「それでも、生きてゆく」まとめ

「それでも、生きてゆく」まとめ
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http://www.fujitv.co.jp/ikiteyuku/index.html
■子供時代に妹を殺された兄・瑛太と、兄が幼い女の子を子供時代に殺害した妹・満島ひかり。このふたりの交流が、ようするに、被害者と加害者の家族を、鉢合わせさせることになっていく・・。という物語。ずっと見てましたが、感想は四話目からです。
こういうえぐるような内容のドラマは、連ドラではほぼなかったから新鮮です。しかも、なかなかよくできていて色々感じます。
被害者家族は、こうしていれば守れたかもしれない・・という傷をずっとずっとかかえていて。加害者家族は、殺人者の身内がいるという呪縛からどんなに時間が過ぎても逃れることはできない・・。

物語背景は登場人物の会話で少しずつ明かされていく感じで、そういう演出が逆に染みる。瑛太と満島ひかりはだいぶ打ち解けて信頼みたいのが芽生えているのかも知れません。でも、瑛太は妹を殺した風間俊介を許していない憎しみの対象として捉えているし、満島は兄(もう出所してどこかで働いている)を探さない父親・時任三郎に反論して、まだ兄を迎え入れたいと思っている。

ここ四話で考えさせられたのは、殺人を犯した兄を家族として迎え入れられるか?という部分でしたね。自分は・・無理ですね。その事件背景が、やむなくとか正当防衛だったら問題ないけど、幼い女の子を殺したってのじゃダメだな・・。自分は世の中には許してはいけないことってあると思ってます。だから、妹が兄の幻影を求めていて、やさしい気持ちで迎え入れようと思う気持ちはわかるんだけどね・・家族を守るために、あえて風間を捨てて生きていく決断をしていた時任や風吹ジュンの考え方は間違ってないと思っちゃうんだよな。全然風間を知らない事件後に生まれた妹の福田麻由子もいるわけだしね。でも、その福田がその兄のことを知りたいという気持ちがあることに驚いたが。

でも、次回というか今回の最後、とんでもないことが加害者家族内にわかっちゃった感じですね。血がつながってないとかそういう話みたいですが・・じゃあ満島ひかりはどうなっている?兄に対する気持ちは?色々揺らぎそうですが。瑛太は瑛太で事件のことを調べている内、行方不明者がいることがわかる。さて、また違った意味で濃くなってきました。


■この回、最後の大竹しのぶの台詞が、混じり気ない被害者家族としての本音だろうな・・という凄みのあるいいシーンでした。あそこまできっちり台詞に心の闇が根ざしてしまったことを盛り込んでいたことに、よく作りこんだなと。
娘を殺されてから、周りのすべてを恨んで自分を責め続けて、何を言われてもまともに聞けなくて、冷めてしまってて無言で・・その様は、夢にでてきた加害者の少年と自分も同じだ・・と言う。すごかったな、そうだろうなと本当に大竹しのぶの娘が殺害されたんじゃないかと思わせる感じだった。
同時に、次男・田中圭が、事件のことは忘れよう・・と母親を元気づけていたのに、それは本当の母親の気持ちをねじ伏せている手助けをしていただけだった・・という部分がせつない。
長男で主人公である瑛太は、加害者家族と交流して、自分の妹が殺害されたという過去となにかしらの決着をつけようとしている。結局、母親の大竹しのぶもそれを望んだということ。次男の前向きに生きていこうという考え方も間違ってないだけに、田中圭が可哀想だったな。

実は母親・風吹ジュンと血が繋がっていなかったことにショックを受けていた満島ひかりをぎこちなくも励ました瑛太、それでうれしくて泣く満島。このふたりの仲はかなりいいですが、倉科カナもいいなあ。。倉科は瑛太が事件を調べているのを手伝ってくれている、美人でいい人で、しかも瑛太に気がある。。

瑛太も満島も過去に引っ張られてしまってる人間だから、ちょっとずれているというかおかしい部分があるのが会話からでてて、そういうのもうまく作ってるなあと。このプチ三角関係のゆくえと、ついに風間俊介(少女を過去に殺害した本人)と満島が再会・・満島はずっと兄に会いたがっていたが、どうなる?


■突然姿を現した兄と再会して、会話する満島ひかり。自然にやさしく微笑んで、祭りのりんご飴が好きだったな?と言う風間俊介。満島は、自分と風間の母親が違うことが最近わかった・・色々そういうの抱えていたんだね?と言う。まあ、家にも戻りづらくなって、もともとお兄ちゃん子だった満島がひさびさの兄になついていても不自然ではないね。
瑛太と母親の大竹しのぶも、加害者家族の時任三郎と風吹ジュンと会って顔を突き合わせ、そうめんを食べている。こっちのシュツエーションのほうがありえねえ(苦笑)と思ってしまうが、元々近所で顔見知りで、瑛太と風間は友達だったんだよね。
瑛太からすれば、中学でも友達だった風間がなぜ、妹を殺害したのか?その理由が知りたいのかもしれないし、加害者家族から謝罪を聞きたかったのかもしれない。でも、いざ謝罪されれば、大竹は大声で突然怒鳴ってしまうし・・風間の心の中を探ろうにも、時任達は今の家族を守るために居場所さえ知らない・・。
実際、被害者家族が加害者家族に会って謝罪されても、なんともいえないもどかしさだけが残るだけなのかもな・・と考えさせられるシーン。

倉科カナが行方不明になっていた風間の医療少年院時代の担当看護士の居場所を突き止めてくれていた。なんて素晴らしい!(笑)でも、瑛太の事件を調べているのを一生懸命手伝ってくれている倉科に、食事ひとつ誘えない瑛太。倉科のアピールも流してるしよ(怒)どんだけ冷たいの??でもね・・。
自分はずっとこの間まで亡くなった父親にずっと食わしてもらっていて、それで毎日毎日家の中でくすぶって、ずっとナメクジみたいに生きてきた人間です・・と倉科に言う瑛太。それでも倉科は、今懸命に動こうとしている瑛太にやさしい。素晴らしい!な(笑)

突然、満島に呼び出された瑛太は、両親が探していて心配していたことを告げる。瑛太は父親がやっていた釣り船屋を引き継いで開けているけど、この釣り船屋によく人が集まる。この静かな池か湖?がある釣り船屋という設定が人がきやすい感じ。まあ、どれだけ人里離れてるかしらないけど、普通の自宅だったら逆に尋ねづらいだろうな。。
で。カラオケに呼び出された瑛太だけど、いつもにも増して挙動が変な満島に不審を感じて、携帯といっしょに置いてある折り紙に気付いた。それは・・風間が折ったものだ!
「今どこにいるんですか!?反省してましたか!?」瑛太の問いに答えられない満島。兄と動物園に行ったことを半券をみせて言う満島に、立場の違いを愕然とする瑛太。そして・・満島も。ふたりのお互い感じていた、なにかしらの信頼が崩れた瞬間だった。このシーンも素晴らしかったね。

だが。満島は兄に言う。<瑛太が妹さんのことで会いたがってる、会おう?>満島は、15年も事件の陰を背負って生きてきてる瑛太に、そして自分に、風間の心を明かして欲しかったのだ。「なんでお兄ちゃんが反省するんだ?あきちゃんは天国に行ったんだ。生まれてこないほうがよかったから。」風間は突然走り出し逃げた。泣きじゃくりながら止めようとする満島の手を振りほどいて、車で走り去る・・。

そして。見つけた担当看護士の酒井若菜も、風間の名を出した瞬間に逃げる。瑛太と倉科は追いかけた。そして瑛太は酒井若菜を捕まえる!なぜ逃げた!??


■風間俊介の医療少年院時代の担当看護士・酒井若菜をようやくみつけた瑛太と倉科カナ。でも、酒井は風間の名を出した瞬間に逃げ出す。それを捕まえたふたり。もちろん、風間の話を聞くためだ。翌日、釣船屋に連れてきて、母親・大竹しのぶと弟・田中圭と瑛太は、彼女から話を聞くのだ。

彼女は、院内で他とは違う雰囲気をかもし出す風間に興味を持つ。絵を描いていて、おとなしい繊細な感じ。絵の具を内緒で買ってきてくれた御礼に、風間は折り紙の金魚をくれた。それがなんだかうれしくて、ふたりは廊下ですれ違う瞬間に渡したり渡しあったり・・しだいに信頼が芽生えていく。だが、少年院内ではそれは異様な行動なのだ。でも、このシーンは見てて楽しそうと思ったけど。
風間がもう治ったと判断され、晴れて少年院を出て行く日。彼は別の名を用意されて別の人生を歩む。新たなスタート・・。
工場で真面目に働き、仕事が終わると、買い物袋を下げて待っていてくれる女性がいた。それは、酒井だった。ふたりはつつましい同棲生活を始めたのだ。
そんな普通の生活に酒井も幸せを感じていた。そして・・妊娠する。

だが。彼女は、風間がしかけたビニール袋でアパートの階段を転げ落ちた。流産した・・。風間の日記を見つけたので読む。そこには、ふと殺したい衝動にかられ、それと戦って苦しんでいる風間の気持ちが垣間見える内容だった。人は金魚で・・自分も女でなく人でもなく、ただ可哀想な金魚が入っている水槽・・だと酒井は気付いた。風間は14才のあの日から何も変わっていない。治ってなどいなかった・・。
そして。酒井はそのアパートを逃げ出す。その後の風間は知らない。

瑛太も大竹しのぶも田中圭も、話を聞いている表情はなんともいえないものだった。田中も事件のことを忘れて、結婚して普通に生きていた風だったが、彼のその顔には怒りの形相が浮かんでいた。
「まだ・・彼に会いたいですか?」酒井は3人に聞く。「はい。」瑛太は答えた。酒井は今風間が働いている果樹園の場所を教えてくれた。酒井を駅まで送ったとき、酒井は言う。「彼を・・楽にしてあげて欲しい。」

その頃。果樹園に足を運ぶもうひとりの男がいた。それは、時任三郎。娘の満島ひかりに言われて、今度こそ風間を迎え入れようと考えていた。自分の息子なんだからと。
でも・・それは叶わぬ幻想だと気付く事態に、果樹園では事件が起きていたのだ。

満島ひかりも、自分の考えが甘かったことを釣り船屋を訪ねて大竹しのぶに言っていた。その時には瑛太はすでに、田中といっしょに果樹園に向かっている。
兄は全然反省なんてしていなかった・・会ってたしかめました。「ごめんなさい。ごめんなさい・・。」何度も大竹に頭を下げる満島。そんな満島にやさしく言う大竹。「いいのよ。幸せになりたいって思っていいのよ・・ふたりで考えるの。」満島と瑛太、ふたりで考える、ちゃんと幸せになれるように。

車を運転している瑛太の顔は真剣で、そして・・その懐には短刀がしのばせてあった。それを田中は知らない。でも、ついてきているのは、兄がなにか起こしやしないかと心配なためだ。
でも、果樹園ではついに、風間は押さえきれない衝動で暴走していたのだ・・。


■果樹園に時任三郎が辿り着いた。殺人を犯して、出所して、今はどうしているのかもわからない息子の居場所を突き止め、ここ果樹園で住み込みで働いていると耳にし、ついに迎えに来たのだ。だが・・間がいいのか悪いのか、そこは惨劇の場と化していた。もちろん、その女性を瀕死に追い込んだのは、迎えにきて連れて帰るはずだった息子、風間俊介・・。

という感じで、パンドラの箱を開けてしまったのかなんなのか、被害者家族と加害者家族の交流どころか、ついに今回は、加害者張本人と遭遇することになる(驚愕)
もちろん瑛太はその張本人に会うために調べたり探していたりしてたんだけどね。。瑛太と弟・田中圭が車で果樹園に向かっている最中に、瑛太が風間に似たシルエットを見て、思わず運転やめて飛び出して走るシーンがリアルでよかった。途中勢い余って懐の短刀を落としてるところとかね。見間違いか?と途方に暮れるが、実は逃亡中で町をふらついている風間本人だったんだな(驚き)

果樹園についた瑛太と田中は、まさかの新たな被害者家族と立ち会うことになり、手術中の女性の安否を気遣う。時任三郎も瑛太達と共に落ち着かない時を過ごすが・・結局女性は脳挫傷で意識は戻らなかった・・。
絶望で時任は我を忘れ彷徨う。だが手を差し伸べる瑛太。「このまま生きてて!・・15年たっても償いきれないのに!?」泣く泣く時任。またもや時任は、自分の家族を世間の罵倒や偏見にさらしてしまう事実に、自分の息子がまた命を奪った絶望に、自分の存在を完全否定しながら泣くことしかできない。でも瑛太は、憎いはずだったこの、妹を殺害した男の父親のことはもう、そういう憎しみではみれないのだ・・。

そして。風間はなんと、瑛太があとを継いだ釣り船屋に来ていた。さっきまで満島ひかりが大竹しのぶと交流を通わせていた場所に!
その時満島は、事件現場、瑛太と時任のいる場所に向かっていていなかった。風間だとすぐに気付いた大竹は、最初は震え上がるも直接対決を望む。警察に電話もせずに、風間に自分の娘が殺害された憎しみと悲しみを訴えた!風間は痙攣しながら自分は病気だから・・と言い訳をする。この男、本当に狂ってる(泣)

大竹の一人舞台が多いこのドラマだが、ここのシーンも鬼気迫っていたな。掴みかかられ追い詰められる風間。自分の罪をえぐりだされるような大竹の罵倒に痙攣を起こすが、逆に叫んで大竹の首を絞めにかかる。「殺せるもんなら殺しなさい!私はあなたが死ぬまで、絶対に死なないから!!」「・・三日月湖に浮かぶあきちゃん綺麗だった・・。だからおばさん、そんな落ち込まないで。」絶望的な言葉を聞いて大竹は、傍にあった木の椅子で風間の頭を打ちつけ気絶させた・・。

その頃。瑛太は車で合流した満島を送っていた。ふたりはぜんぜん好転しない事態に暗くなっている。でも、ふたりの距離はちゃんと近づいていた。全部投げ出してふたりでどこかに行けたら・・とうなだれる瑛太を無言で見つめる満島。
でも決着はまだついてないんだよな・・今回は執念の母親の想いが殺人鬼を苦しめたけどね。


■九話と十話は登場人物がそれぞれの決着をつけるための物語でしたね。ある意味このふたつの回の主人公は、再び犯行を犯してしまった風間俊介だったのかも知れない。
結局、大竹しのぶに散々に罵倒されて、椅子で頭を打ちつけられても、風間俊介はそこを立ち去り自首もしない。今度は父親と妹達が住んでいる家へと向かうのだ・・。
彼は妹の満島ひかりを向かえにきたと釣り船屋ではと大竹に言っていたが、どうやら行動が自分の原点探しをしているようにも見える。不確かな自分の居場所を探し求めているような・・。
少なくても自分の記憶の中で妹の満島ひかりは確かなものだったはずなのだ。彼の心にはどうしようもない悪と闇と孤独があるが、解離性障害の多重人格者なのかもしれないね。この物語ではどうこうという説明はないが。幼い頃の嫌な記憶がもうひとりの人格を作って、それが制御不能になっているのか?

そんな風間だが・・家に帰ってきて待っていたのは自首を勧める父親・時任三郎と激しく罵倒する妹の姿だった。風間の態度も不気味だったし、風吹ジュンもどこか従順すぎる対応(刺激させないためだろう)だった。まともな対応をしていたのは満島と時任だったのかもしれない。が、そういうまともな言葉は風間には届かない。そして、妹は完全に自分にとって確かなものではなくなっていたのだ。
風間は自分のあとに生まれてきた福田麻由子には、「君と僕は関係ないから・・勉強がんばって。」と去っていくが、ここは自分の居場所ではないと絶望していたのではないか。いつしか町で自分をみかけた時任は、そのまま自分に気付かない振りをして去っていったことを思い出していた・・。

そのタイミングでついに瑛太が風間と遭遇する!瑛太は必死に逃げる風間を追いかけるが、その時に限って短刀は持ち歩いていなかった。この遭遇シーンの最初のふたりの表情がたまらなくリアルだったね。瑛太の表情は突然の遭遇でなんともいえない怒りで逆に笑ってた。。
追いついた瑛太は風間と取っ組み合いになるが、<狂犬>と化している風間に一歩及ばなかった、それとも情がどこかで働いてしまったのか?最後の最後で壁に頭を打ちつけられて気絶してしまう。仕留めるチャンスを逃してしまった。
もし警察に捕まっても・・また出てきて犯行を繰り返す。いや、責任能力なしとみなされ罪に問われないかもしれない・・。後悔する瑛太(泣)

そんな瑛太は後日、倉科カナに言われる。「ふたりは・・支えあっていますよね?もしあの人のことを本当に大事に想っているのなら、復讐なんかやめたほうがいいと思います・・。」いい女です倉科(笑)人知れず瑛太と満島くっつけてる。。まあ、自分のほうがあなたを幸せにできると宣言していたこともあったけど、冷静に考えれば被害者家族と加害者家族のふたりがうまくいくはずないのだ。。さて、これで出番終わりでしょうか??この人がいなかったら瑛太はここまで辿り着けなかったぞ。

その影で、時任は家族と別居することに決めていた。罪の矛先は自分ひとりで背負うつもりなのだ・・。そして、満島は自分が決着をつける決意を固めていた。瑛太の短刀は、いつのまにか満島が持っている!この描写前の満島のレストランシーンがなんだかよかった。。瑛太の留守電シーンも。。
ふたりはこれで二度と会わずに最後なのかな?と思わせるシーンで涙ぐんだけど。結局、満島は瑛太に追いつかれて、自分がトドメをさすことは思い留まったのだ。。

瑛太も満島も、風間に対する深い憎しみはあった。でも、それにも増して、ふたりはそれ以上に大切なものを、いつのまにか持っていたいうことなんだよね。それを風間に言う機会を得るふたり。瑛太と満島の旅は、風間の生みの母親の故郷で風間と再会することになる。そこで、風間は入水自殺をしていた!だが、助けたのだ。殺したいほど憎んでいたのに。

被害者家族に憎くまれていた加害者家族。でも同時に、加害者家族も被害者家族を憎んでいた・・。同じ苦しみでも被害者達は世間から同情される、でも加害者達は世間から弾き出されてしまうのだ。そんな気持ちと事実に気付いた大竹しのぶは、最後に風吹ジュンに手を差し伸べる。「許せるわけではないけど・・でも私達は同じ乗り物に乗っていて一生降りることはできない。じゃあ行き先はいっしょに考えないと・・。」

「たださ・・今朝、朝日を見たんだ。また今日が始まるんだなって・・。楽しくても、辛くても、幸せでも、むなしくても、生きることに、価値があってもなくても、今日が始まるんだなって。あの便所の窓から・・15年間ずっと今日が始まるのが見えてたんだなって。うまく言えないけど・・俺、おまえといっしょに朝日が見たい・・。」瑛太は小さな食堂で風間にそう言っていた。満島も隣で黙って聞いている。瑛太は憎しみよりも、今はもっと大きな何かで風間を許せていたのだ。自殺していたのを見たせいなのかもしれない。風間は自分の罪を自分で裁いたと、瑛太も満島も思っていた。
「・・ご飯まだかな?お兄ちゃんお腹すいてんだよ。」風間はそう返した。思わず満島は口を押さえて涙目。「自首すればいいんだろ?謝ればいいのか?ごめんな。」「・・・」3人の食事を持ってきた親父が奥に引っ込むと、無言で黙々と飯を食う三人。でも瑛太は、馬鹿みたいに声を出して笑っていた・・(泣)

どんなに憎んでいても理解しあえることはある。だが、風間には無理だった。彼は母親が自分を産んだことに後悔した気持ちをぶつけ続けて死んでいったことに、心を蝕まれていた。彼は心を無くしていた・・。
最後。警察署の前で自首するために背中を向けた風間を、自分は視聴してて妄想で蹴りを食らわしたのだが。。満島がすぐさま蹴りをいれてくれて、ぶん殴ったシーンに気持ちが通じて感動した(笑)

やるべきこと、伝えたいことは、この狂気な男に全部ぶつけたはずの主人公。でも手ごたえはなかった。当初の予定だった短刀でトドメをさしたほうが本当の意味で解決したのか?と思わせる十話最後だったが、それをやらずにすんだ瑛太と風間とでは、瑛太のほうが決定的に幸福なのだ。正攻法が通じない相手だったからこそ、こういう犯罪を犯した。満島が警察と瑛太に取り押さえられながらも、さらに馬乗りになって風間をぶん殴る気迫シーンで溜飲を下げるしかないね。。さて、最終回は?


■いい最終回でしたね。どういう最終回になるのか?と思っていたけど、このドラマのもち味をまったく曲げずに、ガッツリ撮った感じでした。
そもそもこのドラマのとっかかりの部分は現実じゃ到底ありえないだろうという被害者家族と加害者家族の遭遇と交流なのだ。ifの設定だと思う。でもありえないことでもない?と思わせるほどに、このドラマでは人間の内面をえぐるような台詞や展開に話は進んでいった。
起きた悲しい出来事を静かに閉まって置くのではなくて、自らえぐりだしてしまうような出会い。そして、だから故に、それぞれの登場人物がその出来事への気持ちに一定の決着を見つける。それは穏やかな一面をみせる優しい答えであったかもしれない。でも、それが絶対の答えではなくて、この人達だからこその答えだと解釈すればいいのだと思う。
そして、なにより。主人公の瑛太と満島ひかりのふたりは、被害者と加害者の家族同士でありながら、強い信頼と愛情を芽生えさせていった。事件への決着はついたこのふたりのこれからの未来はどうするのか?という最終回。

が。ひとつだけ納得いかないことがある(笑)倉科カナの扱いがね、というより瑛太の倉科への態度がね、「もう夏も終わりですね。」と釣り船屋に笑顔で現れた倉科。。風間俊介が責任能力ありと判断されただけでもよかったですね・・。と倉科が言った途端、「もう終わったんです。」で、本当に場面切り替わって終わりかよ!?(泣)
感謝してるシーンも忘れちゃうほどだし(あった?)いくら倉科が瑛太に好意持ってるからこそ手伝ってくれてるだけったって(視聴者女性達の反感を買っていたからって)そりゃないぜ(汗)
まあ、こういう普通の女性に対して、瑛太の設定上あまりに眩しい存在というか不可解な存在なんだろうな・・という。。それだけ瑛太は妹を殺害された過去に縛られ続けて生きてきたのだということだろう。だから同じような生き方をしてきた満島ひかりに波長が合ってしまうのもうなずける。このドラマの真骨頂は、このどこかずれてしまってるふたりの会話なのだ。最終回は時間いっぱい、このふたりの会話をとったことがすごくいい最終回になったと感じる。

最近どうスか?と瑛太に尋ねる満島。電球取り替えたとか、リモコンの電池取り替えたと瑛太がぎこちなく答える。。でも、瑛太はちゃんと言った。これからのふたりのことを考えていたと。大切で守りたいものですと。満島もふたりの未来を考えていた・・とうれしそうだ。このふたりは過去を乗り越えたのだからいくらでもやっていける!と見ていて思っていた。
でも。満島の答えは、瑛太との未来は<なし>だと言ったのだ。満島は果樹園で風間に暴行を受けて植物状態になってしまった若いお母さんの娘の母親代わりになるというのだ。風間が果樹園で起こした悲劇は完全に死まで追いやったわけではなかったようだが・・脳挫傷で目を覚ますことはないだろうと医師に言われている。だが、延命治療を受けることに同意してくれたのだ。<目を覚ますまで、自分が母親になる>その決意は固かった。「真面目に生きたいんです。甘えたくないんです。」「・・いつか忘れられるかもしれないじゃないですか!?」「あきちゃんが・・殺されたこともですか?」「・・忘れられるかもしれないっス。」瑛太の笑顔は真剣だった。だが、「・・忘れていいか・・考えてみました。忘れてはいけないと・・思いました・・。ごめんなさい、それが私の見てる明日です。」「・・・。」「楽しかったです・・」去る満島の前を回り込み、瑛太は一日だけのデートを誘う。「・・はい。」よかったなあ(泣)

ふたりは遊園地デートを思い切り楽しんだ。途中で瑛太は、母親代わりになるのをやめませんか?と満島に何度も言った。笑顔で楽しそうだけど、答えがイエスになることはなかった。遊園地が終わり食事もし終わり、ふたりはどこかのベンチに並んで座る。たわいのない会話。でも着実に別れの時は近づいていた。それでもふたりは、なかなかさよならできない(泣)

ついに満島は涙が出てきて泣き出してしまった。あっち向いててください・・と言われ、素直にあっち向く瑛太。。見ている誰もがそこは抱きしめるところだろう!?とつっこんだだろう(笑)瑛太も多分そうしたいんだろうけど、そうしていいのかどうかまず考えてしまう境遇だった。人に対し希薄なのだ。満島が立ち上がってバイバイしても、瑛太は真剣な顔を向けたままで何も言わない。満島はドンドン瑛太の胸を叩いて言う。「無視ですか?手振ってるんですけど・・。」泣いてドンドンしている。そこへ、ギュ!とようやく満島を抱きしめる瑛太。。このままいかせちゃだめだよー(泣)満島はとても喜び言う。「私的にはずっとこうして欲しかったです・・。」そしてバイバイして走りさってしまう。手を振る瑛太を一度も振り返らず全速力で・・。へたり込む瑛太。こうしてふたりは、それぞれ別の明日へと向かったのだ。ドラマ至上に残る、名シーンだったと思います(号泣)

瑛太はいつか風間が出所してきたら会いにいくと決めていた。今度は会いにいけるから・・それが別別になってしまった満島との、いつか目的地が同じであるように思えるから。
最終回で涙の熱演を見せた時任三郎も、住み込みで風間のいる刑務所の傍で働いている。今度は息子の傍にいると。そして瑛太も風間に面会しにいくのだ・・。
もう過去に縛られ振り回された時間はようやく終わった。これからはそれぞれの意思で、それぞれの未来が始まるのだ。

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