「スマイル」まとめ前編

「スマイル」まとめ前編
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http://www.tbs.co.jp/smile09/
#1
早川ビトは本屋で立ち読みをしていた。その顔は好奇心と喜びに満ちている。ふと何か視線を感じたビトは顔を上げそっちを見た。女子高生だろう制服を着た女の子が、本棚から少しだけ顔をだしてこっちを見ていた。思わず照れて視線をそらしてしまったビト。再びそっちを見たけど、すでに女の子はいなかった。が・・財布が落ちている。<三島花>。さっきの女の子の学生証が入っていた。あっ!?と思っていたら、今度は本屋の主人がさっきの女の子を万引き犯だと奥に連れていってしまった・・。どういうこと!?
本屋の主人の問い詰めに女の子は悲しそうにただ無言。警察に連絡しようとしたその時、ビトが入ってきた。「あの・・すいません。あのこれ、今そこで拾って。多分彼女、払う気だったのに財布が無くて、だから何かの勘違いじゃないかと思うんですけど・・。絶対そうだと思いますけど。」ビトの言葉で主人は納得し、花は涙を伝わせながらも唇を噛みしめていた・・。
誤解が解けて、ビトと花は本屋からでてきた。「じゃあ、ここで。」ビトは早々に別れようとする。花は深いお辞儀をした。一瞬の出会いだったけれど、それでも花は走っていくビトを見送りながら、満面の笑みを浮かべていた。
早川ビトはフィリピン人の父親と日本人の母親との間に生まれた青年。彼には夢があった。多国籍料理店を開くという夢が。その店ではどんな人でも笑っていられる、そんな温かくてやさしいお店。ビトは時としてフィリピン人というレッテルを張られ純日本人として扱われず卑しい目で見られる時もある。だが、昼間は食品加工の店で働き、夜は夢の勉強のために別の店で働くという勤勉で真面目な男なのだ。さっきも花と急いで別れたのは夜の職場のカフェに急ぐため。が・・昔のビトの知り合いがその店で働きだしてから、ビトの顔色が悪くなり始めていたのだ・・。そしてとうとう嫌な予感は的中してしまった。ビトはその昔の知り合い・近藤が、最近人気が出てきているグラビアアイドルに麻薬を渡してる所を目撃してしまう!その近藤と知り合いだったビトにも、昔なにかがあったのだが・・。
そしてある日。再び偶然にもあの花と道で再会するビト。花はブタのストラップをビトに渡す。きっとこの前のお礼なのだろう。なんでブタ?と思いながらもうれしそうな笑みを浮かべるビト。花は恥ずかしそうに去ってしまった。
ビトが勤める食品加工の社長、町村宗助とその妻・みどりはビトのことを温かく見守ってくれている。ビトといっしょに働く金太とブルも、ビトと大変仲がいい。実はビトや金太、ブルは仮出所中の元悪だったのだ。ビトと金太は元カラーギャングで他のチームと抗争を繰り返していた。ブルは元暴走族。だが今は明るく真面目に生きている。そんな彼らを保護司でもある宗助はやさしく接してくれているのだ。町村家の温かさに触れ、穏やかに今を生きていたビト。しかし、近藤の出現で昔の黒い過去が現在にも再び姿を現そうとしていた。あの忌まわしい恐怖の存在、林誠司のことも思い出してしまう・・。
今はヤクザになり幅を利かせている甲斐(ビト達の抗争相手だったカラーギャングの元リーダー)にビト達は出会い、あまりの挑発的な態度にブルが食ってかかる。偶然その現場を見かけた町村家の娘・しおりが止めにはいり事態は収まるが、それはしおりが弁護士バッチをつけていたからにすぎなかった・・。「バカ!!問題起こしたらね、執行猶予も取り消されちゃうんだよ!!」しおりは本気で心配しているのだ。
そのしおりが勤務している弁護士事務所の弁護士・伊東一馬は一見ひょうひょうとしてとらえどころがないが、その弁護士としての優秀さは大したもの。だが、普段の言動とだらしないところがそれを帳消しにしてしまい、しおりはゲンナリしていた。。一馬がまさか今後、ビトと深く関わっていくとはまだこの時誰も予測できるわけはないのだが・・。そして。一馬は本当の名前ではないようなのだ。本名を変えなければならなかった一馬にも、なにか過去があるのかもしれない・・。
食品加工の町村フーズに新しい事務の人が採用になった。ビトはその人を見て驚愕する。あの花という女の子だったのだ。今月で高校を卒業するという花、実は3、4年前から声がでないという。でも宗助達は花を温かく迎えた。笑顔で笑う花の視線の先には、ちょっとドキドキしてるビトの顔があった。
ビトのあとを密かにつける花。花はビトのことが気になっているようだ。。いつかの本屋でビトに見つかってしまい、ふたりは散歩することになる。
「でも驚いた。まさか君がうちで働くとかいって。あのさ、わからないことがあったら聞いてね。あとこれありがと。」ブタのストラップをみせる。「あのさ?なんでブタ?」花は表情をクルクルと変えながら笑顔でブタが好きだからと伝える。夢ある?と花は聞いてきた。「夢?あるよ。レストランをやること。多国籍料理の店なんだ。」花はそれを聞いてうれしそうにうなずく。そしてブタが願いごとを叶えてくれるとビトに伝えた。身振り手振りそして口の動きでいっぱいに伝えてくる可愛い花に、ビトも照れながらもうれしそうに笑っていた。
だが・・ビトに突然の災難が降りかかる。夜働くカフェが警察のガサ入れ捜査の対象になったのだ。そして、ビトのロッカーから麻薬が見つかる!近藤がビトのロッカーに隠していたのだ・・。刑事はビトのことを見つけると、「たくっ!これだからフィリピン野郎はよ!!」ビトが昔悪だったことも十分承知しているその刑事の言葉は、ビトを侮蔑していた。今のビトのことを理解している素振りはまったくない・・。ビトは逃げだす。だが・・すぐにパトカーに包囲されてしまうのだ。ビトはカバンを振り回し抵抗するが、その顔は涙でいっぱいになっていた。<僕はなにもやっていない!嘘もついてない。でも、前は誰も僕の言うことを信じてくれなかったよ!>「いくつになっても悪党は悪党だな。おい、ビト!この人殺しが!」警官に羽交い絞めにされたビトに言う刑事。土砂降りの雨がビトを冷たく濡らしていた・・。それを見て驚愕する花。そして偶然現場にいた一馬は、侮蔑の目を向けてその場を立ち去る。「やめろオ~!!」ビトの叫びは土砂降りの雨にかき消されてしまった・・。

#2
ビトは無実の薬物所持で捕まり裁判が開始される。弁護士は町村しおり。裁判はビトの圧倒的不利な状況で進んでいた。本来薬物を所持していた近藤はもちろん持っていないと自供、グラビアアイドルとの接点も否定、ビトは思わず興奮して立ち上がるが、近藤はうすら笑いを浮かべていた・・。
しおりはもちろん伊東一馬に弁護を頼むが拒否される。一馬は弁護人がしおりの知り合いじゃなければ、弁護を引き受けるのもどうかと思うとか、「なんで名前そのままにしてんの?名前変えちゃえばもはやハーフだってわかんないじゃない?」そんな調子でなぜか意図的にビトの裁判の件を避けるようにしていたのだ・・。しおりは自分が必ず無実を証明するとビトと面会するが、ビトの表情は暗い。過去にやはり濡れ衣で罪をかぶらされたことがあるビトにとって今回も無実は証明できないと考えているようだ・・。「やっぱり僕が純粋な日本人じゃないからだ・・。」「ビト?日本人に純粋も純粋じゃないもないよ?」「・・あるよ・・。」
一馬の事務所に花が訪ねてきた。花も一馬に弁護依頼を頼みにきたのだ。実は裁判のあと花は近藤のあとをつけて甲斐との会話を聞いていたのだ。やはり近藤は現在ヤクザである甲斐と繋がっていて、薬物の隠し場所をビトのロッカーにしていた!物的証拠はない。が、花は必死に紙に弁護依頼を書いて一馬に頼む。しおりも花のしゃべれない状況を一馬に説明しながらも弁護協力をいっしょにするのだが・・。「この件はさ、全部しおりちゃんにまかせてあるんだよね。彼女が早く一人前になるためにもがんばってもらいたいわけ。わかる?大丈夫、しおりちゃんがきっちり解決してくれるから。」一馬は花に笑顔でそう説明するが、明らかに弁護を拒否していた・・。そしてビトを目の敵にしている刑事も、ビトのことをはなから犯人と決め付けている。というより犯人にしたいのだ。検察官の人柄もあまり情がある人間とはいいがたい。すべてビトに悪い方向に事態は進展していた・・。
やはり近藤と直接取引きして薬物を受け取ったグラビアアイドル・ユキから証言を得るしかないと考えるしおり。だが、それはないと一馬は冷静に言う。一馬は知らない間にビトの件を色々と調べていたのだ。ビトが昔、甲斐や近藤のいたチームと争いがあったこと。甲斐のいる事務所が最近芸能プロダクションを始め、そこに所属しているのがユキだったこと。「じゃあ・・ユキから崩すことは不可能・・。」落胆するしおりに一馬は、もっとやばい流れになるとビトの不良時代のことを指摘した。
そして。例の悪者刑事はビトの17歳の時の過去を証言。敵対していたグループの少年ひとりを殺害、6人に重傷を負わせ少年刑務所に入り現在仮釈放中だと。「それはビトじゃない!!」思わず傍聴席にいた金太は叫ぶが・・裁判はにっちもさっちもいかないほど悪い方向に歪められていくのだ・・。
花はビトと面会していた。「驚いたでしょ?僕にあんな過去があったなんて。最悪だよね・・。どうして?僕に関わるとろくなことないよ?」花は身振りでガラスの向こうのビトに信じてると伝える。<が・ん・ばっ・て>花のやさしさにうつむくビト。ビトは花のやさしさを素直に受け止められないのだ・・。やさしさに慣れていない。その頃、町村夫婦、金太、ブルも直接一馬に弁護を頼みにきていた。町村夫婦は一馬にビトの境遇を説明し始めた。ビトが夜の商売をやっていた母親と出稼ぎにきていたフィリピン人の父親との間にできた子供だということ、父親は突然姿を消し、母親が引取って育てていたが、男が頻繁に出入りする家庭で母親も家に帰ってこない日が増えてくる。中学を卒業してからのビトは派遣登録し、住み込みの仕事で全国を転々としていたらしいと。気持ちのとてもやさしい子です。今はビトのことを信じています!とみんながビトの味方をする。過去の事件も金太はビトじゃないと一馬に説明。「それも冤罪だと?」「どうしてもビトを助けてやりたいんです!人生に絶望させたくないんだ!!」町村宗助は思わず叫ぶ。だが・・一馬は考えさせてほしいと事務所を出て行ってしまった。一体何をそこまで一馬を頑なにさせているのだろうか・・?
花は不法進入していた、今は店を閉めているあのカフェに!花はその可愛らしさとは裏腹に行動力に富んでいたようだ。。従業員名簿から近藤の居場所をメモする。が!刑事ふたりがカフェに入ってきてしまった!刑事はビトを追い詰める証拠品がないか探しにきたのだ。片方の刑事は<ビトじゃなくて近藤じゃないスか?>と文句を言っているが、もう片方の刑事は<そんなことどうだっていい>と言っている。花は出るに出れない状況になってしまい、思わず足元にあったダンボールを崩してしまった!不審がる刑事が音のした部屋の扉を開ける。だが・・誰もいない。花は扉の影で背中を丸めていたのだ。そして隙を見て窓から脱出した!
花は近藤のあとをつけていた。近藤はあるライブハウスのようなダンスホールに行き、花も中に入る。人ごみとDJの音楽が室内をかき回しているが、花は近藤の様子を探り、そして携帯で撮っていた!((近藤の薬の受け渡し現場を!))そしてそれを一馬に送信する。だが近藤に見つかってしまった花はその場を逃げ出した!なんとかビルの階段に隠れた花。が!後ろから肩を掴まれる!「なにやってんだ!」近藤が携帯を渡せと迫る。花はおそるおそる携帯を差し出すが近藤が掴んだ瞬間にそれを引っ張り近藤はよろけた。花はまた走りだす!間一髪のところで一馬としおりが現れ、近藤はたじたじ、警官もいっしょに一馬達は現れたのだ。。
その後の裁判はビト有利に進んでいく。花は近藤が薬を受け渡していた証拠を手に入れ、しかもあの刑事達の会話も携帯で録音していたのだった。。一馬が法廷に立ちスムーズに事を進めて刑事達もたじたじ。ビトは逆転して無罪を勝ち得た。一馬はお礼を言うビトに一言。「別に君のためじゃないし、俺は何もしてないから。礼なら彼女にいいな。すべて彼女のおかげだろ?」一馬のむこうで花がピースしていた。。それでもビトは一馬に礼を言うのだった。
ビトは花とふたりで買出しをする。ビトは花にお礼を言った。「あの・・いろいろありがと。」命がけだったと身振りで言う花。ビトが戻ってきたうれしさからか、花は思わずビトに抱きついてしまったが、ビトは照れて無言になってしまった。。それでもふたりは楽しそうに買い物をする。
その帰り道。ひとりの男が道で車を止めていたのに花が近づいた。スーツを着たやさしそうな青年。花だとわかると楽しそうに笑った。花はビトにごめんなさいをし、その青年の車に乗ってしまった・・。「そりゃそうだよな・・。」ビトはちょっと切なそうな顔をしてみんなのいる町村家に帰るのだった。花は夜ちゃんと帰ってきたが、あの青年は何者なのだろうか・・?ビトは気になってしかたない。
また穏やかな日常が戻ってきた。が・・また新たな問題がビト達に降りかかってくるのだ!

#3
小学校で集団食中毒が起きた。そこは町村フーズも納品している学校。ビトは配送でそこに通い、そこの小学生の女の子・リナになつかれていて仲がよかった。その子のことが気になったビトは花とふたりでお見舞いに行く。学校に行くが人々と救急隊員の群れで混乱し、病院も事態は同じだった。花はその様子を見て息切れを起こしてしまう・・。どうにかリナの病室にたどり着くが、リナの母親にふたりは追い返されてしまった。こうなったのはあなた達のせいではないの?と。そう、これは納品していた町村フーズにとっても深刻な事件なのだ・・。
その頃。伊東一馬弁護士はコメンテーターとしてTV出演することに浮かれていた。同じ事務所で師である一馬であるから、しおりももちろんテレビ局にいっしょに向かう。始めてのTV出演ということで一馬はにやける。。実は一馬はミーハーな所があって、ユキの覚せい剤事件の時も自分が弁護を申し出ていたこともあるのだ。番組がいよいよ始まるが・・一馬は紹介されても深刻な顔をして硬直していた。緊張してしゃべることもできない。。結局途中でなぜかしおりが変わりに出ることに。。しおりは物怖じせず優雅にコメントし始めるが番組の内容は例の集団食中毒の件だった。自分の実家が関係していることも承知していたしおりの口は重くなる・・。思わぬところで一馬としおりがTVに出ているところを興味深々に見ていた町村夫妻と金太、ブルだったが・・事態は自分達にも降りかかるかもしれないということを実感させられるのだった。ビトと花も病院の待合席のテレビでそれを見ていた。呆然とするしかない、もし故意に毒物を混入していたとわかれば極刑もありえるとしおりは辛そうにコメントしていたのだ・・。
が。食中毒の原因は卵スープではないのか?と評論家が結論づけたことで事態はとりあえず収まった。町村宗助も安堵のため息を漏らす。また日常が戻り、花は何かとビトに近づいて可愛い笑顔をみせるが、ビトはなんとなく素っ気無い。花はちょっと悲しそうだ。ビトはあの時のスーツ姿の青年が花の彼氏では?と考えてしまって逆に素直になれないのだった。
ビトは配送の途中で花を買い、リナの見舞いに寄る。ビトの顔を見て喜ぶリナ。おはぎが食べたいと言っている。全然元気になってる姿にビトも喜ぶ。が!「ちょっと何やってるんですか?!」リナの母親が病室に戻ってきてビトを廊下に連れ出す。「もう今後、うちの子に近づかないでください!」「・・・どうして?」「どうしてって。別にあなたが外国人労働者だから言ってるんじゃないですからね。」「・・・。」そこへ同じ病室にいたお婆ちゃんが廊下に出てきた。「あんまり刺激することようなこと言わないほうがいいわよ。こういう人に。」ビトは呆然としてしまって何も言えなかった・・。些細なところでそういう目で見られる。ここでも・・。
帰ってくると花が出迎えてくれた。ビトは花に、リナの母親に追い返されて会わないように言われたことを告げた。ちょっと花は考えたあと、(うれしい)とビトに伝える。ルンルンの花の動きに苦笑いしながら「どうして?」とビトは聞き返す。花はリナとビトが会うことにヤキモチを焼くと笑顔で伝えた。そしてブタのキーホルダーを懐から出す。ビトにあげたブタとこのブタは恋人同士だと満面の笑顔だ。。だが、ビトは照れながらも素直に花の動きに合わせられない。さっきの病院の時のように、今まで人との関わりで嫌な思いをしてきたビトにとって、人のやさしさや愛情に臆病になってしまっていた・・。しかしその様子を覗き見ている金太とブル。二人ともニヤケすぎ。。
ビトは再びレストランの面接を受けていた。夜のバイトは自分の夢である多国籍料理レストランのために色々な種類の食べ物を吸収したい。面接はうまくいきそうな様子だった。が・・「うるせえばかやろう!」どこかの席から酔っ払いが騒いでいた。その酔っ払いは一馬だったのだ。。ビトは知り合いということでいっしょにその店を出て行くことに。面接はパーになってしまったが、恩人である一馬とビトは屋台で飲むことになった。
「バーカ。彼女は君のために命掛けだったわけ、それは惚れてるから。フン。」一馬はふてくされながらも言う。「僕に・・惚れるわけないよ。」否定するビトだがうれしそうだ。一馬はふいに話題を変え尋ねる。「君は俺のこと好きだって言ったな?」「先生は僕のこと嫌いみたいだけど。」「嫌いだね、大嫌いだね。君と関わると根源的な自分と向き合わなくてはいけないような気になるんだ・・。」「どういうことですか?」「飲め!日本酒は日本人の魂だ。」一馬は笑いながらビトに日本酒を勧めた。ビトは一馬の言葉の意味を理解できぬまま日本酒を煽るのだった。
帰り道。一馬はふとビトに聞いた。「なあ。なんで彼女が君に惚れるわけねえんだよ?君がフィリピン人と日本人のハーフだからか?」「・・・」ビトは小学生の頃の苦い思い出を語る。フォークダンスで意味もなく初恋の女の子に手を振り解かれたという。それを聞き何かをビトに言おうとした一馬。だが!目の前のコンビニに強盗が入ろうとしてるのを目撃!なぜか俄然やる気の一馬はそいつをとっ捕まえてしまった。。ビトはたじたじ。。
怖かった~というビトに、「何言ってんだよ。昔ブイブイいわしてたくせによ。」だが、ふと思い出したように一馬は言い直した。「・・ビトは人の罪かぶったのか?そいつ今何してんだ?」「金ちゃんが噂で聞いた話では、刑務所の中でも問題起こして刑期が伸び伸びになってるとも聞きました・・。あの人にだけは本当にもう関わりたくないです。」「でも出所して尋ねてきたら?」「林さんとはもう完全に縁切ってますから。」「過去との決別か?」端正な顔を歪め、ちょっと不敵に聞く一馬。ビトは苦笑いして首をひねる。今のビトにはもうあの頃のことは思い出したくない過去でしかない。
ビトが帰宅すると花が車に手を振っていた。あのスーツの青年だ。どうやら花をここまで送ってきたらしい。思わず隠れてしまうビト。やっぱり花の彼氏なのだろうか?ブタのキーホルダーを眺めながら屋上でたそがれるビトに花が笑顔でやってきた。花は今日からよろしくと伝えてくる。花は荷物を持ってビト達と同じように住み込みで働くことにしたのだ。花はおもむろに赤いリボンを自分の小指とビトの小指に結び腕をあげて喜んでいる。。赤い糸か!?そんな可愛い花なのに、「・・僕明日早いし、もう寝るね。おやすみ。」リボンを解いて行ってしまった・・。こぉの!ばかやろうが・・。。
次の日。ビトはリナに持っていくおはぎを空いた時間に作り始めた。そこへまたしても花がやってくる。リナに持っていくと聞いて、頬をふくらまし目を細める花。でもすぐに笑顔になって自分も手伝うとおはぎをいっしょに作り始めた。なんだか楽しそう。。それをまたもや覗いている金太とブル。うらやましいよなあ~。。
おはぎは完成!ふたりはそれを持って病院に向かった。リナは寝ていたのでメモを残してそっとおはぎを置いていく。その帰り道、信号待ちで花はビトの手を握った。ニコッと笑う花。ビトも笑う。きっとふたりは恋人同士に見えただろう。。だが!
集団食中毒の本当の原因が特定された。<赤飯に使用されたもち米に使用されていた農薬>東京地検といっしょに町村フーズに現れたのは、ビトの裁判で一馬と戦って一杯食わされたあの情のない検事と・・ビトを目の敵にしている悪者刑事だった!!今度はやり返す!とふたりの男は不敵に笑う・・。ビト達は再び危機に立たされたのだ・・。

#4
町村フーズに東京地検の強制捜査が入る!ここで出荷されたもち米が集団食中毒の原因と判断されたためだ。ビトと花は街灯テレビでその事態を知り、再びリナのいる病院へ引き返す。だが・・リナはもうさっき置いてきたおはぎを食べてしまったあとだった・・。花も突然の腹痛で倒れこんでしまう。リナは命に別状はなかったが、後遺症が残るかも知れないという・・。ビトは母親に怒鳴りつけられ追い返された。ビトのやさしさは思わぬ事態によって打ち砕かれてしまったのだ。ビトも深刻な事態に悲しく顔を歪める。一体何が起きたんだ!・・食中毒騒ぎは最悪の形でビト達に降りかかることになる。
町村フーズに駆けつけた伊東一馬と町村しおりはすでにマスコミまで駆けつけてカメラや報道陣が取り巻く中を割って入っていく。そこにはビトの公判で戦った検事とあのいやらしい刑事、中は強制捜査で家宅捜索され地検の連中が我が者顔で歩き回っていた・・。
「ああ、これはこれは。伊東先生。」ニヤケながら検事が一馬に近づいてきた。「・・あれなんで俺のこと知ってるの?何してた人だっけ?」「君ね・・。」「冗談ですよ、北川検事。」笑いながらも一馬は北川をけん制することを忘れない。「あれですか?早川ビトの裁判で俺にコテンパンに負けたから、その腹いせに俺の可愛い部下の実家でもいじめてやろうって感じですか?この強制捜査は。」そこへジッポライターのふたを開け閉めする音が響く。「ここのもち米から毒物が検出されても、そんなへらず口が叩けるのかねえ。」悪者刑事・古瀬が言う。しおりは口をキュッと引き締め、一馬も渋い顔をして黙ってしまった・・。
「はっきり言って状況はよくありませんね。」一馬は町村夫妻、金太、ブルに諭すように言う。たとえ何も非がなくてもこれだけ騒ぎが大きくなれば風評被害が免れない。世間の目は町村フーズに冷たく当たるだろう・・。
ビトはその頃まだ病院で花の傍にいた。花は目を覚ました。もう大丈夫のようだ。小さい子や体に体力がない人に顕著に症状がでるという。実際ビトもおはぎを作っていた時口にしていたが大丈夫だった。花はリナの事を心配するが、ビトはリナの方は後遺症が残るかもしれないことを教える。花もせつない表情になってしまった・・。なぜこうも次々とよくないことが起きるのだろう・・。
北川から任意の聴取を受ける町村宗助。北川は不衛生不衛生と職場環境を悪く言う。宗助はこういう調理場はどこも同じだ!と否定するが、じゃあどういう風に駆除されているのか?と巧みに宗助を誘導していく。「専門の業者に頼んでいますか?おたくで働いているガサツな職人さん達がガサツに退治してるってことはありませんか?」殺虫剤を故意に撒いたのでは?といやらしく言う。北川は言葉巧みに宗助を揺さぶり、自分の職場が不衛生だと認める発言をさせ、仲間を疑いの目でみるように仕向けた。場所は北川のデスクで裁判ではなかったが、宗助は散々に打ちのめされる・・。そして怒りがこみ上げてくるのだった。「・・冗談じゃない!負けてたまるか!」肩をいからせて帰路につく宗助。宗助はビト、金太、ブルを信じると一馬の前でも言い張った。殺虫剤を撒いたことがないと目を見ればわかる!と。一馬は感情論で言う宗助を諭しながらも、ここの人達の絆が本物であることを実感していた。宗助は立ち直ろうとしているビト達を信じると決めている、その強さに打たれる。「町村さん、検察庁いってみますか?」一馬は宗助を誘った。
「北川検事。これ根本論なんですけど、そもそも汚染されていた可能性はないですかね?もち米を町村フーズが仕入れた状態ですでに汚染されていた可能性ですよ?」「どこから仕入れていたんですか?おたくは。」「帝国食品です。」「天下の帝国食品がそんなズサンな管理をすると思いますか?」「そんなのわかんねえじゃねえかよ?」一馬は苦笑する。「だったら他でも被害がでてるだろう?帝国食品がどれだけの量を扱ってると思ってるの?」北川は一馬を睨みつけた。「とにかくあなた方の責任はまぬがれないよ。あのような連中を本当にきちんと管理できてたんですか?」「しつこいねあんたも!」「言い張るのは勝手だけど、真実が明らかになった時すべてを失うよ。」北川のあまりの言い様に宗助は蒼白になる。一馬はするどい目を北川に向け、「あなたも失わないようにね。」そして微笑し、宗助とその場をあとにした。
花は退院しビトが向かえにきていた。もう大丈夫!とガッツポーズをする花。その笑顔にビトも顔がほころぶ。花はいきなりビトの手をとってズンズン歩きだす。何気に積極的な花。。が、例のあのスーツの青年が偶然にも病院にいた。呼び止められ花とビトは振り向く。今度は花はその青年の所へ笑顔で歩いていった。青年と花はベンチで腰かけ話し始める。なんだか花はやたら笑顔だ。ビトは花を待ちながらも複雑な表情。どうやら彼は区役所の福祉課の人らしい、でも食中毒事件にも駆り出されて仕事していたようだ。今度は花とその青年がビトの前にやってくる。「渋谷区役所福祉課のサガミです。」「早川・・です。」「花ちゃんのことよろしくね。」「ああ・・はい。」花の顔がほころんだ。サガミは去っていき、またビトと花は歩きだす。花はビトと手を繋ごうとするがビトはなんとなく繋がない・・サガミのことを気にしているのだ。。
その夜。一馬も呼び豪勢な食事会。みんな負けないで戦っていこう!という決起集会で盛り上がる。一馬はその輪の中で安らかな笑顔を浮かべていた。ビトに対して不思議な気持ちになっていた一馬。ビトと接してると自分と向き合ってみようかな?と思ってしまいそうな自分がいつのまにかいるのだ。しかし、まだその踏ん切りは一馬の中でつかない・・。その頃。あの男が刑務所から出所してきてしまっていたのだ・・。まだビトはそのことを知らなかったのだが・・。
花はビトに手紙を渡す。それはどう見てもラブレターなのだがビトは信じられない。「なんで・・僕なの?僕はそんな人間じゃないから。」それでも花は笑顔で屋上から去っていく。花の気持ちに気づいた町村夫妻も花を応援する。「ビトは奥手だからガンガン押しちゃいなさい!」町村みどりは花の背中を温かく押す。ビトが人の気持ちに臆病なことも承知しているからゆっくりやっていきなさいと。食中毒騒ぎの中で、花の笑顔は心安らぐ。夫妻は心からふたりのことを見守っていた。花とビトはふたりで買い物に行くことになった。だが、裏口からでてきたふたりを目ざとく見つけた報道陣が取り巻く。その報道陣の群れを見て花は気を失ってしまった!
ビトは病院で花の寝顔を見ながらもらった手紙を広げる。その内容にビトは震えた。~いつも声がでなくて話したいことは沢山あるのに伝えられなくて。こんな私ですが夢があります。あなたが作る多国籍料理のお店のお手伝いがしたい。だからそれまでにきちん声がでるようにならなきゃと思ってます。一生懸命お仕事しているあなたが大好きです。やさしいあなたが大好きです。夢を語っているあなたが大好きです。あなたの笑顔が大好きです。~激ラブレターじゃねえか!!ビトはそっと花の寝顔を見る。少しそのビトの顔は涙ぐんでいた。
ビトは区役所におもむく。サガミに会いに行ったのだ。その頃、一馬と宗助は帝国食品に出向いていたが、アポイントはとれない。入り口で追い返されてしまった。一馬はそれで確信する。帝国食品は犯罪を犯した町村フーズを煙たがっているのではなく、犯罪を犯させてしまったから煙たがっている!一馬の調べで実はあちらこちらで食中毒は起こっていたことがわかった。しかしどれも小規模で話題にはならなかった。町村フーズの件はある意味不幸だったということになるが・・それよりも帝国食品は自分らの非を隠蔽しようとしているのだろう・・。証拠がいる・・確固たる証拠が!
ビトと一馬は屋台で飲んでいた。ビトは一馬に言う。「花に自分は何をしてあげられるのだろう?」と。サガミは花の過去を教えてくれた。その内容を一馬にも話すビト。世間的にも騒がせたマルチ商法(新興宗教まがい)で捕まった父親の娘だった花。それで小さい頃からマスコミに追いかけられ片親だった花は施設に預けられる。それがきっかけでサガミとも知り合ったのだ。福祉課だったサガミは花の面倒をみることになったのだろう。世間の風当たりは冷たく花は学校でもいじめられた・・。親戚の家にあずけられるようになってからは穏やかになった花の日常。だが、ある記者がきっかけで再びマスコミが追いかける。その時のショックで花はしゃべれなくなってしまったのだ・・。「僕はずっとフィリピンフィリピンって言われてきて、いじめられないように強いやつに媚へつらってさ。なんで僕なんて生んだだろうって母親を恨んだこともあったけど・・。でも彼女は僕よりもっともっとずっと・・ツライ想いして生きてきたんじゃないかな。」「・・花ちゃんってよ、いつもニコニコしてるよな。なんか一生懸命でよ。」一馬もしみじみ言う。でもサガミは言っていたのだ。愛想笑いばかりだった花だけど、最近はとても楽しそうに笑うようになったと。「・・僕が彼女を守らなきゃ。」そう言い真剣な顔をするビトに一馬は笑う。そしてビトも。お互い持っていた酒をかざしあった。
「事態はおもったよりも深刻です。今日から協力して動きだしましょう。反撃です。」一馬は町村フーズのみんなの前で作戦会議を開く。まず取引先を一軒一軒回って契約を切られないようにすること。今のままで裁判が始まった場合の資料集め。いつでも作業できるように職場を守ること。そして一馬とビトは隠蔽工作の証拠集め。その合間にビトは花に手紙読んだことを伝えた。「あのありがとう。・・どうもありがとう。」ぎこちないがうれしかったという気持ちは花にも伝わり花は笑顔になる。大変ながらもみんな前向きに明るく動き始め、ビトと花の仲もいい感じ。すべては好転しているように見えた。だが・・。
リナの母親がビト個人を殺人未遂容疑で訴えた。さらに面倒になってきた食中毒問題。そして・・ビトと一馬の前に現れてしまった!あの男が・・。「ひさしぶり。人殺しのビトちゃん。また誰か殺しちゃったのかな?」林誠司は端正な顔でビトに笑いかける。だがその目は一瞬にしてビトを射抜く鋭さを向けていた。ビトは凍りつく・・。恐怖で体が動かない。その威容なオーラを放つ男に、一馬も思わずビトの顔を見つめてしまっていた・・。

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