「トライアングル」まとめ中編

「トライアングル」まとめ中編
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#5
「佐智絵を殺したのは私よ!」清子はそう泣き崩れた。錯乱した清子は、志摩野のはからいの心療内科でカウンセリングを受けることになる。
「随分手はずがいいね?まるで葛城のお母さんがこうなるのを予測していたかのように。」亮二は志摩野に言った。なぜ?志摩野は葛城家にここまで関わりを持ちたがるのか?「サチさんも納得してくれました。」「彼女は真相を知りたがってる。」「知る必要はない!今を生きるのに過去は必要ないでしょう?」そうやって手紙も燃やしたのか?・・。「あなた何か25年前の事件と関わりが?」「25年前、私は上海にいました。」サチには心わずらわせることなく今を生きてもらいと願う志摩野。だが、亮二は納得がいかない。無理やり署に連行してきてしまった。志摩野にはもっと話を聞く必要がある。
その頃。瞬は丸山から聞いていた。信造は自分達が葛城佐智絵事件を調べていることを煙たがっているようだと。丸山はおどけて教えてくれたが、瞬は無言で渋い顔をするしかない。父親の知らない顔がそこにあるのか・・?そこへ亮二が志摩野を連れてきたと連絡が入り、二人は屋上から去る。
志摩野は逆に亮二に質問していた。なぜ医者を辞め国際警察機構などになったのか?「同級生が殺されたとはいえあれから25年も経っているんです。なぜ今もあの事件を?」しかも時効は成立している。なぜ?どういうつもりなのか?「殺します。目の前に犯人がいたら殺しますよ。」志摩野を睨みつけるように笑みを浮かべ亮二はそう言った。丸山と瞬は目を見張り、志摩野の表情にも笑みが消えた。「冗談。冗談ですよ。」亮二は笑いだした。が、「あなた予測してたんですよね?葛城のお母さんが娘を殺したと口にすること。知ってたんでしょ?」その言葉に志摩野はあれはフォルスメモリーだと返す。抑圧された記憶は間違った記憶を生み出すことがある。「偽の記憶です。」「あなたはなぜ偽の記憶を恐れるんです?」亮二は新藤利道のことも知っていたのでは?と志摩野を問い詰めた。志摩野は無言。「新藤利道。こいつは葛城のお母さんと関係があった?」亮二は憶測で話し始めた。だが、志摩野の表情が一瞬こわばる。丸山も驚いて亮二を見つめた。だが、瞬はもっと確実な情報を調べあげていたのだ。「葛城と新藤は同じ職場にいたんです。葛城のお父さんと結婚する前に。」!!もし幼い佐智絵が新藤の存在を知っていたとしたら、自分の父親以外の男の存在を嫌悪する理由にはなる。結婚後もふたりは関係が続いていて・・もしかしたらそれで娘が邪魔になった?という憶測も立つ。「あなた達のやろうとしていることは被害者家族の心の傷をえぐり出すようなものです。誰もそんなことは望んでいない。少なくても、葛城のお父さんは。」志摩野の言葉に、「葛城のお父さんに新藤のことを聞いたんですね!?」亮二はすぐさま反応し話を聞きにいこうとするが、丸山にとがめられた。任意でも引っ張れないだろと。
志摩野を署から返し、丸山は亮二に言う。新藤を見つけるしか手がないんだと。だが、「新藤は捕まりませんよ。」亮二は渋い顔だ。エレベーターであんな悪戯染みた脅しをやってのけるのにはそれなりの理由があるからだ。「誰かが新藤の後ろにいるんです。そう考えるとふにおちる。25年前、なぜ新藤を逮捕までいたらなかったか。」
亮二は瞬をマンションに呼ぶ。瞬が父親に疑惑を抱えているのを知って、気にかけていたのかも知れない。唯衣が帰宅してきたが、いっしょに富岡と堀米もついて来たようだ。。堀米は亮二に謝る。狂言強盗の件すまなったと。突然の同級生の訪問に食卓は同窓会気分になった。盛り上がってきた所に、富岡はポツリと言う。あれから時間が止まってると・・。富岡は警察手帳の代わりに万札きって調べ回ったからスッカラカンだよと笑う。だが、自分なりに25年前の事件を追及しようとして走り回っていたのだ。もっと大きなネタを掴んだら本を出す。それが富岡の決着のつけ方なのかも知れない。堀米だって佐智絵殺害の第一発見者で警察に通報した・・。みんな、どんなに時間が経っても葛城佐智絵のことを忘れていなかった、亮二だけじゃなかったのだ。小学生の頃の写真を瞬は無言で手に取り眺めている。中央に葛城佐智絵が笑顔でピースしていた。亮二も富岡も堀米も、この中に幼い姿で写っているのだろう・・。「お兄ちゃんだけじゃないんだね。みんな傷ついて苦しんできた。」唯衣が言う。「そんなことないさ。」笑う亮二。だが、犯罪はどんどん増えていく。人が死んでいくことになれていく。でも、「忘れちゃいけねえよな。葛城佐智絵が殺されたことを忘れちゃいけねえんだ。」
丸山が上司に呼び出された。25年前の事件を蒸し返すなと警告されたのだ。それは丸山から、亮二と瞬にも言い渡される。が、そんなことでやめるふたりではない。もっとも亮二はインターポール、日本の警察には研修できているという名目上命令に従う理由はないのだ。。が、新藤利道という重要な手がかりが見つからない以上、真実には近づけない。しかもその新藤は得体の知れない何かに守られている可能性がある。亮二はサチに会いにいった。何かわかるかも知れない。だが、サチはあいかわらず亮二に対して不機嫌で、何も話してはくれなかった。清子の記憶は完全に戻ったらしいが、すべてを自分の胸ひとつにしまい込み、サチにも話してはくれないという・・。ただもう前のようにサチの事を佐智絵と混同することはなくなっていた。
「何かあったんだろ?大丈夫か?」亮二はサチを心配する。サチの態度をみて何かあったのだろうと察する亮二。だが、サチは何も言わない・・。亮二は亮二でサチのことを気にかけているのだ。サチもそれはわかっているのだろうが・・すべてを亮二に話せない。女の警戒心がそうさせているのだろうか・・。
<<いままでのことをまとめてみる。25年前、葛城佐智絵は何者かによって撲殺された。葛城佐智絵は殺される前、嫌な男がいると泣いて怖がっていた。まだ小学生だった席がとなりの郷田亮二がそれを気にしていた矢先、事件は起きた。亮二は初恋の女の子を守れなかったことをずっと悔やみ続け、インターポールに所属し、現在事件究明をしている。この葛城佐智絵殺害事件は迷宮入りし時効を迎えてしまった。黒木瞬の父親・信造がこの事件を担当していたが犯人を捕らえることはできなかったのだ。しかも現在、この過去の事件を究明しているのをおもしろく思わないのか捜査を邪魔している節がある。信造は何を隠そうとしているのか?葛城佐智絵が手紙に書いたであろう嫌な男のこと、それは新藤利道。新藤は実は、25年前の捜査でも一時は容疑者のひとりとして挙がっていたのだ。だが・・逮捕されることはなかった。清子の前に現れ、そして悪戯染みた警告をしてくるなど以外と大胆な行動にでれるのも、後ろに誰かいると推測できる。それは・・黒木信造・・警察なのだろうか?志摩野鷹也という男がサチに近づき葛城家に深く関わるようになっていた。サチの画家としての才能を買っているということで、過去をほじくりかえし余計な気を使わせないで欲しいという願いだったのだが。とてもそれだけではなさそうだ。志摩野は独自に動いて過去の事件を調べている・・。そして葛城清子。娘の佐智絵を私が殺した。と完全に記憶を取り戻した清子だが。真実を知っている可能性はあるが、誰にもしゃべろうとはしない・・。娘として育ててきたサチにも・・。そして、清子と繋がりがあると確定した新藤も真実を知っている可能性は十分にある。容疑者候補にまで挙がった男。佐智絵があの時怖がっていた新藤がやはり犯人なのだろうか・・?>>
丸山の言葉にも関わらず動き回っていた亮二と瞬。と、亮二の妹・唯衣の前に信造が現れたり、ついには突然、丸山が賞状ものとなり露骨に捜査の警告をしてきた。「わかりやすいですねえ、日本の警察って。」亮二が皮肉を言う。ようするに単独行動を勝手にすれば、上司である丸山の顔がつぶれるぞという意味だ・・。亮二はインターポール、瞬は純キャリア、いずれ去ってく人間のために首はかけられないよ。と丸山も困り顔。だが、このことで警察自身がこの事件を封印したいという意思があることを確信できたのだ。
丸山の表彰される日がやってきた。会議室にはたくさんの警察官が集まりおのおのの席へと座る。不機嫌なぶっちょう面の瞬の隣に座る亮二。親父のようになりたいって言ってたよな?「おまえ自分の人生生きてるか?」亮二は瞬に試すように言った。そこへ携帯が鳴る。サチだ。「母がいなくなったの。新藤に会いにいったのかもしれない。ずっと迷ってたんだけど母に伝えたの、新藤の言った事。」「新藤に会ったのか?」サチ宅に新藤は現れていたのだ。清子に会いに来たらしい。((自分はもう東京を去る。ただ最後に会いたい。))それを母に話したら、許せない!と清子は震えていたという・・。「ふたりの落ち合う場所は?」「わからないから、かけてるんじゃない!?」だが、授賞式が始まりそうで上司から携帯は切れと言われてしまった。。
丸山は少しうれしそうに廊下を歩いていた。そこへ、キャリア達数人が向こうから歩いてくる。信造も混じっていた。丸山とすれ違いそうになり信造が立ち止る。威圧感のある端正な壮年の男。一見紳士な信造だが、「君は案外、簡単な男だったな。」嫌らしい笑顔を丸山に見せた!丸山は頭を下げる。その背中はとても小さく見えた・・。
受賞式が始まっても亮二と瞬は清子と新藤が会いそうな場所の相談をしている。そんな中、丸山の表彰される番となっていた。台に立ち賞状をもらう丸山。だが、後ろでは亮二がひとり立ち上がり、丸山に頭を下げ会場を出て行こうとする。そして、瞬も立ち上がり頭を下げた。驚く丸山、どよめく会場。そして瞬は信造に目を向け立ち去ろうとした。「待て。」丸山も賞状を返し会場を後にする。信造はそんな三人を凝視していた・・。「やりますねえ!丸スケ!」亮二は感嘆の声を上げた。どうなってるの!?状態の騒然とした会場で、信造は視線を下に向けながらも、その表情は少し笑っているようにも見えたのだった。
そして三人は手分けして新藤と清子を探す。が・・・翌朝、新藤は遺体で発見された。場所は、唯衣の車の中だった・・!!これは一体どういうことなのだ!?

#6
新藤利道は死んだ・・。何者かによって殺害されたのだ。東京を去る前にひとめ清子に会いたい。という新藤の気持ちをサチから聞き、清子は新藤に会いにいく。それは、新藤と完全に決別するための行動だった。しかし、新藤には会えない・・。そして、その新藤の遺体が発見された場所が問題だった。郷田唯衣・亮二の妹の車から発見されたのだ・・。
署には顔ぶれがそろう。唯衣が事情聴取を取られ、富岡は新藤が殺されたと亮二から聞きつけ、志摩野はサチと清子を向かえに。捜査に圧力がかけられ丸山も瞬も状況をいまいち把握できない。しかも亮二は、新藤を探すために表彰式を出てから、実はその夜のアリバイがないのだ。唯衣が言うには兄はその日帰ってこなかったという。志摩野は亮二が殺したのでは?と皮肉を込めてしゃべり始めた。誰もがそれはないと思いながらも、アリバイがなく、しかも遺体が発見された場所が場所だけに、一同うつむくほかない。だが、「でも違います!そんなことするために、兄とずっと離れ離れで生きてきたんじゃありません。自らの手で裁きを下したなんて、今すぐ撤回してください!撤回してください!」唯衣は立ち上がり怒っていた。そこへ亮二がサチを連れて現れる。志摩野は部屋をでていきサチもそれを追う。亮二は席につき、唯衣は心配そうな眼差しを亮二に向けた。
「どこ行ってたんですか?新藤探しにいったあと、ひとりで消えたでしょ?」瞬が質問する。「いいじゃないか別に。」「よくないですよ!」亮二は新宿二丁目に飲みに行ったと笑う。「ふざけんなよ!丸さんがどんな想いで賞状破ったかわかってんですか!?俺がどんな想いで・・。もっと信じてくださいよ!何やってたんですか!?」「・・時間くれないか。少し時間が欲しい。おまえを信じてないわけじゃない。」亮二の目は嘘を言ってるようには見えなかったが・・。
その頃。サチは志摩野に言っていた。新藤が殺されたことは25年前の事件と関係があるからではないのか?<自分は母さんの娘よ!受け止めたい!>すべてをなかったことにして生きていくなんてできない。サチの言葉に無言の志摩野。頑なに過去に関わることをサチに望まない志摩野だが・・もう、過去は実際にサチに大きく関わり始めてしまったのだ。
「新藤追ってた奴がなんでいきなり飲みに行く?嘘に決まってんだろ。」丸山の言葉にうなずく瞬。もうこの新藤殺しについて捜査権は自分達にないのだろうが、逆に捜査に燃える丸山と瞬。そして、丸山は聞き込み調査で、実際亮二が新宿二丁目に足を運んでいたことが判明。瞬も亮二の通話記録を署の女の子から極秘で入手していた。。その通話番号の先を瞬は知っていた。亮二が時間をくれと言った意味、丸山と瞬はある仮説に辿り着いた。「・・自首させようとしていますね。」
富岡が亮二と唯衣のマンションに遊びにきてキッチンに立っていた。唯衣も喜んでいる。亮二と富岡ふたりは買出しへ。男ふたりのショッピング、思わず小学生時代を思い出し、おまけつきのお菓子を大人買いしてしまう。。だが亮二はわかっていたのだ、新藤を殺害したのは富岡だと・・。あの日、富岡と新藤が会う所を目撃した亮二。だが、見失ってしまった。その後、ひとりで聞き込みしていたのだ。それで富岡が以前から新藤と接触していたことを知る。「おまえのネタ元って新藤だったのか?」驚愕する富岡。「・・そうだよ。おまえのいうとおりだよ。手紙だって・・新藤に頼んだのに、飲み屋で知り合った若造にまかせやがって。そいつが勝手に暴走しておまえがあんなことに。」25年前に佐智絵が書いた手紙を欲しがっていたのは富岡だったのだ。そして、亮二に頼まれて載せた手紙のことに関する新聞記事。その記事を目して誰かが動きだしたという。((懐かしい人から連絡もらってさ、君ももう25年前の事件掘り起こすことやめたら?))そう新藤に言われてしまった・・。金せびるだけせびってそう言われた富岡はなんとか新藤と約束を取り付ける。だが、新藤は本当に何も事件のことは知らないと言ったのだ。事件のことを知ってるそぶりを見せれば金を貰える、新藤にとって富岡はただのカモだった。「君は俺と同じだな。俺は事件のあと他人の戸籍を手に入れ、サヤマジロウという名を使ってその日暮らしのどうでもいい人生を生きてきた。あの時から時間が止まったんだよ。君も同じだろ?大人になりきれていない。あの事件をずっと引きずったあげく、本にしようなんて。そんなの誰が買う?誰が手にする?世間にとっちゃ、たかがひとりの少女が殺されたどうでもいい事件だ。最初から君に何かを話す気なんてなかったよ。」新藤はそう富岡に言ったのだ・・。富岡は逆上し新藤に掴みかかった。もう事件のことは忘れろ!!新藤は逆に富岡の首を絞めて叫ぶ。・・何かに新藤も縛られ、怯え続けた25年前の事件・・だが、その取っ組み合いの最中、新藤は富岡にはずみで撲殺されてしまった・・。そして、亮二ならなんとかしてくれる。そう願いを込めて富岡は唯衣の車に死体を遺棄した・・。だが、亮二が富岡にしてやれる策は自首させて少しでも刑を軽くすることだけなのだ・・。
富岡はビルの屋上に逃げ出してしまった。自殺するかもしれない!亮二は急いで追っかけた。やはり!富岡は夜景のネオン輝く下を見下ろしている。「ありきたりなことしてんじゃねえよ!」そう叫ぶ亮二は涙目になっていた。これ以上友達が無残に死んでいって、またそれを引きずって生きていかなきゃならないのか!?「俺達にとってはどうでもいい事件なんかじゃなかった!かけがいのない命だった。なんにも変わっちゃいねえよおまえは!」葛城佐智絵が死んだと担任から言われた時、席を立ち上がり興奮して怒っていた富岡の姿があったという・・。富岡は自分と同じく、過去の事件を自分の手で清算しようと奮闘していただけなのだ。<真相を知りたい。>初恋の少女が殺されたその真相を・・。
富岡は自首した。瞬は富岡に頭を下げる。亮二は屋上から富岡が移送されるのをせつなげに見送っていた。そして思い出していた、富岡が言っていたこと。死に際、新藤は自分は殺っていないと言ったという・・。それは真実なのだろうか?・・。「罪つぐなってでてきたらまたみんなで鍋やりますか?」瞬が亮二を心配して屋上に顔を出す。「・・その頃、俺達じじいだ・・。」
サチが署に顔をだした。清子がすべてを話したと。新藤はあの日あの時間、葛城家にいたというのだ。要するに新藤には本当のアリバイがあったということになる。清子は夫の均とは佐智絵が生まれる以前からうまくいっていなかったこともサチは話す。佐智絵が殺され、その後サチが養女になったことで夫婦の間がおかしくなったわけではなかったのだ。新藤は清子といっしょにいたことを黙っていた、そのことで容疑者になることもいとわず・・。それは清子に対する愛だったのだろうか?清子が結婚したあとも新藤は清子に対する気持ちが衰えず、そして清子もその気持ちに対し揺れてしまった。事件後、清子はすべてを封印するかのように記憶障害に陥り、新藤もまた幸薄な人生となった・・。佐智絵はあの日、一度家に帰宅したのだが、新藤が来ていることを知り、そのまま家を飛び出してしまったという・・。もし、その時新藤がいなければ佐智絵は殺されずにすんだのだろうか?そして・・まだ幼い佐智絵にとって新藤という男がどういう風に写っていたのか?亮二の知るかぎり佐智絵は怖がっていたが、清子がなんだかんだで家にあげていたのだから、実際は怖い存在ではなかったのかも知れない・・。もっともそれを察するほど佐智絵は大人ではないまだ小学生だったのだ・・。
そして。清子はサチにすべてを話していたわけではなかったようだ・・。黙っていたことがまだあった。均のことを・・。
「・・ともかくまあ、これで振り出しに戻ったってことか?」丸山の言葉に亮二は顔をしかめる。「今の話が本当なら・・。」亮二は富岡が言っていた言葉を思い出していた。<懐かしい人から連絡をもらってさ>新藤にそう言われたという富岡。新藤にはまだ色々あるのだ・・。瞬もサチに言う。自分の父親がこの事件に関して圧力をかけている可能性があると。調べた結果、信造はこの事件のあとに出世コースに乗ったということがわかった。それがなぜなのか?たたき上げの人間が、そして迷宮入りし解決できなかった事件のあとで不自然すぎる・・。あと非通知設定の謎の電話も・・。「まかせてくれますか?親父の過去は俺が暴きます。」瞬は亮二にきっぱりと言った。
マンションの前で堀米が待っていた。富岡のことできていたのだ。富岡のネタ元が新藤だったことに驚く堀米。堀米は((秋本了))だと思っていたのだ。「富岡君が調べ始めたのは、秋元君がきっかけだったって聞いたことがある・・。秋元君はきっと25年前の事件のことを何か知ってる。」その言葉に驚愕する亮二。秋元はエリートサラリーマンで今、上海にいるはずだ!この前の同窓会でも途中で帰ってしまったことを思い出す。
そして、志摩野から連絡が入る。この間、妹さんに失礼なことを言ってしまったと謝る志摩野。お詫びに唯衣と亮二を謝恩会に招待するという。志摩野は上海に戻るらしいのだ。サチもそれについていくようだ。その謝恩会で志摩野はサチに驚くべきことを口にした、亮二と唯衣もそれに立ち会う。「妹です。サチさんは私の血の繋がったたったひとりの妹です。」・・!!
その頃。信造の部屋に葛城均が呼び出され、均はサチと志摩野の関係を話していた。均は志摩野から聞いていたのだろうか?そして、信造と均の接点はなんなのか?その部屋にもうひとりの人物が顔を見せる。それは・・瞬だった!「郷田は上海に行くことを考えているようです。」瞬の言葉に信造は言う。「所詮組織には逆らえない?」「丸山さんのようにうだつの上がらない警察人生を送りたくありませんから。」瞬はそう言い、不敵に笑った。

#7
志摩野はサチの実の兄だった。その事実を聞いた郷田兄妹、帰り道に唯衣は、あのふたりは兄妹としてうまくやっていけるのか?と口にする。亮二はそんな簡単にはいかないよ。と唯衣に諭すようにいった。もし、葛城佐智絵が殺害されなければ、サチも違った人生を歩んでいたかもしれない。今まで佐智絵として身代わりの人生を歩んできたのだ。富岡も、この事件を追い続けて最終的には罪を犯してしまった・・。「くやしいね。誰が葛城佐智絵さんを殺したかわかんないけど、そんな奴に色んな人の人生変えられて。くやしいよ。」唯衣はそう口にした。
サチは志摩野といっしょに上海についていかなかったようだ。やはり清子のことが気になっていたのだろう。だが、清子はもう前のようにサチを縛り付けるような事はしなかった。サチは自分のために過去を受け止めると言ってくれた、今度は自分がサチの過去を受け止める番だと。清子はサチのこれからのためにサチを送り出す。
時同じくして亮二も上海に向かうことにした。志摩野ともっと話をするため。あともうひとつ、小学時代の同級生・秋元了が上海にいるためだ。堀米が言うには、富岡が事件を調べるきっかけになったのは秋元だという。新藤も死んでしまった現在、有力な手がかりは消えてしまった。事件を見つめ直すため、亮二は上海に向かう決意をする。サチは葛城佐智絵としてではなくサチとして人生を生きるために。そして亮二は自分の人生を生きるために(それは25年前の真相をたしかめること)。それぞれ上海に向かった。
上海の空港では秋元が出迎えてくれた。亮二と秋元はひさしぶりの再会に笑顔で握手をする。秋元は志摩野のことを調べてくれたようだ。上海ではやり手の実業家で名が通っているらしいが、裏ではかなりあくどいことに手を染めているという噂らしい・・。ともかく亮二と秋元は、志摩野とサチと同席し、食事をすることにした。
志摩野の母は、夫の仕事の都合で上海で暮らす。だが、夫が死に、新しい土地に馴染めなかったのだろう、日本に帰ってしまった。自分を上海に置き去りにして・・。志摩野は淡々と話し始めた。そして自分は不動産業を経営する夫婦に育てられることになった。母の居場所を新しい両親が探してくれて、大阪に自分は会いにいったが、すでに生まれたばかりの赤ん坊(サチ)は傍にいなかった。「私の母親は、ふたりの子供を置き去りにした最低の人間なんです。」「だから過去を知ることは必要ないと頑なだった。」亮二が付け足す。志摩野がサチが真相を知ろうとするのをよしとしなかったのは、自分達の出生の秘密など知らない方がいいと判断したためだった。25年前の事件についても同様、なにがわかってもサチの幸せを壊すことに繋がると思っていたのだろう。「大阪にいた母は、上海で自分を産んだことすら覚えていなかった。ちょうど葛城のお母さんと同じような状態です。」そんな母が事故で死んだと知った時、自分は嬉しくて泣いたと話す志摩野。人間にはそんな残酷な一面がある、葛城佐智絵さんを殺害した事件も同様だ。「いつまで追い続けるつもりですか?すべてを明らかにしたところで何が得られるというんです?そこにあるのは失うものばかりなのでは?実際彼女は笑うことが少なくなった。傷つけたくなかった。」志摩野は隣に座るサチのことを言った。サチは今更兄妹なんて・・。ととまどっている。だが、それが正直な気持ちだろう。亮二は言った。君と始めて会ったパリで、君は楽しそうに笑っていた。「またいつか笑えるといいね。今度はお兄ちゃんとふたりでさ。」
志摩野はサチとふたりで町をショッピング。志摩野の表情は穏やかで楽しそうだ。サチも照れながらも志摩野に話しかけている。そんなふたりを遠くから見守る亮二と秋元。秋元は志摩野の気持ちがわかると亮二に言った。その時、志摩野が暴漢に襲われカバンを盗まれた!亮二はダッシュでその男を追いかける。路地に追い詰めるが、男は銃を突きつけてきた。「あ!?俺は英語とフランス語しかわからないんだよ!」亮二は腕ごと銃を蹴り上げて、その男からカバンと銃を奪い取った。すぐに事件はカタがついたが、志摩野は警察には通報しないで欲しいと言う。仕事上のトラブルにしてはあまりに物騒な事なのだが・・。亮二も秋元も渋い顔。どうやら志摩野は相当やばいことに顔を突っ込んでいるようだ。亮二は今夜は自分の部屋のホテルで休んでもらうことを提案する。自宅に戻ってまた暴漢に襲われたら厄介だ。志摩野はそれを受け入れ、亮二は秋元と相部屋になった。「朝8時ロビーで。」サチにそう言い、立ち上がる志摩野。そして歩き出すが再び振り返る。「上海に、会いに来てくれて、ありがとう。」サチに満面の笑顔を向けた。サチも笑顔で答える。「おやすみなさい。」
部屋に戻った亮二に、東京から瞬が電話をかけてきた。志摩野の会社は倒産寸前らしいのだと。志摩野も詐欺罪で訴えられている状態だと言う瞬。さっきの暴漢のことも、何かと裏づけられる出来事だった・・。秋元は今の電話は黒木瞬か?と聞いてきた。そして、「黒木の親父さんが怪しいって話とかさ。でも富岡は新藤から情報を聞きだそうとした。」「新藤は警察内部の人間と繋がりがあった。」「それが黒木信造。調べたのか?」と秋元は身を乗り出す。「息子にまかせた。」「そんなに簡単に人を信じていいのか?息子だぞ?親子だぞ?試してるのか?黒木瞬のこと。俺のことも、試してるのか?」低い声で亮二を覗き込むように言う秋元。「なんてね。」と笑い出したが、秋元も何か知ってるような素振りだった・・。
そして翌朝。サチが亮二達の部屋を尋ねてきた。志摩野が約束の時間に来ないと言うのだ。電話もでない志摩野。志摩野の部屋のキーをホテルの人間に開けてもらい中に入る。そこには、志摩野が倒れて死亡している姿が飛び込んできた!!
争った形跡もなく鍵も内側からかけられていた。警察の見解では服毒自殺だろうということだった。傍らには飲みかけのミネラルウォーターとグラス・・。秋元はやっぱりそうかと言う。サチも志摩野の会社がうまくいってなかったことを知っていたようだ。あの言葉は別れの挨拶だったのでは・・と。「日本に帰ります。」サチはせつなそうにそう言った。亮二は納得がいかない。(明日妹と会う約束をした人間が自殺などするのか?まだ妹が上海にいる時に?)亮二はインターポールに連絡し調査してもらうことにしたようだ。秋元も日本に帰国する。亮二も日本に戻ってきた。
自宅で絵を描いているサチに、亮二が尋ねてきた。ある書類をサチに見せる。それは日本語ではなかったが、インターポールのものだった。志摩野が死亡した薬物、それは日本でしか手に入らない物だったと説明する亮二。日本から誰か来て、志摩野のいる部屋に忍び込んだ。やりようはいくらでもある・・そしてグラスに毒を塗った。志摩野が亡くなる前日、ホテルに妙な電話が入ったことも確認できた。成田空港付近からの公衆電話、宿泊者の部屋番号を確認する電話。自分とサチと秋元の・・。志摩野は泊まる予定ではなかった。暴漢に襲われ志摩野は亮二の部屋に泊まったのだ。「あなたの代わりに殺されたってこと!?」
サチは志摩野からの手紙を亮二に見せる。そこにはまだサチがうんと小さい頃、少年だった志摩野が一度施設でサチに会っていたことが書かれていた。眠ってるサチの手を握る志摩野は幼いながらも胸に誓う。<自分が大人になって強くなったら妹を迎えにいく>その決意だけが心の支えだったこと。両親が死んで、無一文になってもがんばってこれたのはサチがいたからだと手紙には書かれていた。志摩野の今までの行動を思い出していた亮二。たしかに志摩野の行動はすべてサチのためのものだった。画家の活動を助けようとしたことも、絵画教室のことも、事件のことに関わりを持たないようにしていたことも・・。サチが描いている絵は、上海の町を並んで歩く自分と志摩野の姿だった・・。
秋元は葛城均に呼ばれ、信造の部屋に来ていた。信造と瞬もそこにいる。一体ここにいる連中は、何をこそこそ密談しているのか?秋元は事件の日、亮二と遊ぶ約束をしていた。そして・・殺害現場から走ってくる亮二を目撃していたのだ!「君がみたのはそれだけか?他には何も見ていないんだね?」信造の問いに、するどい視線を見せる秋元。「ええ。」
亮二もサチに電話していた。「君にすべてを話すよ・・。」なぜ自分が時効をすぎるまで誰にも話さないようにしていたのか・・。「あの時、あの時俺は・・。」

#8
亮二はサチにすべてを話すため呼び出した。自分のために関係のない志摩野まで殺されてしまった。しかもその志摩野はサチの兄だったのだ。亮二もさすがにこたえたのだろう・・。サチを目の前にし、あの時の事を話し始めた。
事件があったあの日、亮二は下校中、葛城佐智絵がひとり深刻な顔をして黄昏ているのを目撃する。亮二は秋元と遊ぶ約束をしていたので帰宅後、そこを再び通った。亮二は気になっていた、あの時の葛城佐智絵が。姿が見えなくなっていたので土手を降りてなんとなく探す。そして・・倒れている葛城佐智絵を見つける。揺り動かして起こそうとした。だが・・自分の手にはベットリと血がついている!警察に、大人にこのことを早く知らせよう!その時!「動くな。振り向くな。後ろを振り向けばおまえを殺す。」亮二は男の声に硬直する。まだ小学生だった、どんな声だったのかなんて覚えていない。まして、その声で葛城佐智絵が殺されたんだと自覚したのだ・・。亮二はその場を走って立ち去る。秋元はその走り去る姿を見ていたのだろう。自宅に戻った亮二は兄と体面した。兄は弟の身の安全を考え、沈黙を守るよう忠告する。いずれ警察が捕まえてくれると。だが、もし犯人が捕まられなければ、自分はその犯人の影に怯え生きていかなければならない・・。兄は殺人の時効は15年だと亮二に教える。亮二は水道で血のついた手を洗いながら、時効は15年と何度もつぶいやいていた・・。亮二の心には、初恋の女の子が無残に殺され、それを目撃しながらも逃げてきてしまった苦い記憶が焼きつく結果となってしまったのだ・・。
サチはその話を聞き、その男があなたを殺そうとした・・。とうめく。「俺の身近にいる誰かだ。俺が上海に行くことを知りえた身近にいる誰かが、俺の代わりに志摩野さんを・・。」「そして、その男が・・。」「葛城佐智絵を殺した犯人だ。」今はその犯人が、亮二の存在に怯えている・・。もう、逃げ出したりしない!亮二はサチに誓っていた。「必ず捕まえる!」
亮二は黒木信造のアリバイを丸山に調べてもらうことにした。自分が上海に行っていた時のアリバイ。そして、亮二は当時事件を調査していたミヤベを尋ねた。丸山がくわしく話を聞こうとしたら、信造が店に尋ねてきていた・・。あのミヤベだ。ミヤベは最初嫌そうな顔をしていたが、店の前で待っている亮二を突然店に上げる。急な笑顔に不審がる亮二。ミヤベは新藤のことを話し始めるが、亮二はミヤベが手で転がしている携帯を取上げた。発信履歴を調べ、ついさっき黒木信造と話していたことを確認する。「あなたの言うことは信用できない!」
署に戻ると瞬が機嫌悪そうに亮二に問い詰めた。丸山に父親・信造のアリバイを調べさせたのが気にくわないのだ。「親父のことは俺にまかせてくれるんじゃないんですか?」亮二は、志摩野が自分の身代わりで死んだと瞬に説明する。だから自分を狙ったとすれば信造の可能性は十分にある。実際、丸山の調査で信造は本部との会合を突然欠席していたらしいのだ。よくあることだ、別の案件があったからでは?と瞬。丸山は飛行機の搭乗者名簿を手に入れて、ひとつひとつ潰していくことを提案。丸山のやる気に亮二の目も輝く。瞬は一瞬おもしろくなさそうな顔をするが、結局三人で地道に名簿を調べる作業に取りかかる。
サチの元に親友の真知子が大阪から尋ねてきていた。サチは志摩野の行動は全部私のためにしてきたことだと真知子に説明した。真知子は感慨深い、志摩野のことを疑っていたのだから・・。会った時に自分が兄とどんなに名乗りたかったことだろう、だが志摩野はずっと他人を装い、サチを見守っていたのだ・・。サチは自分のために兄は無理をしてきたのだろうと真知子に言う。清子も、サチに無理をさせてきてしまったと言葉を継いだ。「誰かのために自分の人生を生きるのもひとつの生き方や。志摩野さんはサチのために、サチはお母さんのために一生懸命生きてきたんやろ?」その真知子の言葉に、ホッと笑顔になるサチ。清子は、でもこれからはサチは自分の人生を生きて欲しいと願いを込めて言うのだった。と、真知子は思い出したようにつぶやく。志摩野と葛城のお父さんがいっしょにいたところを見たことがあるけど、お父さんは志摩野がサチの実の兄だということを知っていたのでは?清子はそれを聞き、その可能性は十分にある、事件のことには触れないで欲しいと志摩野に頼んでいたのかも。と。「あの人は私とはまた違った意味で25年前の事件から目を背けている人だから・・。色々ある人なのよ・・。」清子は伏目がちにつぶやく・・。サチは清子をみつめた。
亮二達はひたすらに名簿を見ているが信造の名前は見つからない。瞬はたとえ乗っていたとしても痕跡なんて残さないとぼやく。丸山は黙々と名簿をチェックしている。丸山は組織に喧嘩売るような真似をした、刑事として捜査できるのはこの事件だけだろう・・、もうすぐどこかに飛ばされる・・。丸山は丸山の想いを託しているのだろうか?この事件の決着を。が!!丸山の目が驚きに見開き、思わずページを閉じてしまう。亮二はそれを見逃さなかった。そのページを自分で確認する亮二。「どういうことですか!?」「だから~ありえないだろ?」名簿には<マルヤマケイタ>という名が記してあったのだ!「上海に行ってたんですか?」「俺?上海に行ってたんだ?」丸山はきょとんとした顔を亮二に向けるしかない。「俺が上海に行ってた時、丸山さんどこで何をしてたんですか!?」亮二は興奮している。「ちょっともう一回見せろ!」丸山は名簿を取上げた。「何言ってるんですか。」瞬は亮二の剣幕に嫌気がさした。「・・アリバイならないよ。俺はひとりだった。」「頼まれたんですか!?」「俺が!?」丸山は引きつった笑顔で亮二を睨む。「いいかげんにしてくださいよ!同姓同名、偽装パスポートっていう可能性だってあります。」「まず本人であるとして疑うのが自然だろ!?」「自然!?丸さんを疑うことが、あなたにとっては自然なことなんですか!?搭乗者名簿を調べようと言ったのは丸さんですよ!」「写真とらしてもらいます。」亮二は携帯のカメラで丸山の顔を撮り、身辺を調べさせてもらうと告げた。そして出て行く。瞬はその背中に叫ぶ。「丸さんはあなたが狙われているのをほっとけないと言ったんです!大事なことを見失わないでください。」「ミヤベって元刑事、おまえさんの親父と繋がってたぞ。俺は誰も信じない、信じられないんだよ!」「・・秋元さんも!葛城のお父さんと繋がっていましたよ。どういうことなんでしょうね?」瞬は背中を向けた。亮二はそれを聞き、もちろん秋元と会うことにする。
「どういう関係なんだ?どうして黙ってた?」バーに秋元を呼びつけて、早々問い詰める亮二。「いきなり呼び出してなんだよ?俺が誰と知り合いかおまえにいちいち言う必要あった?」ビールを頼み、仕事上の付き合いだと説明する秋元。貿易関係の仕事をしている葛城均とは上海で知り合ったという。「おまえホテルで見かけなかったか?この男?」亮二は丸山の携帯画像を見せる。「誰これ?」「同僚。25年前の事件をいっしょに追いかけてた。」・・不審がる秋元。「・・そうやっていつか俺のことも疑うのか?富岡のことも。」亮二を見る秋元の目は怒りに満ちていた・・。「おまえが富岡を追いつめたって聞いた。」とたん、目を泳がせてしまう亮二。「おまえ変わったよな。あの頃のお前はもっと明るくていつも元気に笑ってた。悪いけど俺帰るわ。」「疑われるようなことしたのかよ?」その言葉に秋元は亮二を睨む。そして・・無言で出て行ってしまった・・。
その帰り。亮二は信じられないものを見てしまう。妹の唯衣が黒木信造といっしょにいるではないか!?タクシーに乗り込む唯衣は笑顔だった。信造もそのあとタクシーを捕まえて乗り込んで去ってしまう。亮二は呆然と立ち尽くすしかない・・俺は何を、誰を信じればいい!?
帰宅すると、唯衣はコンビ二で買い物していたと嘘をついた。「呼び出されたのか!?黒木信造に!おい唯衣!なぜ勝手に会ったんだ?」「・・でもあの人はそういう人じゃないと思う。私はお兄ちゃんのことを心配して・・。」「二度と会うな!」唯衣は部屋に戻ってしまった・・。亮二は顔を撫で回し、愕然と椅子に腰を下ろす・・。その背中は孤独に満ちていた・・。
後日。丸山は亮二に調べたことを話した。日本のパスポートを偽造するのは今や不可能に近い。だが、以前偽造されたことがあった。検挙されたのは外国人労働者を含むグループで、そのうちの何人かは葛城トレーディングの人間だった。葛城均の会社だ。当時事情を聞かれたようで、もしそれに警察上層部が噛めば不可能も可能になる・・。今回のこともありえない話ではない・・。「どうして丸山さんを!?」亮二の言葉に、自分達を仲たがいさせるのも目的のひとつだったのでは?と丸山。「だっておまえ俺のこと疑ったろ?」亮二はハッとする。そこへサチから電話があった。信造と均が最近頻繁に会っているらしいと。昔偽造パスポートの件で信造が潔白を助けてくれたらしい。その縁で以前から親しくしていたようだと。現在は上海に行っているが戻ってきたら連絡する。志摩野のことも以前から知っていたようだ・・。お父さん何か隠している・・。その電話が切れ亮二は思う。自分はもう少しで大切なものを失うところだったのだ・・。結局丸山のアリバイも信造のアリバイも証明された。ふたりは上海には行ってなかったのだ。亮二は丸山に謝る。「疑ったりしてすいませんでした。俺は失くしてしまったんですよ。あの時、人を信じる力を・・失くしたんです。すいませんでした・・。」
瞬は再びミヤベに会いに行く。そしてミヤベが言った言葉に衝撃を受けていた。あの時の怪電話、<あの事件はまだ終わっていない>あれはミヤベのものだった!誰かに頼まれたのだ、ミヤベは・・。
亮二は葛城佐智絵の殺害現場にひとりおもむき黄昏ていた。この草むらに倒れていたんだ・・。と、向こうから誰かがやってくる。その男は、黒木信造だった!

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