呼ばれることになったことで証明されていた。
大きなトランクを引きづり部屋に持ってきた風太郎。それを見て喜ぶ茜。これで風太郎さんはこの家にずっといてくれる!茜は感激すると同時にあせっていた。姉を守るために足をナイフで刺された風太郎さん。もし、このことがきっかけで姉と親密になってしまったら・・。茜は誕生日にお願いした。「私、風太郎さんが欲しい!結婚させてください。風太郎さんと!」茜は緑と譲次と風太郎といっしょに囲む食卓で、かわいい笑顔でそうお願いをする。
それを耳にして、下を向く風太郎。その口元は笑っていた。そして・・その三國宅の広い敷地には何かが埋まっていた・・。

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