ハチミツとクローバーまとめ前編

「ハチミツとクローバー」まとめ前編
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#1
春・・浜田美術大学のキャンパスは新入生歓迎で賑わっていた。そこを呆然と歩く青年、竹本祐太。今年の春も何も変わらず、何も始まらない・・なにかに夢中になることも、何かをつかんだ感覚もないまま大学の日々がまた過ぎていくのだろうか・・・。
桜が散る池の前にひとりの女の子がただずんでいる。祐太に気がつき振り向いた女の子が静かに立ち上がり微笑んだ。どこか儚い雰囲気の可憐な子・・。祐太は呆然と見とれてしまう・・。そこへ森田忍と真山巧が現れ、無理やり祐太は引きずられていってしまうのだった。
森田と真山、なにやらいつも腹をすかしてどーでもいい奴らか?と思わせるが実は違う。忍は大学に7年間も通い続ける芸術一筋の男。伊達にやり続けているだけのものを持っていて、校内展は7年連続グランプリ。美術商の寺登に目をつけられ、その作品を高額に買い取らせるほどの作品を作るのだ。ただ、忍いわく「組織とか契約とか興味ないんだよね」こいつの普段のおちゃらけは、才能あるがゆえの余裕であるようだ。巧はアートよりもおしゃれな建築事務所に入りたいとゼミのレポート作成にいそしんでいる。そんな巧の事を密かに想う山田あゆみ。
そんな面々に花本はぐみが仲間として加わる。そう、祐太があの桜散る池の前で出合った女の子だ。准教授の花本修司のはとこだそう。田舎で絵ばかり描いていて人見知りが激しく東京にでてきて色んな刺激を受けた方がいいと修司。祐太は一言もしゃべらないはぐみの声はどんなだろう?・・と気になってしまっていた。巧にそのことを指摘され照れる祐太だが。
一方、巧は例のゼミの面接を断り建築事務所のバイトに出かけてしまう。電話で急に呼び出されたようだ。実はそこに巧の想い人、原田理花がいるのだ。だが、理花はなんとなく巧の気持ちを察してしまっているようで、巧を遠ざけようとしてしまう。理花の過去に何かあるらしいのだが・・。肝心なゼミの面接を手ばなしてまでそこに向かう巧の事を「すべてを犠牲にしてでも手にいれたいものがある奴の方が幸せかもな」と忍。だが、でもそういう奴にかぎって手が届かないようにできてる・・と。あゆみは自分のことを見てくれてない巧を想い、悲しみに暮れている・・。でも忍はよき相談相手になってあげているのだ。
祐太と忍は校内展の結果を見に行くことに。余裕の忍だったが、グランプリの作品をみて驚愕する・・それは自分の彫刻作品ではなく一枚の絵だった。
鮮やかな色彩の・・圧倒される存在感!祐太はそれを見て思いだしていた・・あの桜散る場所にただずんでいたはぐみを。自分と同じ空間にいたはずだと思っていたはぐみ、でもはぐみはあの一瞬を絵に描くことができるのだ・・。
忍は、真剣な表情に変わりはぐみのもとへ。そしてはぐみに賞賛の言葉を掛けるのだった。天才はその価値とともにそこに到達するまでの苦悩や努力も知っている。俺・・大学残っててよかったと素直にはぐみに抱きつき喜ぶ忍。そして、はぐみも実は忍の彫刻に感化されひたすらこの作品を仕上げていたのだ・・。「わたし・・森田さんの作品・・好きです・・」それを一部始終見ていた祐太は、始めてはぐみの声を聞いてうれしいはずなのに、せつなさがいっぱいになってしまうのだ。このふたりに割って入ることは、祐太にはできないのだから・・。
「一生に一度でいいからはぐみちゃんみたいな絵が描けたら幸せなんだろうな・・」祐太は修司にしみじみ言うが「俺ならすぐ逃げ出してしまう・・ゴールなんてどこにもないんだよ・・」
・・手を伸ばしても届かない何かをなぜ人は追いかけずにはいられないのだろう・・僕にはその理由なんかわからない・・でも、なにも変わらない春を選んできたのは自分自身だったのだ・・「絵を描いてる時だけだから・・おもいきり生きてるなって・・」はぐみの言葉に、祐太は何かが変わり始めるのだろうか・・。


#2
あいかわらず竹本祐太は森田忍と真山巧におもちゃにされちゃう大学生活。・・でも、はぐみの事は気になっているのだ。はぐみが大学に来てから一ヶ月。どうやらだいぶ大学にもなじんできたようなはぐみ。
そんな折、大学の准教授であり、はぐみの東京での父親代わりでもある花本修司に、はぐみをホームセンターまで連れてってくれと頼まれる祐太。「よろしくお願いします」とはぐみ。ふたりはあちこちお店によったりゲームセンターで遊んだり。楽しそうだなあ。。
迷子の男の子が泣いている所へはぐみ「コマネチ!」とポーズ。どうやら森田が変なこと教え込んだようだね・・。森田は、はぐみもさりげなくおもちゃにしているようだな・・この前ははぐみの才能をあんなにほめちぎってたのになあ。だが森田忍、山田あゆみが真山のことをあいかわらず想っていることを気にかけ、おちゃらけてみせながらも励ましてあげるやさしさも持っているのだ。だが、町内会の福引券を贋作(偽者作り)することに没頭している。も、森田・・こ、こいつは才能の垂れ流しだ・・・(泣)
一方、真山は理花の事務所でアルバイトしている。真山は理花のことを想っているのだが、理花はさりげなく真山を踏み込ませる事はしない。そして・・真山は理花の事務所で働くことが今日で最後になる・・理花にそう言われてしまったのだ。「給料はいりません、ここで勉強したいことたくさんあるし。僕じゃだめですか・・?僕じゃあの人に勝てませんか?」だが、理花はごめんなさいと答える。真山の想いは届かない。そして、その真山を想うあゆみの想いも・・。
修司は理花と古くからの知り合いで、あゆみに理花の事を話す。「その写真の左に写ってる原田って男と結婚したんだ。でも、もういない。今日ちょうど誕生日なんだよ・・生きていればな。」
祐太はUFOキャッチャーではぐみの欲しがっていた指輪を取ろうと果敢に挑戦するが・・最後の最後に取れたのははぐみの欲しがっていた指輪のとなりの指輪だった。「これ・・もらってもいいですか」それでもはぐみは言ってくれた。
帰り道。「あのゲームちょっといじわるですね。欲しいものがすぐそばにあるのに手を伸ばしても取れないから・・。でもこれは、神様からのご褒美ですね。駄目でもがんばった人には幸せの小さなおまけがついてくるんです。きっと。」
大学のアトリエで絵を描いているはぐみ。そこへあゆみが入ってくる。「はぐちゃんはさ、絵を描くことやめたいって思ったことないの?好きなことでも・・ずっと続けるのってしんどくなったりするでしょ?」「思ったことないです・・やめたいって思ったこと一度もない・・」そんなはぐみを見つめ、あゆみはつぶやく。「本当に好きってそういうことなんだろうね・・」
ベンチでタバコを吹かしながらたそがれてる真山のもとにあゆみが近づいてきた。「もうやめなよ。あの人のことやめなよ。この世にいない人と張り合ったって勝てるわけないじゃん!」「そんなのわかってんだよ!おまえなんかに言われなくたってわかってんだよ・・でもどうしようもないんだ・・もう俺のこと見んのやめろよ・・」それを遠くからみていた祐太。・・すぐ目の前にあっても手にいれられないものがある。求め続けた先に光はあるのだろうか?はぐみちゃんが言っていたように、願いが届かなかったとしても、別の小さな幸せがどこかで待っていてくれてるのだろうか?・・
結局贋作の福引券は町内会の巧妙な陰謀で通用せず、ひょんなことで手に入った福引券で挑戦する森田達一同。森田はぜんぜん駄目だったが、はぐみが当てる。5等浮き輪セットを。。
それで祐太は、はぐみが海を見たことないと言っていたことを思い出し提案する、みんなで海に行こう!と。
その当日、はぐみの指には祐太の取ったあの指輪がしてあった。うれしい祐太。みんなではしゃぎ楽しんだひととき、だが、はぐみはその指輪を落としてしまった・・。
あゆみは酔いつぶれている。そこへ真山が声をかけた。真山におんぶしてもらうあゆみはせつなげに「真山のアホ、真山のアホ、真山のアホ・・真山好き・・好き・・大好き・・」「うん・・うん・・ありがと・・」でもわかっているのだあゆみは・・自分の気持ちが届かないことを。
その頃、祐太、はぐみ、森田は指輪を探していた。
森田ははぐみを呼びつける。空き瓶のかけらをはぐみの指にはめ、自分のもっていた瓶の破片で月の光を反射させ、はぐみの指のかけらを青い光で輝かせる。綺麗だ!やってくれた天才・忍。「けっこういいだろ?」
落とした指輪をみつけ駆けつけた祐太・・だが、森田は祐太の目の前ではぐみにキスをする・・。


#3
夏休み。祐太は部屋でだらだらしている。お金もないので、羽振りよく遊びにもいけない、ちなみに実家にも帰らない。ええい、美大生なら何か作れよ!そもそもドラマ見ているだけじゃ祐太が何学科なのかわからんし。建築のことに多少くわしいようなのでかろうじで建築科とわかるが・・。少しは森田忍を見習ったらどうです?竹本祐太。
そんな祐太にはぐみから電話が!田舎から帰ってきておみやげがあるそうだ。おそばいっしょに食べませんか?とのこと。いいなあ・・。しかし、はぐみからのいきなりの電話に沈黙だらけの祐太、なんかこの主人公へタレだよね・・。
はぐみは待ち合わせの大学に向かう。大学に着くはぐみは外で何か作っている森田を見かける。急にびっくりして引き返そうとしたはぐみは転んでしまう。それに気づいた森田、「去年の夏たまたま発見したんだけどさ、ここから見える花火がすごく綺麗でさ、待ってるからこいよ、どうせここで作業してるし、特別に見せてやっからこい!」はぐみは「えっ!」とさっさとその場を退散。
急いで大学にやってきた祐太。だがそこには山田あゆみの姿が。はぐみが呼んだのは祐太だけではなかったのだ・・。偶然真山巧も現れ、作業していた森田も参加。どうやらあの海以来、みんなで顔を合わすのはひさしぶりらしいが、あゆみは真山の姿にバツが悪そうだし、はぐみも森田の姿を見てしかめ面だ。そして海でキスの話題がでてはぐみが動揺、転んでしまう。よく転ぶ子だ・・。必要以上に過剰反応する祐太に森田は、祐太がはぐみを好きなことを見破る。「ついに森田さんにもばれちゃったかあ~」とからかう真山。なんか楽しそう・・。
後日、祐太ははぐみを花火大会に誘う決意をしていた。そんな時、真山をたずねに藤沢デザイン事務所の勅使河原美和子がアパートにやって来る。真山にうちの事務所で働かないか?と誘いにきたのだ。真山は理花の事務所で働いていた時から藤原の事務所とは付き合いがある。就職も決まってないなら無駄に時間過ごすよりうちで経験積んでいいんじゃない?ととてもいい話なのだが、真山は断ってしまう。真山は理花の事務所にいつでも戻れるようにと就職先のことに手がつけられる心境ではなかったのだ・・。
藤原事務所の野宮匠は美和子にどうでした?とたずねる。野宮は真山の事を、悪くいえば前から軽くあしらってきていたが、どうも本人的には気になる存在らしい。美和子はあなたの若い頃よりよっぽどセンスあると思わない?と野宮をからかう。
大学で真山と出くわしたあゆみ。就活の看板をなんとなく見つめている真山に叱咤激励をする。あゆみ自身は陶芸じゃ就職の場もなかなかないので、大学院に残ってもっと勉強するそうだ。「私ね・・駄目ってわかってることは追いかけないことに決めたんだ・・。恋愛もぐずぐずしてたら次のチャンス逃しちゃうでしょ?いつまでも真山のことみてられないからさ・・真山もがんばってね!」と去っていく。だがその顔は泣いていた・・。
絵を描いているはぐみのもとへ森田登場。腹がへったので恵んでもらいにきたのだ。だが、はぐみは画材買いにいきます・・とそっけなくその場を出て行く。いい場所知ってると森田。ふたりはでかけるのだった。
だが、はぐみは落ち着かない。たこ焼き食べている最中にひとりで帰ってしまう。森田かわいそうかも・・。
あゆみの家で焼肉を食べているはぐみ。よく食べるな~とあゆみの親父につっこまれるが、今日はたくさん食べたい気分なんです・・とはぐみ。あゆみは「森田さんと買い物にいったらね、疲れちゃってんだって」と説明。「なんか・・落ち着かないし早く帰りたくて・・」爆笑してそれは恋だと親父に突っ込まれるはぐみ。花火の日、自分達といっしょにみるかと親父が誘う。「花火はひとりでみてもおもしろくねえからな。花火はすぐ消えちまうけど、だからこそ誰かといっしょに見るものだぞ」と親父。いいこと言うじゃん!
あくる日、修司は気の抜けている真山に言う。「理花の傍にいるのが支えることだと思ってるんだ?なんで理花がおまえを傍におかないかわかるか?」理花の夫・原田は理花の火傷で飛行機の便が一本遅れた。そしてその飛行機は事故に見舞われ原田は帰らぬ人となってしまったのだ・・。そして・・ふたりの親友だった修司はいままで理花のことをずっと気にかけてきた。だからこそ理花の気持ちがわかる・・。「あいつは自分のせいだと今でも自分を責め続けているよ・・。理花を支えるって、もう少し考えたほうがいいんじゃないか?あいつが必要としているのは傍でじっと立ってることじゃないんだよ、今のおまえのままじゃ理花を支えるのは無理だ。」
真山は藤原事務所に頭を下げにいく。もちろん働かせてください!と言いにだ。美和子は厳しく叱咤激励して出迎えるも喜び、野宮もなんだかうれしそうだ。
そして・・花火大会の日。みんなそれぞれ花火を見ている。はぐみはあゆみと家族達と。真山は道路で見上げている。祐太は、今年いっしょに花火をみたい人がいる・・と花火を見上げながら走り出した。
屋台に買い出しにきたはぐみとあゆみ。だが、はぐみはひとりで走りだす!やっぱり森田のことが気になっていたのだ。ひとり残されたあゆみ、だがそこへ真山登場。
「おまえさ、浴衣にあうんだな。」真山の言葉に声も出ないあゆみ。やっぱり真山の事、忘れることなんてできないのだ・・。
はぐみは大学にやってきていた。あの時森田が言っていた外の作業場だ。現れたはぐみを見て森田は、「やっときたか」とはぐみを出迎える。が、そこへ祐太も現れた。森田は祐太の気持ちを察して、はぐみと祐太を引き合わせたのだ。さっさと行ってしまう森田を目で追うはぐみ。祐太はその時わかってしまった・・。
はぐちゃんがいっしょに花火をみたかったのは僕ではなかった・・。はぐちゃんには花火の音も僕の声も届いてはいなかった・・せめてこの花火がずっと続いてくれればいいのにと思った・・この胸の痛みが消え、いつか笑って思い出せる日まで・・。


#4
季節はクリスマス。ああ、ドラマの中の話ですよ。商店街もクリスマスで賑わっているようだが、あいかわらず森田とあゆみの親父は喧嘩している。祐太はトナカイの格好をしているが、近所の子供に袋にされていた・・。そして森田と親父の喧嘩に巻き込まれ、酒屋の高級酒をわってしまう祐太。あゆみの家は酒屋なのだ。祐太はクリスマス直前に弁償としてあゆみの親父の手伝いをしなければいけない事に。一方はぐみは、あの夏から森田への気持ちを押さえ込んでしまっていた・・。
みんなが集まって雑談している所へ、真山が顔を出す。あれから藤原設計事務所でがんばっているようだ。学生雰囲気漂うみんなより、ちょっと大人に見える真山だが、森田に吹き飛ばされあゆみと激突、抱きついてしまう。あゆみはドキドキしているようだ。そんなあゆみ、真山に頼み事をされる。事務所で手がけてる店舗で壺とか花瓶などが多めに必要なのだそう。あゆみは陶芸学科だからね。真山に尋ねるあゆみ、「クリスマスも仕事なんだ?」「まあ・・でも辛いとか言ってられないし」あゆみは何か思いついたようだ。
一方、森田は日本芸術展になぜ作品をださなかったんだ?とはぐみにつめよる。森田は大賞をとっているぞ、あいかわらずすげえ男だな。はぐみは黙ってうつむいてしまう・・。祐太は、森田さん大賞とれたんだからとはぐみをフォローするが、「バーカ、大賞なんてどーでもいいんだよ。次の現代アートコンクールでは絶対にちゃんとエントリーしろよ!おまえなら賞狙えるんだから!」はぐみに感化されている森田は、はぐみと競うのが楽しみだったのだ。はぐみはキャンバスに向かうが描けない・・。森田のことが頭に浮かんで集中できないはぐみ。
祐太はあゆみの親父の仕事を手伝いながら街がクリスマスで浮かれているのをしけた顔で見つめている。祐太はクリスマスが子供の頃も、今もあまり好きではないのだ・・。
はぐみが絵を描けない様子を見つめる修司。でも助けることはできないのを、芸術をやっていた彼はわかっていた。何も言わず見守る修司。大学の教頭らしきものに次のコンクールにも間に合わないとはどういうことか?校内展グランプリをとった生徒はみんな出品しているコンクールだとせっつかれる修司。間に合わせるのが花本先生の責任ではないのか?という言葉に、「締め切りに間に合わせて描く絵に何か意味があるんですか?自分の中の壁は自分で壊すしかないんです・・。」その口論を聞いてしまったはぐみはある決意をする。
藤原事務所の勅使河原美和子が、真山の用意した陶芸品をみてセンスを感じたようだ。これ作った人、今回の仕事手伝ってもらえないかな?と真山に相談。大丈夫みたいですと答える真山に、明日の夕方事務所に来るように伝えてほしいと美和子。
アパートで祐太が真山に愚痴っていた。クリスマスって幸せな人だけが盛り上がっているような気がすると。う~ん、そうか・・と真山が言葉を返す。「幸せそうにみえる奴ってそれなりにがんばってる奴なんじゃねえの?」
藤原事務所での真山。その向かいでくつろいでいる野宮が、事務所の女の子が彼氏に買ってもらったと騒いで外にでていくのを見て、「なんで世の女はクリスマスに貪欲なんですかね~。誰かと同じようなバックやアクセサリーもらって何がうれしんだか・・」美和子がパソコンに向かいながら言葉を返した。「さみしい思いしたくないだけなのよ。本当は貰う物なんてなんでもいいのよ。ただ誰かが自分のためにプレゼントを選んでくれるってだけでホッとするものなの。」
祐太は、あゆみの親父とクリスマスの話をしていた。親父は娘のあゆみに毎年ダサいと言われてるけどプレゼントをあげているそうだ。でもめげずにプレゼントを渡し続けてると不思議なもので毎年この日が来たなと思うようになると。それを聞いた祐太は返す言葉がなかった・・。
あゆみが藤原事務所を訪ねてきた。だが真山はいない・・。仕事の話がひととおり終わったあとで、あゆみは真山のデスクの場所を聞き、プレゼントを置く。なんだかうれしそうなあゆみ。ただの友達ですから!と照れて出てってしまったあゆみを、思わず笑ってしまう美和子と野宮。うん、いいよね。その頃真山は、原田理花と道で出会っていた。就職決まったみたいで安心したと言う理花に「がんばります・・ここに戻ってくるために。また必ず理花さんの所へ戻りますから。」と去る真山。理花のマンションの扉のノブには真山の置いていったプレゼントがあった・・。真山ってさ、すごいよね。あゆみもそうだけど、本当に純粋なんだよな。ふたりの気持ちがすれ違っちゃてるのがはがゆいけど、ふたりともなんか素敵だ。
祐太も真山の言葉と、そしてあゆみの親父の言葉に感化されたのだろう。勇気をだしてはぐみのいるであろう大学に向かった、その手にプレゼントを持って。「竹本君?どうしたの?」「今日クリスマスだね・・」「そうだね・・」だがはぐみはどこかへ出かけようとしている。「いいクリスマスになるといいね・・」「うん・・はぐちゃんも」祐太はプレゼントを渡すどころか呼び止めることもできない・・はぐみはでていってしまった・・。祐太は自分がクリスマスが嫌いな理由を本当はわかっていたのだ・・自分の不甲斐なさを痛感してしまうから・・。
はぐみは日本現代美術館に来ていた。森田がそこにいるのだ。森田ははぐみを見つける。「次のはもう描いてるのか?おまえが描かないでどうすんだよ。」「私が描けない原因は・・森田さんです」「エツ!俺邪魔した!?」「最初は森田さんのこと頭の中から追い出そうとしました・・でもぜんぜん消えなくて・・だから一度ちゃんと向き合わなきゃ・・いつまでたってもこのままだって思いました。怖がって逃げてたらずっと描けないままだって思いました・・私、森田さんのことが好きです。」・・・「俺さ・・近い将来この中のひとりになる。年とってから評価されるとか、死んでから見直されるとかどーでもいい。俺は、近いうち絶対この中のひとりになる。本気でそう思えたの、おまえのおかげだ。おまえが俺の目の前に現れてくれたおかげで、ああ、やんなきゃて心から思えた。花本はぐみ・・おまえもこの中のひとりになれる。だからおまえも絵がんばれよ。俺とおまえはずっ~とライバルだからな!」はぐみの目からは涙がこぼれる。そして・・森田はアメリカに行ってしまった。
祐太はその事をはぐみに伝える。止めなくていいの?と。だがはぐみは、「行ってほしい・・アメリカでがんばってきてほしい・・思いっきりやりたいことやってきてほしい・・」そう言うはぐみのキャンバスには絵が描かれている。
・・・森田さんがはぐちゃんに残していったものは、僕がどれだけ傍にいて、どんなに努力しても与えられるものじゃなかった・・それは決してキラキラしているものでも、甘いものでもないけど、はぐちゃんはたしかにそれを受け取って前に進み始めていた・・行かないでほしいと泣いてくれた方がずっとよかった・・・


#5
竹本祐太は大学四年目の春を向かえていた。はぐみはこの春に国際芸術大賞を最年少で受賞し、美術界で注目を浴びる存在になっていた。あゆみは大学院、真山は美大卒業後、藤原設計事務所に就職しバリバリ働いている。森田は音信不通だが、芸術に没頭していることだろう・・。そして自分は・・何も変わってはいない・・。そんな時、祐太の前に突然現れたのは父親の稼頭男。やかましくてなんかずうずうしい稼頭男。祐太は嫁頭男のことが苦手なのだ。人の懐にずかずかと踏み込んでくるから・・。
祐太は修司に就職どうするんだ?と聞かれる。知り合いが会社立ち上げて建築学科の祐太ならまるで違う職種でもないし、どうだ?というのだが。「すいません・・僕、もともと建築に興味があってこの大学に来たわけじゃないんです・・。」今回はいままでまるで触れられてこなかった祐太のルーツが明かされるのか!?ようやく建築学科ということがはっきりしたが・・遅すぎねえか?(汗)そしてこの嫁頭男、祐太の本当の父親ではなく母親の再婚相手だったのだ。
「母親がカズさんと再婚しなければ僕はこの大学には来てませんでした・・家を離れる理由が欲しかったからなんとなく東京の美大受けただけなんです・・。だから森田さんとかはぐちゃんみたいに、作品を作るために生まれてきたような人達見てると、ほんと恥ずかしくて・・。」祐太はこの大学に来たいきさつを修司に話す。修司は言う、「きっかけなんてなんだっていいんだよ。でもな、それを前に進めない自分のいいわけだけにはするな。」
嫁頭男は祐太のアパートの部屋に泊まることになりイビキをかいて暴睡中・・。祐太は真山と話している。「実家がいきなり引越しちゃうってちょっとショックだな。」と真山。「なんでも自分勝手に決めちゃう人ですから」と祐太。「嫌ならちゃんと向き合って話し合えよ。おまえはいつもそれだな、踏み込むのが怖くて距離を置いちゃうだろ?はぐみちゃんの事もいっしょじゃん?」森田さんがいない間に近づこうとは思わないのか?という真山に、いない間にとか卑怯じゃないですか・・と祐太は言葉を返すが・・。でもアピールはした方が絶対いいと思うんですけどねえ。。
一方、森田忍。雑誌の記事に取り上げられていた。やはりバリバリ作品を作りあげていたのである。だが・・本人は注目されているのにもかかわらずマネージャーみたいな存在になっている美術商の寺登に愚痴る。NYつまんねえよ・・。
嫁頭男は祐太とはぐみを連れまわし、ビデオカメラでギャグコントを撮ってもらうことを協力させていた。どうやら妻(祐太の母親)を喜ばすためらしい。散々に振り回されあきれる祐太。だが、はぐみは嫁頭男の純粋さに共感し、かっこいいと思う・・と祐太にもらすのだった。嫁頭男ははぐみに惚れてる男はいるのか?と尋ねる。いました・・海外に行ってしまったからもう会えないと思う・・とはぐみ。それを聞いてしまってせつなくなる祐太。嫁頭男との距離を決めかねていたように、はぐみとの距離も依然変わらないと思いふける。もっと近づきたい・・でもいまさらこれ以上近づけない・・。
あゆみは、あれからちょくちょく藤原事務所に陶芸品を貸しているようで、出入りしている。そして、理花の事務所に行く機会が。理花は真山の好きな人だ・・。
自己紹介し合い、部屋を見回すあゆみ。ふと、パソコンに常駐しているカウントダウンタイマーをみつけ不思議がる。それを感じた理花、「全然大したことじゃないのよ・・。仕事を続ける自信が持てなかった時にね、とりあえず3年続けてみたらって言ってくれる人がいたの。しばらく仕事にブランクがあったから、そのおかげで気持ちが随分楽になったのよね・・。」
藤原事務所に帰ってきたあゆみ。そこで真山のパソコンにも同じタイマーが常駐しているのを見つけてしまう。やっぱり・・真山はまだ理花の事を・・。そして・・・。
嫁頭男がおみやげに持ってきたダルマに目を入れる話になり、はぐみに嫁頭男が言う。「ちっちゃい願いでもいいけどな、今度は大きいお願いしてみないか?あのな、願いなんてのはかなわなくったていいんだよ。いつか必ずかなえたいと強く思ってダルマに目を入れる事の方がよっぽど大事なんだ!」祐太は思いだしていた・・。自分にも昔強い願いがあったことを。
病弱な父親が亡くなって、母親を助けるのは自分しかいないと思った。将来たくさんお金を稼いで、立派な家を母さんにプレゼントすることがいつしか自分の夢になっていた祐太。しかし高二の終わり頃母親は嫁頭男と再婚し、自分の好きなように生きていいのよと自分に言う。目の前が真っ白になった・・カズさんのせいで僕の夢がなくなってしまった・・そして自分は東京にでてきたのだ・・。
あゆみはもらったダルマに目をいれたようだ・・。帰ってきたはぐみに説明する。「ずっと前からひとつだけ忘れなきゃならないことがあったの・・。でも、もう、本当に忘れなきゃいけないんだって思ったの。できるかどうかわからないけどさ。」
森田は個展を開く準備におわれていた。上機嫌な寺登に反し、別段おもしろくなさそうな森田。そこへ会場に一枚の絵が入ってくる。その絵をみて衝撃を受ける森田。実はその絵は、はぐみの受賞した作品だったのだ。それを知り大笑いする森田!その顔はすごく楽しそうだ。
嫁頭男は帰りに祐太をバッティングセンターに誘う。「祐太・・俺のこと嫌いか?」一言だけ祐太に言い、バットをふる嫁頭男。アパートに帰ってきた嫁頭男は真山と晩酌することに。祐太はアパートの外で片付け物をしていたのだが・・嫁頭男と真山の会話を聞いてしまうのだ。
どうやって結婚までこぎつけたんですか?と尋ねる真山に嫁頭男が口を開いた。どんなにがんばっても亡くなった旦那さんには追いつけない。でも誰かとくらべてもしょうがないと悟ったと。誰もその人の変わりはつとまらないからな・・。「いまでも一番は亡くなった旦那さんだ・・俺じゃねえ。祐太にとってもな。でもな、俺は一番じゃなくてもいいって思ったんだ。」
祐太は思う・・。自分の夢がないのをカズさんのせいにして逃げていただけだった・・。カズさんは僕の願いを、母さんに家をプレゼントするという夢を叶えてくれた人だった・・。
祐太は嫁頭男が帰った後日、今度は自分のためにダルマに目を入れようと決意する。これから人生をかけて向き合っていける夢がみつかりますようにと。だが・・そのマジックはインク切れだった・・。祐太。おまえはそういうキャラなんですよ・・。
そして大学・修司の研究室で集まっていた面々のもとに、森田が現れる。帰ってきたのだ。「俺に黙ってスキヤキなんてずりいぞ!」はぐみはじっとうれしそうに森田をみつめていた・・。


#6
森田がアメリカから帰ってきて2週間。誰もお帰りなさい会をひらいてくれないと不機嫌な森田・・。まあキャラ的に許せるよね、天才だし。でもそれぞれみんな忙しい日々をすごしているような仲間の面々。
祐太は就職活動。真山は事務所で働いているし。あゆみは藤原事務所の依頼であいかわらず大学院生の合間に陶芸品を作り続けている。はぐみは作品作りと取材で忙しい。
「なあ、花本はぐみ。俺ってさ、帰ってこない方がよかった?」はぐみはそんなことを言う森田に微笑んで「うれしいですよ・・。私は森田さんが帰ってきてくれてうれしいです。」わあ~いいなあ、森田!でも、祐太が指摘したように、はぐみの気持ちについてはあまり考えてなさそうな感じ。でもまず芸術、まず作ることに頭がいってしまう森田にとって恋愛は二の次になってもしかたのないことなのかも。じゃあ、あの時なぜ海でキスしたのか!?って話だけど。多分、かわいい子って想っているのと、同じ芸術家として認めている敬愛の意味だったんだろうと思うんだけどな。
そのはぐみ、コンクールの受賞で記者会見を受けている。どうやら本当に注目される存在になっているようだ。だが・・はぐみ自身はそんな状況にとまどいを隠せない。田舎でゆっくり絵を描きたいと思っています・・と思わず本音を言ってしまう会見を見物していた森田に美術商・寺登が会いに来る。
「人の受賞会見みて笑ってる場合じゃないでしょう。あんた影でなんていわれてるか知ってる?ニューヨークから逃げてきた負け犬だって言われてるんだよ~」寺登、今回森田がコンクール最終選考にも選ばれてないことを揶揄し、態度もいつもと違って皮肉に満ちている。「もっとしっかりしてもらわなきゃ~。賞がとれない芸術家なんて意味ないから」と雑誌を森田の前に落として去っていく・・。「人って変わるもんだね」と森田はイラッとするも、気にはしていない様子。
そんな森田の予選落ちの作品だったが、はぐみの目でみたその存在は、「私・・負けました・・。いままでの森田さんの作品の中でこれが一番好きです・・。」くやしいからまた描きたくなりましたと笑って作業場を出て行こうとするはぐみに、ここで描けばと森田。同じ場所で森田は彫刻、はぐみは油絵に没頭する姿はなんともお似合いだね!
祐太はいくつも就職先で面接を受けていたようだが、ひとつも受からない・・。そこで前に修司が紹介してくれた会社にとりあえず行ってみることに。だがそこでは祐太の実直な人柄を買ってくれたようで、ぜひうちでと修司に話していたそうだ。
「先生・・。先生の仕事って本当にやりたかったことですか?」と聞いてきた祐太に修司は言う、「最初は絵だけで食っていきたいと思ってた。でもな、好きなことを職業にできる人間ていうのはごく一部だ。その中に入ったとしても、本当にやりたいことをできる人間ていうのはもっとかぎられてくる・・。俺は今の仕事につけてよかったと思っている。」
真山も祐太に言うのだ。「日本にこれだけ人がいる中でさ、誰かが自分を必要としてくれるって結構すごいことだと思わない?誰かから必要とされるってそんなに簡単なことじゃないと思うんだよな・・。」真山も理花から必要だと思われてたくて必死なのだ。自分が一人前になるまで理花には会いにいかないと心に決めているような真山。だけど・・一人前って一体いつ?そういうのっていつのまにかそうってなっているもので、決まりなんてないと思うんだけどな。会いたいなら会えばいいと思うんだけど・・。
そして・・祐太はそこに就職を決めたようだ。
一方あゆみは、野宮に陶芸品の納めのお礼にとそばをご馳走になる。野宮は一見軽そうにみえるが、現在ぎっくり腰で入院している美和子の穴もちゃんとおぎなって仕事をし、何気にちゃんと周りもみえている男なのだ。周りをよくみているのは森田もそうだけどね!そんな野宮だから、あゆみが真山のことを好きなのも見抜く。「あいつじゃなきゃ・・駄目なの?」
真山を忘れられないあゆみ。そして理花は、亡くなった旦那・原田のことを穏やかに少しづつ忘れている自分を責めている・・。このふたりの女性は妙に一途だよな・・、女の人の方がもっとさっぱりしているもんだと思うんだけど。でも真山に比べたら可愛いもんか?
祐太は就職先に挨拶に行く。だが、その会社はトラブルで人を雇う余裕どころではなくなってしまっていたのだ・・。祐太は就職できなかった・・。
一方、はぐみはさらなるコンクールに向けて作品をつくるよう言われる。乗り気になれないはぐみに「何甘えたこと言ってるの!みんな死に物狂いで努力してもチャンスをつかめないまま消えてく人がほとんどなの。才能がある人には作品を作り続ける義務があるの!後に続く人のためにも全力で走り続けなきゃ駄目なの!あなた・・花本先生が本当はどう思っているか知らないんでしょ?」教頭?教授・大神の言葉にはぐみは動揺を隠せない・・。修ちゃんがどう思ってるって?どういうことなんだ!?
人は進むべき道をどうやって見出していくのだろうか・・もがき続けていれば道はおのずと見えてくるのだろうか・・。
悩む祐太の前に森田が現れる。「俺さ、すげーこと発見したんだ。俺、花本はぐみが好きだ!」森田ははぐみの作品にずっと惚れ込んでいた。作品は作った人間の何かを写す・・。やっぱり森田は心の奥底ではぐみのことが気になってたんだよな!
祐太は一瞬時が止まってしまった・・!

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