スマイル#10

「スマイル」#10
必死の想いから花は証言台に立つ!(ビトを自分の手で助けたい!)北川のあまりの反対尋問の攻撃に「違います!」花は自分でも信じられないほどの凛とした声でそう発していた。「彼は本当に心のやさしい人です。すべては私を守るためにやってしまったことなんです。どうか彼の言葉を信じてあげてください。」花の言葉に裁判の場は心打たれた・・。だが、カシワバラセイテンの娘だという事実が北川の言葉で暴露され、花の立場は一変、<マルチ商法で詐欺罪に問われ現在服役中の男の実の娘>再び場は騒然となり、花は胸を押させ苦しみ出す。北川の、今回の裁判の件とはまったく関係のない、正攻法じゃないやり方で、ビトを弁護した花の言葉は正当性を失ってしまった。そしてビトの立場もまた危ういものになってしまった・・。そして花の声は、また出なくなってしまうのだった・・。
裁判の場では被害者・林誠司の母親が証言台に立っていた。現在は別の家族がいて林とは連絡もとっていなかったという。その背景には旦那(林の父親)の暴力があった。林は幼い頃から父親に暴力を振るわれていたという。息子を守れるのは自分だけだったという母親。しかし、その母親もその暴力に耐えかね離婚を決意した・・。<息子である林には会うな>という条件もその離婚条件に含まれていたと話す。「暴力をふるう父親、自分を捨てた母親、昔の仲間である被告人に何度も接触したり相談を持ちかけたのは、その深い孤独を埋めるためだった。その想いを被告人は無情にも踏みにじったのです!」北川が雄弁に語り、場は深刻そのものとなる・・。ビトもその母親を悲しそうに見つめていた。
今度は一馬の反対尋問が始まる。責任を感じるのはわかります、しかし林はもう自分の行動に責任を持たなくてはならない年齢だったはずだ。と。母親はうなずく。だが、林は事件直前に電話を自分に掛けてきていたというのだ。「電話・・?」思わず聞き返す一馬。事件が起きる前、林は母親に電話を掛けていたのだ。だが・・その電話を話も聞かず切ってしまった・・。「あの時・・話を聞いてやってれば・・こんなことには・・。小さい頃は本当にやさしいいい子だったんです。離婚して家をでる時にも絵を描いてくれたんです。絶対迎えにいくからね・・待っててねって。」母親は泣き出してしまった。「・・息子を・・殺さないで欲しかった!」母親の悲痛の叫びは場を悲しみで包みこむ。一馬も次の言葉を失い、しおりを涙ぐんでしまっていた。そして・・ビトは呆然と母親を見ながら立ち尽くしていた・・。
被告人質問。もう裁判も大詰めを迎えている。ビトは北川の質問に答えることになった。あくまでも計画性じゃないというのなら、どうしてすぐに自首しなかったのか?ビトはそれに<約束を果たしたかった>と答える。もう花とはこれきりだろう・・自首するその前に富士山を見に行く約束を叶えたかった・・。「富士山見物ですか?人を殺したあとに?」北川の言葉に裁判員に選ばれた面々も顔をしかめる。本当は逃げるためだったのでは?被害者は母親に助けを求めるほど追い詰められていた、にも関わらず交番を襲い奪った銃で計画的に被害者を殺害した!北川は攻撃の手を緩めない。だが・・ビトは計画性や交番を襲ったことを否定するも、その状況は口をつぐんでしまう。傍聴席でブルは、なぜ本当のことを言わないと愚痴るが、金太は諭すように言う。「言えねえんだよ・・。あのお母さんのこと考えると・・。」
論告・求刑。北川は過去の傷害事件の件を含め、なんの反省もみられないこの被告人に、<死刑>を求刑した!花は目を見開き動揺してしまう・・。一馬はアゴに手をやり無言だった。だが、最後の仕事が残っているのだ。
最終弁論。一馬は裁判の場に集まるすべての人達に訴えかけていた。「なぜこんな事件がおきてしまったのか?そこには被告人が幼少時代から受けてきた差別や偏見が大きく影響しています。」普通の人達にはなかなか実感できないことかもしれない、今の日本にそんなものがあるのか?「ですが、思い出してください。検察官が証言台に立つ彼女を、カシワバラセイテンの娘であると悪意をもって公表しました。その瞬間、この法廷の空気は一変しました。彼女を見る目が変わったんです。犯罪者の娘ならばこの子もきっと悪に違いない、彼女の証言は信じられない。笑顔で毎日を懸命に生きてる女性に対し一瞬でそういうレッテルが貼られてしまった。それが偏見なんです、それが差別なんです!差別や偏見はごく身近なところに存在しているんです!」被告人はそういう差別をずっと受けてきた「道を歩けば外国人登録証を見せろと言われ、近くで犯罪が起きればあいつが犯人ではないか?と疑われた。過去の事件も刑事の偏見によって犯人にしたてあげられた冤罪事件だったのです。人間は弱い生き物です。決してひとりでは生きていけません。今回の事件は、ありのままの自分を受け入れてくれる大切な人を守ろうとして起きた悲劇なのです。考えてください。自分の愛する人が目の前で蹴られ殴られ、それ以上の暴力を加えられそうになった・・殺意や計画性はまったくなく偶発的に起こった正当防衛なのです!被告人は今、その罪を心から悔いています。被告人を裁くのは法律とあなた方です。しかし、被告人に手を差し伸べることができるのも法律とあなた方なんです!法律は人を救うためにあるものだと私はそう信じます!皆様の寛大な判決を切に望みます。」心の底からの弁論だった。一馬は最後の望みをすべてかけ、法廷中に響き渡るように語るのだった・・。
最終評議。裁判員に選ばれた人達の意見はまとまっていないのか紛糾する。即座に有罪死刑と唱えるもの、有罪と思うものの正当防衛を認めるもの、過去の罪についても今回の事件についてもわからないことが多すぎると悩むもの・・全員一致がかなわない場合は多数決で決まる。裁判官の決も含めて・・。民主主義と掲げている国で今日、この多数決が多くの場合とりいれられているが、この多数に含まれない少数が切り捨てられるわけだ、この少数の方が正しかったとしても・・。思うに特に日本では、個人の意見や考えより多数や組織の考えが優先されるケースがままあると感じる。これをお国柄とくくってしまえばそれまでだが、果たして。人はもっと個人の主張や考えに目を向けるという感性や目をそれぞれが養うべきではないだろうか?
一馬や花達、ビトの身内達にとってはとても長い時間に感じられた。そして・・ビトに判決が言い渡される。<死刑>・・花は胸に手をやり動揺を隠しきれない。一馬は無言で、だがその目は充血していた・・。ビトは冷静にその判決を受け入れているようにみえる。そのわけはビトの身内の人達にも計り知れないものがあったのだ。一馬でさえも、ビトの苦しみは理解できなかった、この裁判が終わったあとも・・。
林が母親に絵を描いたという。ビトもまだ幼い頃母親に絵を描いたことがあったのだ。フィリピン人だった父親と別れたあとも男に入り浸り、あまり自分を返りみない母親。だがビトは自分に目を向けて欲しくて一生懸命に絵を描いていたのだろう。林のことを悪魔だと思っていた・・ずっと怖い存在だった。でも違ったのだ。自分と同じ、もがいて苦しんでいたひとりの人間だった・・。それを自分は殺害したのだ・・。
裁判が終り、今度は一馬達は控訴に向け動きだしていた。このままビトを死刑にさせるわけにはいかない。しおりや花は路上で署名運動を続け、一馬と金太は証言してくれそうな人間を当たる。一馬は甲斐にも会いにいった。その過程で林の父親が口を封じるかわりに、色々と便宜を図っていたことを知る。まさにビトだけに罪をかぶせるシナリオだったことが、あらためて事実として浮かび上がってきた。しかし、林の父親は警察を辞職に追い込まれてから、天下りの会社も辞めていて行方がわからない・・。
金太も昔の仲間をあたっていたが、やはり古瀬刑事が口封じの圧力をかけていたことを突き止める。一馬は古瀬に会いにいった。「そんなに冤罪ばれるの怖いか?そんなにビトを死刑にしてえか?あんた本当に冤罪じゃないと思ってるのか?どうしてそこまでビトを目の敵にすんだ?」一馬は古瀬を問い詰めた。古瀬は過去を話しだした。(昔、薬の売人の外国人労働者を捕まえたことがある。偏見と差別で食えなくてしかたなしにやったという。その言葉を聞いて見逃してやった。だが・・娘が襲われた。薬を取り上げた逆恨みで・・)「それ以来、娘は病院と家といったりきたりだ。」目を一馬に合わせることなく、苛立つように言う古瀬。「まじめに働いている奴もいる。けどな、楽なほうに逃げて悪い仲間とつるんでるような奴は、絶対に偏見や差別に勝てねえんだよ!」「・・あんたもつれえ思いしてんだ。でもな、あいつは違う。外国人だろうが日本人だろうが、ひとりひとりを見極めて、真実を見つけ出す。それが、あんたや俺がやらなきゃいけない仕事だろうが。」「早川ビトは偏見に負けた犯罪者だ。」「あいつは負けてねえ。絶対に負けねえ。俺が証明してみせるよ。」その言葉に古瀬は一馬を見た。一馬は冷静に、だが、とてつもないほどの強い眼差しを向けていた。その目には真実と信念が宿っていた。
花は懸命に署名活動をしてビラを毎日のように配っていた。(自分のせいでビトが死刑になってしまった・・)自責の念に苦しんでいる花。だが、町村みどりが花に言う。<ビトを支えてあげられるのは花ちゃんだけ!>花はビトを励ますために面会に行く。その顔はとても明るかった。ビトの前で辛い顔はみせない。それがとても健気だが・・。花がきてくれても、一馬が面会にきても、ビト自身は林を殺害した感触を思いだし苦しんでいたのだ。「今あきらめたらな、おまえを追い詰めてきた差別や偏見に負けることになるんだぞ?」一馬の言葉にも素直にうなずけない・・。(自分は人を殺した・・控訴しようなんて考えていいのか?)
ある日。ビトに一馬と花は呼ばれる。ガラス越しのビトはひさしぶりの穏やかな顔をしていた。「運動場で小さな花をみつけたんだ・・。小さいけど生きてた、一生懸命生きてた。控訴・・取り下げてもらえますか?僕は死刑を受け入れる。」一馬は目を見張り、花も笑顔が硬直してしまう・・。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • スマイル 第10話 判決

    Excerpt: 『運命が動き出す!!-判決』内容花(新垣結衣)の証人尋問で、北川検事(甲本雅裕)が“柏原聖天”の名を出した瞬間、法廷は騒然とする。。。そして、検察サイドの次の手は、、林誠司の母・上倉暁子(キムラ緑子).. Weblog: レベル999のマニアな講義 racked: 2009-06-20 07:38
  • BOSS 第10話 容疑者はボス!?

    Excerpt: 『容疑者はボス!?最後の事件』内容絵里子(天海祐希)は、岩井(ケンドーコバヤシ)と、少年の万引捜査山村(温水洋一)と木元(戸田恵梨香)は、下着泥棒片桐(玉山鉄二)と花形(溝端淳平)は、振り込め詐欺の防.. Weblog: レベル999のマニアな講義 racked: 2009-06-20 07:39
  • 「スマイル」第10話

    Excerpt: TBS金曜10:00~のドラマ「スマイル」第10話を観ました!! 「スマイル」もついに来週、最終回を迎えますね。 フィリピン人と日本人のハーフで、いわれのない差別を受けながらも常に笑顔を絶.. Weblog: Thanksgiving Day racked: 2009-06-20 07:57
  • スマイル/第10話

    Excerpt: スマイル オリジナル・サウンドトラックTVサントラ,山下康介HARBOR RECORDSこのアイテムの詳細を見る 嵐の松本潤主演による金曜ドラマスマイル第9話です。 【差別と偏見】 有利に運んでいた.. Weblog: ブルー・カフェ racked: 2009-06-20 08:28
  • 「スマイル」 第10回

    Excerpt:  「控訴を取り下げてもらえますか・・・僕は死刑を受け入れる」ビト  拘置所の運動場の花壇に咲いた一輪の花に涙を流したビト。 その姿を見て、生きていきたい・・・そう思ってくれたと思ったのに・・・.. Weblog: トリ猫家族 racked: 2009-06-20 10:25
  • スマイル 第10話 「運命が動き出す!!-判決」

    Excerpt: 具合が悪くなり、廊下に運び出される花(新垣結衣)。やっぱり声が出なくなってるのね。 Weblog: 電視劇的随便日記 racked: 2009-06-20 10:55
  • スマイル 第10話:運命が動き出す!!-判決

    Excerpt: 控訴取り下げ!?┌|゚□゚;|┐ガーン!! でもビトの性格からすると、死刑を受け入れるというのもわからんでもないような…{/ase/} 複雑な事情があるとはいえ、確かに人ひとりを殺してしまったんです.. Weblog: あるがまま・・・ racked: 2009-06-20 11:36
  • スマイル 第10話

    Excerpt: ビト(松本潤)の裁判の最終日に、林(小栗旬)の母親・暁子(キムラ緑子) は、涙ながらに亡き息子への思いを語り、裁判員たちの同情を誘う。 検事・北川(甲本雅裕)はビトに、林を殺害した後、なぜすぐに自.. Weblog: ぷち丸くんの日常日記 racked: 2009-06-20 11:59
  • スマイル 第10話

    Excerpt: ビト (松本潤) 裁判員裁判、最終日。ビトの無実を証明するため 花 (新垣結衣) が証言台に立つ。ビトが計画的に事件を起こしたと主張する検事の 北川 (甲本雅裕) に、“真実” を伝えようとする花は、.. Weblog: ドラマハンティングP2G racked: 2009-06-20 16:13
  • 【スマイル】第10話

    Excerpt: 息子は幼い頃から父親の暴力を受けて育ちました。あの時、あの子の電話を切ったりしなければ話を聞いてあげていれば、こんな事には・・・小さい頃は優しい子でした。絵を描いて、言ってくれたんです。絶対迎えに行く.. Weblog: 見取り八段・実0段 racked: 2009-06-20 21:09
  • 《スマイル》★10

    Excerpt: 花が証人尋問を受けている時、北川は、悪意を持って、花の父親の名前を出した。結果、ビトへの心情が、悪化。 花は、声が出たが、またショックで、声を失った。 Weblog: まぁ、お茶でも racked: 2009-06-21 10:44