魔王 最終回

「魔王」最終回
直人の元に二枚のタロットカードが送られてきた。それは、いままでと違い直人自身がターゲットだということを意味する。「成瀬は最後に俺を殺すつもりです・・。」いままで直人自身を苦しめるため、あえて周りの人間をターゲットにしてきた成瀬領、いや真中友雄。ついにその標的を芹沢直人自身に向けたのだ!
薫が直人と中西の元へ走ってくる。芹沢典良が弟である直人と話したいという・・。直人は自分が容疑者として逮捕した兄に会う。取調室の扉を開ける直人の表情は暗い。机を挟みふたりは向かいあった。「俺は駄目な兄貴だな、昔から意気地がなくて・・」お父さんは本当はおまえに事業を継いでもらいたかったんだよ・・。「お父さんのこと、頼むな。」典良は煙草を買ってきてくれないか?と直人に頼む。部屋を出て行こうとする直人に、「直人!」落ち込んだ表情で振り返る弟に、「・・すまない・・。」典良の声は震えていた。直人は無言で部屋をでる・・。直人が灰皿と煙草を持って戻ってきた時には、典良は死んでいた。あの青酸カリ入りの煙草で自殺を図ったのだ。事件の真相を少しでもうやむやにし、芹沢家に迷惑をかけないようにするには自ら死を選ぶしか道はなかったのだろうか?「兄貴?兄貴~!」
駆けつけた栄作は典良の亡骸の手を握り泣き崩れる。「典良・・おまえどうしてこんな・・。」直人は父親に典良の残したメモを渡した。─お父さんご迷惑をおかけして申し訳ありません─「馬鹿者!」そう言いさらに泣き暮れる栄作。栄作は孤高という生き方をしてきたためだろうか、その言動や行動に誤解が生じやすい。だが、その裏には息子達を思う真の愛があった・・。自分の築いてきたものを守るために他人を犠牲にしてきたこともまた事実だが・・。「直人・・私を許してくれ・・。誰かの幸せの影には必ず誰かの不幸がある、それがこの世の道理だと。息子達の幸せを守る道だと信じていたんだ・・。この年になって情けない・・。私の間違いが典良を死に追いやってしまったんだ・・。」「兄貴を頼みます・・。」直人は栄作の泣き崩れようを見ていられず慰安室をでようとする。「どんなことがあっても・・お前達ふたりは私の息子だからな・・。」「はい・・。」その返事に泣きながらもうれしそうにうなずく栄作。その姿を見て直人も泣き崩れてしまうのだった。自分の兄の死で、父親との誤解が解けたのは皮肉というほかない・・。
署内で成瀬とすれ違う中西。すかさず成瀬を呼び止める。「先ほど、芹沢典良さんが自殺されました。これもあなたの狙いなんですか?」!!冷静を装いながらも動揺する成瀬。「真中友雄は17才という若さでこれ以上ないような悲しい経験をし、その上世の中の影を知った。それが彼を恐ろしい怪物にしてしまったのかも知れない・・。」だが、直人も11年前から罪を背負って生きている。「もう芹沢を許してやってください。」頭を下げる中西・・。そして成瀬は泣き崩れて壁に手をついている直人を目撃する・・。その成瀬の心は迷いと後悔で散々に乱されていた・・。
道を歩いている成瀬にしおりが待ちかまえていた。「心配なんです。あなたに何か起こりそうで・・。」世の中には何気ない景色の中にも安らぎや幸せを感じることがたくさんある。必死にそれを訴えるしおり。「成瀬さんの進む道にはこんな幸せな景色がありますか!?」無言でしおりの手をどける成瀬は、そのまま歩いていってしまう・・。しおりに何か言葉をかけてしまったら、もう・・。
葛西均は保釈が認められた。保釈金は成瀬が出したという。「少しの間だけでも愛する人を大事にしてあげてください。」均は署からでると電話をかける、麻里にアリバイを証言してくれたことの礼を言うために。麻里はもう自分は芹沢家から出たと言い部屋で待っていてもいい?と言ってくれた。それは均にとって自分を選んでくれたという意味にもとれただろう、均はうれしそうに微笑む。だが、その均の姿を恐ろしく卑屈な表情でみつめている人間がいた・・。
「どうして葛西を釈放したんですか!?」成瀬に叫ぶ山野。「もう彼は十分苦しみました・・。」「まだ十分じゃない!!あいつも僕をいじめてたひとりなんですよ?」その表情は憎しみに凝り固まっている。英雄の無念のために成瀬の協力者となって直人を苦しめてきた山野。だが・・今の姿は自分の恨みを晴らすために行動する鬼と化していた。「もういい!!もうあなたには頼らない。僕がこの手で仕留めます!」山野は懐からナイフを出した。「何をするつもりですか!?そんなことをしたら、英雄があなたを止めた意味がなくなる!馬鹿なことはやめてください・・。」成瀬はそっとそのナイフを山野から預かろうとするが、驚いた山野は成瀬を刺してしまう!「もう・・やめるんだ・・。」「うるさい!!」山野は走っていってしまった・・。成瀬の腹は出血で真っ赤に染まっていた・・。
町を歩く均に誰かがドン!と背中にぶつかった。ナイフで刺される均。後ろを振り返ると山野が不気味に笑っていた・・。均は薄れいく意識の中で転がった何かに手を伸ばす・・。それは麻里のためにさっき買った結婚指輪だった・・。直人の幼馴染の親友はこれでみんな逝ってしまったことになる・・。
電話に出ない栄作が気になり直人は駆けつける。!!部屋に着くと栄作が倒れていた。典良の死が原因で最近心臓の具合が悪かった栄作はとどめをさされたのだ。それは皮肉にも11年前、英雄の死が原因で死んでしまった友雄の母親と同じような形・・。その部屋には栄作・典良・直人が楽しそうにいっしょに写っている写真があった。泣き叫んだあと、直人の目の色が変わる。その表情は冷たく何かを見据えていた・・。
しおりの留守中に成瀬からの手紙があずけられていた。しおりは成瀬からの手紙を読む。ハッ!としてしおりは成瀬に電話をするが、成瀬が携帯をでたその相手は直人だった。「わかりました・・。」刺された傷に苦痛の表情を浮かべながらもそう返事し歩きだす。直人はすべての決着をつけるために成瀬を呼び出したのだ。
~僕はあの日からずっとひとりきりで生きてきました。信頼とか絆とか、そんなものは一切捨ててきたつもりだった。愛情とか人を想う気持ちさえも。でも、そうではなかった。~しおりの存在だけは成瀬にとって違うものだったのだ、ずっと・・。しおりと共に生きていけたらどんなにいいか・・。~だがもう後戻りはできません。あとひとり、どうしても死ななくてはいけない人間がいるんです。しおりさん申し訳ありません、そしていままでありがとう~しおりは成瀬の手紙を握り走る。成瀬と直人の決着を止めるために。成瀬を守るために・・。
体を引きずり歩く成瀬の背中に街灯テレビが写っている。そこにはナイフで人を殺傷した男が警官に射殺されたニュースが映し出されていた・・。山野もその復讐の報いを受けたのだ。その頃、薫達も直人の姿を必死で探していた。署の銃が持ち出されていたのだ。このままでは直人は成瀬と会い、もしかしたら成瀬を殺害してしまうかもしれない!?だが、時すでに遅し。直人は成瀬と対面してしまう、あの11年前の事件現場の廃屋で・・。
銃を成瀬に突きつける直人。「最後の標的は・・俺か?あんたの復讐は未完成のまま終わる。俺のせいでたくさんの人が死んだ。親父や兄貴まで・・。」引き金に力を込める直人。だが、引き金を引けない・・。それを冷ややかな冷笑で見つめる成瀬。「なにを迷っているんです?憎くないんですか?あなたはたったひとりの父親とやさしいお兄さんを奪われた。そしてかけがいのない親友まで殺されたんだ!殺しても飽き足らないほど憎いはずだ!違うか!?法律では僕は裁けない、復讐のチャンスは今しかないんだ・・。早く殺せ!!」だが、直人は銃を持つ腕を降ろしてしまった・・。成瀬の表情が驚愕し、ひきつる。「あんたの目的はこれだったのか?俺に自分を殺させることだったのか・・罪を逃れた俺に今度こそ人を殺した裁きを受けさせるために・・。自分の命を犠牲にしてまで・・」・・「あなたはまだわからないんですか?僕の人生に失うものなんて当になかったんだ、英雄と母が死んでから・・。これで全部終わる、ようやく僕が僕に帰る時が来るんだ・・。」成瀬は涙を流しながら直人の前に進む。「さあ、撃ってください。」その致命傷の傷を悟られないように前に出る。直人自身の手で自分が死ななくては意味がないのだ。「これは、真実から逃げたあなたの義務なんです。」直人の銃を持った腕を掴み自分の腹に銃口を押し当てる。「僕を打て!!それがあなたの役目だ!僕を殺せ!!」カツンッ!だが、銃は地面に落ちた・・。直人は泣きながらうつむいてしまう。「できない・・。俺にはあなたを殺せない・・。」成瀬は銃を自分で拾った。「このまま生きていたら、僕は自分を許せない。」その成瀬から銃を奪おうと銃を掴む直人。ふたりのもみ合いで銃が発射され宙を貫く。そして、再び銃口が火を噴いた時、その銃弾は直人の腹を打ち抜いていた・・。
英雄は11年前、直人ともみ合い不慮の事故でナイフが突き刺さって死亡した。今、成瀬は11年前と同じ形、不慮の事故で直人を撃ってしまったのだ・・。「こ、これでよかったんだ・・最初からこうしていれば・・。生きてください・・精一杯自分のために生きて・・ください・・友雄さん。許してください・・俺のことも、あなた自身も・・。」直人は息をひきとった・・。「ちくしょう・・目を開けてくれ!!死ぬなあ!!死ぬな芹沢!死なないでくれ!」成瀬は号泣していた。そして自分の命もあとわずかな成瀬は直人との今までを思い出すのだ。憎んでも飽き足らなかった芹沢直人・・。でも、誠意ある人間だった、いつもいつも。自分に謝ってくれたんだな、自分が犯人だと知ったあともあなたは・・。「許してくれ・・。僕のことも・・。あなたのことも・・。」
しおりがあの廃屋にたどり着いた時には、成瀬と直人がよっかかりあって絶命していた・・。泣く崩れるしおり。直人の手にはあの英雄の大切にしていたハーモニカが握られている。成瀬が握らせたのだろう・・。それは成瀬が直人を許したことを意味していた・・。疲れた友達が仲良く並んで転寝しているように見えるその光景に、しおりはただ、泣き続けるしかなかった。

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