銭ゲバ#5

「銭ゲバ」#5
三國家の敷地に埋められているはずの死体。もし死体が出てくれば、風太郎は破滅だった・・。が、死体はでてこない・・。悪戯だとタカをくくっていた譲次の顔に安堵が見える。ふと緑は風太郎を見るが、その風太郎の表情は尋常ではなかった。<鬼の形相>「風太郎君?どうかした?」「いや・・別に。」風太郎はそう返したが、顔は強張っている。風太郎は父親・健蔵に弱みを握られたことを悟り、憎悪していたのだ・・。死体が埋まっていたことを知っていたメイドのハルも愕然として膝を崩す。荻野も風太郎のことを睨みつけていた・・。証拠こそでてこなかったが、風太郎を怪しく思う人物は周りにたくさんいる。そして緑も、今回のことで風太郎に疑惑を持つことになるのだった・・。
緑は風太郎のあの顔が忘れられない。風太郎と結婚した妹・茜に思わず幸せ?と問う。「幸せだよ。すっごく。」茜は編み物をしていた。その様子は不安などは一切みられない穏やかで幸せな表情。「そうですか。それはそれは。」緑も笑顔で答えるが、やはり不安は拭えなかったのだ・・。風太郎は三國造船の社員として迎えられ、譲次つきの秘書のように常に行動を共にしていた。勉強もかかさず、日に日に譲次、会社役員達からの信用も得ていく風太郎。緑もそれを知っている。(風太郎君を信じたい)・・その気持ちからだったのだろう、荻野と会うことにする緑。風太郎のことを以前から知っているような素振りの荻野なら、自分の知らない風太郎のことを知っているかも知れないのだ・・。
三國造船に爆弾予告が入る。不景気になるとこういう悪戯が多くなるものだ。だが、一応会社建物から人々は非難を余儀なくされる。その混乱のさなかで、風太郎は爆弾予告をしたであろう人物を見つけた。遠くからひとり呆然とこちらを見ている男がいる!その男に見覚えがあった。つい此間までいっしょに造船所で働いていた男だ。
風太郎はみんなが混乱している中、ひとりその男を捕まえる。だが、すぐに警察に通報するようなことはしない。誰もいないところに連れていき、事情を聞くことにしたのだ。聞けば、父親は借金を作り自殺、母親も返済苦で自殺、残ったのは自分だけでその自分も実は癌でもうすぐ死ぬのだという・・。家庭境遇が似ていた風太郎はこの男に興味を示したようだ。「で、気が済んだの?」「いや。・・俺が生きたって証拠を残したいんだ・・。」その言葉に笑う風太郎。金に翻弄されてすべてが嫌になったこの男を、もうひとりの自分かも知れないと感じたのだ。そして、この男も風太郎に自分を重ね合わせていた。自分はもう死ぬけど、あんたはこれからも生きていく。「何かしたいな。あんたのために。」その男の言葉に、風太郎はあることを頼むことにしたのだ。
荻野とその相棒に会うことになった緑。荻野は言う。これは警察の見解ではなく私個人としての考えです。と昔の新聞記事を見せた。それは荻野の弟が撲殺された時の記事・・。そして荻野は話しはじめる。「おそらくあの暴漢も奴の仕込みでしょう、それくらいする奴です。あなたのお友達も殺されてるかもしれませんね。金ですよ金。奴の原動力はすべて金。あなたの妹さんに近づいたのもそのためだ。」なんの容赦も躊躇もない言葉・・。緑は呆然としてしまう。荻野達が去り自分もここを出ようとしたのだが、席を立つ時にそのままよろけてしまう。それほどに緑は衝撃を受けていたのだ・・。
深夜。どこかの場所でひとり座っていた風太郎。そこへ父親・健蔵がおっとりとやって来た。「おやおや。こんなところにお坊ちゃま!」風太郎の表情に影が落ちる。「ま~たそんな顔して。助かったろ?俺のおかげで。まあ通報したの俺だけど。ギャハハハ。つーか誰なんだあの死体。ま、誰でもいいわな。」そこで健蔵は手を差出し、くれの合図をした。「ほう!金!」・・風太郎はジロッと健蔵を睨みつける。「ヘヘヘ。冗談だよ。まだあるよ。まだな。」と、風太郎の隣に腰を降ろして、これからどうするんだ?と問う。「此間さ、おまえに貰った金で温泉行ってさ、豪遊だよ豪遊。だがな、あの女将達が俺を見る目。どっかバカにしているっていうかさ。」所詮俺達は金持ちにはなれてもお金持ちにはなれないと健蔵は言うのだ。「おまえさ。今のままでいいんじゃねえの?十分なんじゃねえのか?まあ俺はおまえからちょくちょく小遣いもらって生きていくからいいんだけどさ。ネタは握ってるしな、ギャハハハ。」「・・いくら?いくら渡したら死んでくれるんだ?」!・・「十億とか。ギャハハ。」「わかった。そん時は死ねよ。」健蔵の顔が真顔になった。「・・風太郎ちゃん。親として教えてあげちゃおうか?世の中にはな、金で買えないものがあるんだよ。愛とか?友情とか。」風太郎の顔に笑みが浮かんだ。だが、その笑みは楽しさからくる笑みではない。どこか悪魔染みている。((あんたがそれを口にするのか?))そして風太郎はその場を立ち去る・・。
譲次は風太郎にとても打ち解けていた。ずっと息子が欲しかったと。最初は風太郎のことをどう思っていたかは風太郎もわかっている。だが、今は茜の婿として認めてくれて、信頼もしてくれているのだ。そして、譲次は自分の妻の墓参りに風太郎を連れていってくれた。譲次の顔は幸せそうだった。(心配していた茜も現在幸せいっぱいで、その婿の風太郎もいい人間だ。)その幸せ絶頂の最中、譲次はピストルで暗殺される。犯人は造船所で働いていた労働者だった・・そして、そのあとすぐにその犯人も自分の命を絶っていた・・。
「全部嘘なんだよ・・。恐ろしい人なんだよ彼は。」緑は茜の手を握り、そう言っていた。茜は目を見開くが、静かに姉にこう口を開いた。「それが何?そんなのどうでもいいんだよ。お姉ちゃん。」!!「どうして?」あの人の目的なんてどうでもいい・・「じゃなきゃ私なんて選ばない。人殺しだってかまわない。私はあの人を愛してるの。そして必ず私を愛してもらう。必ず。お姉ちゃんにはわからないよ、絶対。」茜の目は静かに微笑んでいた。その会話をドア越しに聞いていたハルも、愕然とするしかなかったのだ・・。
風太郎はビルから大量の札束をばら撒いている。その札を地上の人達が、我こそはとおもしろがって札を拾っていた。それを見て風太郎は大笑い。「ウワハハハ!!」そして身をよじって踊り笑いをし、また札を巻いた。何度も何度も。その顔は悪魔のようだった。「おまえらだってそうだろ?金が欲しいんだろ?」大笑いする風太郎。だが、その目からは涙が伝っていた・・。「アハハハハハッハ!!」笑いながらいつのまにか号泣していた風太郎。<俺は間違ってない>
風太郎は亡くなった譲次に代わり、社長に就任する。そして・・緑は車椅子に乗り、その車椅子を茜が押していた。緑は譲次が突然暗殺されたショックで、廃人になってしまったのだ・・。社長就任挨拶をする風太郎の顔は、悪魔の顔そのものだった・・。

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