「無理な恋愛」まとめ後編

「無理な恋愛」まとめ後編
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#7
せつない出来事が続き、がっくりきている立木。だが、かえでが待っていてくれた!もう会えないって思っていたから、立木はうれしくて涙ぐんでしまう。そしてふたりは食事することになった。
かえでは立木が自分のことを想ってくれてるなんて知らなかったから、いままでひどい事言ったりして・・。と言う。立木はこちらこそ不愉快な思いさせちゃったんじゃないか?とかえでに謝るが、そんなことない。かえでは言ってくれるのだ。「正直驚きました・・。その・・男性として意識してなかったからとまどっているのはたしかです。でも、立木さんをひとりの人間として、とっても好きだなって。だからこれっきりなんてさびしいなって・・。」立木にしてみればとてもうれしい言葉。ちゃんと話ししてみれば、お互い気まずいことなんてなにもない。律子や祥子、文平、はたまたライバルであるはずの龍彦まで、純粋に立木を理解してくれてる周りの気持ちもうれしい所ではある。恋愛は暖かく見守ろう。
ふたりは笑顔でおやすみなさいと別れるが、歩いていくかえでの後ろ姿を立木は呼び止める。「君に・・僕はまだ自分の気持ちを言っていないから。ちゃんと言わせてください!」叶わぬ恋かもしれないけど僕は死ぬまで君に恋してる自信がある!それに・・僕は死ぬまで君の味方だから、いつだってどんな時だって君の力になる!そんな男がいるってことを頭のどこかに置いといてください!「それからもうひとつ。無理なのかもしれないけれど、僕は今から君に恋してもらえるような男になろうと思う。時間はかかっても、いつかそうなれるように。なぜなら、短いようでまだまだ人生は長いから!」ニコッと笑う立木。かえでは涙目になっている、感動しているようだ。よかった!(泣)ちゃんと言える機会ができて、本当によかった立木!
立木は告白できたことをケンちゃんに報告しにロックバーに顔出すが、ケンちゃんは前に言っていた全員20代と思われる連中とちょっとFUNK調なノリのロックをジャムっていた。かっこいいが、立木はなんだよ~。とむくれて今日の所は帰るのだった。
一方かえでが自分のアパートに帰ってみると、ドアの前で龍彦が眠りこけて待っている。立木にさっき告白されたのでなんとなく気まずいかえで。その場を立ち去る。「私、もしかしてモテモテ!?今頃来たか、モテ時期!?」と律子を呼び出しカラオケボックスへ。喧嘩はやめて~。ふたりを止めて~と熱唱するのだった。。
一方、結局立木のマンションに戻ってきた龍彦。立木からさっきかえでに告白してきた事を聞かされる。「えっ~!マジで!」笑顔で答える龍彦。「おまえさ、俺のことぜんぜんライバルだと思ってないだろ!?」そして立木は龍彦にポーカー勝負を申し込む。負けた方がかえでさんをあきらめる!立木の手札はかなりいい、ストレートフラッショだ。そして、龍彦はっ!?カードをぐちゃぐちゃにして止めてしまった。「なるほど。答えを出すのが嫌いなんだな龍彦は。俺に勝ち目があるとするとそこだな。」龍彦はそれを聞いてすねてしまった。図星だから。
レコード会社。立木は告白したことを祥子と文平に報告。祥子は立木に気があるのでムっとするが、文平はどうだったんですか?と興味深々。実は文平も最近好きな子に付き合ってくれと告白したらしい。「ん~~。考えとく。」そう文平に返事したその子は合コンで知り合ったらしいのだが・・実は立木の娘・朝子!だが、文平はそのことを知らないし、立木も知るわけがない。すべてわかって文平と会っているのは朝子だけ。それとなく立木のことを聞いてみたりしているのだ。60才なのに最近恋してるみたいなんだ。文平から聞かされて、笑顔になる朝子。立木の事、やっぱり興味があるんだね。
ともかく。ふたりの告白の結果は保留なのだが・・、「まあ、考えとくと言ったあとにOKになったという話は聞いたことありませんが。立木さんの場合も保留というより執行猶予といったほうが。」と祥子。「・・仕事の話に戻ろうか・・。」売り出すバンドのCD発売が近い。売り込み戦略に熱がはいる立木、文平、祥子達であった・・。
再現ドラマの収録現場。龍彦がかえで会いにきた。「その・・俺やっぱかえでが好きだ。いっしょにいたい。それを言いにきた。」かえではさすがに照れるが・・農家のおばさんの格好(再現ドラマの衣装)をしていたので龍彦もバツが悪い。かえでもそれに気づいて顔をそむける。。ともかくこの告白のおかげで、龍彦はかえでのアパートに晴れて戻ってきた。が、「少しは働いて。そしてしばらくHはなし。」と条件つき。だが龍彦は今回はちゃんと本屋のバイトでまじめに働くことになったようだ。そしてかえでの誕生日も覚えていた龍彦。今回はやる気か!?とかえでも驚くことに。
ケンちゃんのロックバー。「告白しちゃったんだ?」「まあ結果としては振られたようなもんなんだけどねえ。」と言う立木だが、まんざらでもないのだ。「いいよねえチャッピーは・・。本当に。」「あれ?心のそこからそう思ってないでしょ~。」いつもとセリフが逆なふたり。ケンちゃん、どうもおちつかず横ばかりみているが・・。どうやらいつもすましてカウンターの隅で本読んでるヨーコの事が気になるらしい。やとってるコのこと好きになちゃったんだ!しかも男と楽しそうに話しているもんだから気が気ではない様子。が、ヨーコはその男を突っぱねた。「思ってないよ。ハハハハ!」ケンちゃん急にうれしそうにテンション上がるのだった(笑)
かえでの誕生日会。立木は呼ばれてうれしそうだが、当日仕事に追われていけなくなってしまう。もちろん龍彦は参加。バイトは休ませてくれって言ったら駄目っていうからやめてきた。と露店で買ってきたかえでの形のイヤリングをプレゼントする。「かえでの誕生日の方が大事やし。まあ、いいもんやねえプレゼントっていうのは。いない所でかえでのこと考えてるっていうのは。」素直にかえでは喜ぶが、「どっちがいいのかね?仕事を優先する責任感ある男と、なにより自分を優先してくれる男・・。」と律子。苦笑いするかえで。。実は、始めてかえでにこの誕生会で彼氏を紹介した律子。だがその相手は、再現ドラマの監督!まさか!?とかえでも驚くのだが・・。別にラブラブじゃないし疲れきった倦怠期のような律子であった・・。監督のプロポーズ宣言もみぜんにシャットアウトしてしまう有様なのだからね。。
そこへ立木から、薔薇の花束が届く。それは、かえでが以前立木の前で好きだといった薔薇の色だった。「お誕生日おめでとう。仕事で伺えなくて残念ですが、どこかでかえでさんのために祝杯をあげています。」そう記してあるメッセージに感動するかえで。女冥利につきるなあ!さすがに龍彦も真顔でとまどっている。
「かえでさんおめでとう。」仕事仲間達とみんなで食事中に独り言のようにつぶやく立木。それを祥子も文平も気付く。そこへ立木の携帯にメールが!「素敵なお花。ありがとうございました。」そのメールにはハートマークが三つ!喜びの雄たけびを上げる立木がそこにいた。。

#8
外を歩いているかえでの携帯が鳴った。立木からの、どうやら食事の誘いらしい。かえではOKの返事を返す。場所は立木さんが決めてください。「よ~し。よくがんばった、えらい!俺!」立木は上機嫌。告ってしまったわけだし、今は誘うしかないね!
あんまりわざとらしく高い店じゃないほうがいいよなあ、大人の男じゃないと入れないって店がいいよな!立木は意気揚々。そういうのは若者はかなわないっすねえ。と返す文平の横から、人間ドックに行ってください、行ってないのは立木さんだけです。と祥子。話の越も折られ、しぶしぶ検査に行く立木だが・・ポリープが見つかってしまったようだ。入院しなくてはいけない・・。はからずも、かえでとデートする日とかぶってしまうのであった・・。
どこに連れてってくれるのか楽しみな男っていいよね。と律子。ところで、龍彦君はどうしてるの?再現ドラマのメイク中、いつものように雑談するかえでと律子。かえでが言うには、最近龍彦はまじめにバイトをみつけ、掃除もご飯も作り、犬のチャッピーの散歩もしてくれるそうだ。しかもしばらくH禁止までしっかり守ってくれているという。それを聞いて律子は、ほう~、なるほど。「ライバルが現れて危機感を持ったんだね。」立木とまともに勝負しても敵わないとかえでの母性をくすぐる作戦にでたと分析する。「こりゃますますおもしろくなってきたねえ!」そこへ・・。
「あのさあ!最近メイク中のおしゃべりの時間がどんどん長くなってきてませんか!?」監督(律子の彼氏)が割り込んできた。だが、「監督!ガールズトークは女の子最大の楽しみなんですよ、わかってないですねえ。それがあるからこの仕切りの悪い現場でもやっていけてるんじゃないですか?」「えっ!?」「まあ、ふたりはガールズでは無いかも知れないけど。でも年をとればとるほどおしゃべりしか楽しみがなくなっちゃうんです。その楽しみを先輩達から奪わないでください。」まどかちゃんは先輩達をかばっているのか!?それともけなしているのか!?監督のこともさりげなく馬鹿にしてる・・。恐るべし天然女・まどか。
まあだけど。この監督も、映画をいつか撮りたいんだ!って夢があって、律子にも前回言いそびれたプロポーズもちゃんとしたりして、なかなかいい所もたくさんあるんだよね。冷めきってる律子ではあったのだけど、改めて監督のことちゃんと見ていこうとしてるみたい。一方「夢」って言葉に何か引っかかる龍彦がいる・・。
一方。立木はかえでに、デート自分から誘っておいて・・。とキャンセルの電話を入れた。だが、入院じゃなく出張だと嘘をついたようだ。何度も丁寧に謝る立木に、かえでも改めて、いい人だなあ。と笑みを浮かべた。立木はせっかくのデートが台無しになって本当に悔しがるんだけど。だが、その病院に龍彦まで入院するはめに。公園のジャングルジムでボッーとしている所へ少年野球のボールが飛んできてジムから落ちたのだ。
龍彦はぜんぜんたいしたことないんだが、かえでに甘える。かえでもそれはそれでうれしそう。かえでに入院してるところを知られたくない立木とは正反対。強がる男と素直に甘えられる男。世の女性はどちらがタイプ?
朝子は文平と食事していた。あいかわらず立木の話ばかりしたがる。かえでとの恋のゆくえをすごく気にしているのだ。文平はさすがに、なんで?と聞くと「私のお父さんだし。」「えっ?じゃあ、立木さんの別れた・・!えっ!!~えっ~!!なんで教えてくれなかったの?」「聞かないから。」
文平は、立木に朝子との事を許してもらいに病院へ。(まだ付き合いはじめ?であいさつするのも変なのかもしれないが)まあまじめなのだ。そこへ、今の父親・圭介も見舞いに来てしまって、朝子の父親ふたりとガチンコしてしまうはめに・・。そしてふたりの父親いっぺんに朝子との事がばれてしまうのであった。。
病院。「前の俺と今の俺、どっちが好き?」龍彦はまじめにかえでに聞く。どちらが嫌いってわけじゃない。かえでは返すが・・。なにやら考えているような龍彦がいる・・。
立木は病院を抜け出してケンちゃんのロックバーに来ていた。「あんたは健康なの?」「あ、俺?健康だよ。誤解されてんだけどさロックって。不健康だって。ポジティブなもんなんだよロックってのは。この世界を楽しくするための音楽だから。だから健康じゃなきゃだめなの。」芸術やってる奴はガサツだって思われがちだけど、実はマメじゃないとできない、色々細かいから。そういうのばれないように表面にあえて出さないから一般的には誤解されてるって思うんだけど。
ひたすら入院している所をかえでに隠そうとしていた立木。だが、龍彦のお見舞いに通っていたかえでと、ついに鉢合わせしてしまう!・・。びっくりするかえでに、事の顛末を話す立木。君に知られたくなかった・・。せっかく僕はかえでさんに恋をして元気になってたと思っていたのに。若くみられたいし・・。「やっぱり好きな女性には強い男だって思われたいし・・。それで嘘つきました。ごめんなさい。」「・・立木さん。そんな女だと思ってたんですか?だったら最初から嫌いですよ。60才だから立木さんは素敵なんじゃないですか。その病気だって立木さんの生きてきた証でしょ?立木さんは色んな経験をして色んなものみてきたから、弱ってる私に本当に心に染みる言葉かけてくれたし。だから素敵な人なんじゃないですか?胸張ってください!」立木はその言葉にうれし泣きする。うれしいよね。。でも嘘は嫌いです。というかえでは、お詫びに立木さんがいつも行くお店に行きたいと言うのだった。これもうれしい。
ポリープももちろん悪性ではなかったようで。立木はかえでをケンちゃんの店に連れていく。ケンちゃんはギターを弾き伴奏し、立木は歌う。そんな姿を、小さいながらも雰囲気のあるロックバーで楽しそうに飲むかえで。「かっこいい、かも・・。」ふとかえではもらすのであった。

#9
立木は新人バンド・ズカンの売り込みを強く会議で押していた。その熱意に文平は目を輝かせている。少し予算のかけすぎなんじゃという声にも、「絶対に来る!」と強気の立木。「感じるんです。この勘は外れたことはない。これでずっと当ててきた実績に免じて。」
その頃長野かえでは、自分のドラマの放送を律子、龍彦、監督といっしょに自宅で観覧していた。例の立木の紹介でオーデションに潜り込んだ作品。かえでと律子はTVのブラウン管の中で見事な演技をしていた。自分的にもうれしいかえでと律子。監督もうんうんと頷き、龍彦も横目でかえでを見ている。「すごいな・・。」そこへかえでの携帯に立木から電話がかかってきた。立木ももちろんこのかえでの晴れ姿を見ていたのだ。電話が終わり、ふと尋ねる龍彦。「なあ、かえで。この仕事している時さ、幸せだった?」「幸せだったかも。」「そっか。おっちゃんはかえでに幸せをくれたんやな。俺にはできんのかなあ・・。かえでを幸せに・・。」龍彦は最近何か考えているのだ・・。
突然監督が、この脚本を読んでみて意見を聞かせて欲しい!と龍彦に頼む。監督はいつか映画を撮りたいという夢のために自分で脚本を書いていたのだ。「えっ~!」思い切り嫌な顔する龍彦だった。
立木はケンちゃんの店に顔を出すが閉まっている。ので、いつもと違うお店に。そこでひとりの同年代の男と出会う。ふたりは意気投合し楽しく飲むのだ。「男に大事なものはふたつ、恋と仕事。」と盛り上がるふたり。お金のためだけとかじゃなくて男は常に戦っていないと駄目!という話から恋の話へ。立木は、「片思いなんだけどいい子なんだよね~。」とデレデレしながら話しているが、その男は「その子は自分の娘と同い年だね~。」と今度は自分の片思いの話を話しはじめた。好きだったんだけどでも結婚しちゃったんだよね~みたいな。そしてふたりは、また会いたいからと連絡先を交換するため名刺を渡し合う。「長野幹二」長野?「立木正午」チャッピー?・・ふたりは顔を見合わせ、「こないだうちのかみさんが!あっ!恋をしてるってひょっとしてかえで!?」・・立木は偶然にもかえでの父親と仲良くなってしまったのだ。。
文平は朝子を喫茶店で待っていた。可愛い笑顔で手を振る朝子がやってきた。手を振り返す文平だが!そこへ、なぜか!!朝子の両親・圭介と光代もいっしょに登場。。文平は前回圭介に朝子とのことがばれてしまったからね、でもこれは文平、ちょっと可哀想だ。とりあえずズカンのCDを朝子に渡す文平。しかし両親が品定めしているような視線で自分をみているので、「あの!!僕は買いだと思います!」と突然立ち上がる。「はあ!?」朝子も首をかしげた。光代は噴き出す。「はい。あの・・一応ちゃんとしたレコード会社に就職しております。生活は安定しております・・。仕事大好きです!それに次男です。だから買いです!」「なんだそれ。」圭介はため息。「あの、だから・・。付き合ってないし・・。そもそも。」朝子の言葉に両親唖然・・。「今申し込んでいるところです!まだ返事はないんですけどね・・。はははは・・。がんばります!」
そんな頃、龍彦が立木に会いにレコード会社に尋ねてきた。会議室で待たされる龍彦。その広さに「かっこええな・・。」立木もいつもと違う龍彦にどうした?と首をかしげる。かえでを幸せにできるのは・・俺?それともおっちゃん?龍彦は真剣にそのことを考えているようだ・・。「ちょっとはライバルとして脅威に感じてきたか?俺を。」「そうやなあ。現実的にもってるものが違うしね・・。」「比べるもんじゃないと思うけどな、条件で。」たしかに今の龍彦からみたら自分は色々持っているのかも知れない。でもな、自分はもうこれ以上失っても増えることはない・・。「俺はおまえがうらやましいけどな。これからいくらでも得点できるだろ?若いっていうのはそういうことなんだよ。変われるんだよおまえは!つまりだ・・できるだけおまえが今の龍彦でいてくれれば俺に可能性があるってことだよ。だからな龍彦、今のまんまでいろ。駄目なまんまでいろ。なんにももたないままでいろよ~。」立木のふざけてはいるがやさしい言葉に、すっきりした笑顔をみせる龍彦。「なるほど。」
かえでは東京にでてきている父親と対面していた。幹二は娘に会いに東京にきたのではなく、定年したあと自分で起業しようとでてきていたのだ。かえでの女優業に理解をしめしているいいお父さんだが、ただひとつ、心配しているのは「ちゃんと全力でやれているのか?」ということ。その言葉にかえでは考えてしまう・・。
かえでがバイトしている飲み屋に立木が尋ねてきた。ズカンのCDを手渡され、立木さんもがんばっているんだ・・と改めて感じたかえで。かえではもっと自分から積極的に女優という仕事をやっていこうと心に決めたようだ。
「やる気になるっていうのはいいことだよね。やる気がなかったわけじゃないっていうのもわかっているしね。でも100%とかっていうと・・ね?誰でもそうだと思うけど。」律子はかえでのやる気をうれしく思っている。だが、自分は女優やめようと言い出すのだ。付き合っている監督がいつか映画を撮るんだとがんばっている。自分は別の仕事をしてそれを支えたいという・・。せつなくて、なんだかせつなくなってしまってふたりは泣き出してしまった・・。
その監督の脚本を読んでみた龍彦がいる。監督を呼び出して感想を言う。「読んだよ。一言でいうとつまらない。そして、おもしろくない。だが、最低ではない。ラストは嫌いじゃない。でもそれがまったく生きてない。ラストにあの幸せがあるんやったらそうでないように思わせなあかん。だから構成がまったくなってない。それにセリフが下手すぎ、人の言葉になってない。」ここで龍彦はフッと笑いだす。「人の作ったもんにはいくらでも言えるんやなあこれが・・。そこどまりなんかなあ、俺は・・。」「あのさ、書いてみてよ!だから気付いたことを直してみてよ、自由に。頼むよ!」監督は、龍彦にいっしょに脚本を書いてくれと言うのだ。龍彦は最初とまどいながらも、いつの間にか目が輝いていた。「まってろよ!おっちゃん!」
かえで。龍彦。それぞれが改めて自分をがんばる!と動き始めた。知らず知らずのうちにふたりに影響を与えていた立木。だが、その立木はあるレコード店で足を止める。ズカンの店頭CDコーナーが撤去されているのだ!!会社に戻ると、「立木さんの勘はもう古いという会社の決定です。プッシュするのは他のアーティストに変更します!」「そろそろ現場はいいでしょう?もう十分がんばってこられたんだから!」その役員の言葉に、文平は立ち上がるが!無言の祥子の静止で踏みとどまる・・。祥子の目も悔しさとせつなさでいっぱいだった・・。そして立木もひとり窓から外を眺めている・・。その目は悲しみに満ちていた・・。

#10
立木の熱意およばず、新人アーティスト・ズカンのCD売り上げは伸びなかった。早々に売り込みを撤退し始めるオールインワンレコード。「ただ・・ズカンは本当にいいバンドだし、スタートダッシュには失敗したのかもしれないけど、絶対将来性あるし、絶対に来るから!もうちょっとの間・・。」立木の熱弁をすかさず他の役員が制す。「いや、もう勘弁してください。もう立木さんの神通力は通用しないんですよ。」「損失でかいですよこれ!」「とにかく現場は離れてください・・。もう通用しないことが証明されたわけだし。」立木は散々に打ちのめされる。それでも、文平と祥子に現場を離れることを笑顔で伝え、ふたりにエールを送るのだ・・。そしてズカンのメンバー達にも。
その頃、かえでも龍彦も「自分をがんばる」ため、それぞれのことをやっていた。龍彦はシナリオを書き、かえではオーディションを受けまくっている、前向きに。「どっちが前なのかわからないけど、後ろじゃないことはたしかかな。」かえでは落ちようがあきらかに場違いだろうが、攻めていた。龍彦もなんだか楽しそうなのだ。脚本を直してもらっている監督もうれしそうな顔をしている。そして龍彦は労働して中古パソコンまで手に入れた。
ケンちゃんのロックバー。「えっ!?やめちゃうの仕事?」ケンちゃんが立木に尋ねる。「うん。そうしようかと思ってね。まあ俺はさ、家族とかいないから言えるんだけどね。必要とされてないのにいるのは辛いなあって思って。プライド高いのかなあ~俺は。」「それは悪いことじゃないよ。」「だよね~。でも、な~んの準備もして来なかったんだよ俺。仕事やめたあとの事さ。怖いもんだよ、何にもなくなっちゃうってのはさ。」「恋はどうなるんですか?」ヨーコが横から尋ねる。「なんにもなくなっちゃった60才には厳しいでしょ。恋は。」立木の苦笑いにケンちゃんもなんと言っていいかわからない。そこへ、偶然にもかえでが店に入ってきた。
オーディションを受けまくっているんです。というかえでに笑顔で励ます立木。「立木さんのおかげです。立木さんに負けたくないなって思ったんです。だって立木さんは自分の力で成功して、今も滅茶苦茶がんばってて。なんか私はどうなんだって思って、女優。駄目なら駄目でいいけど、何の悔いも残さないくらいがんばったのかって。立木さんに負けないくらいやってみよう、そう思ったんです。」「・・それは光栄です。」龍彦も立木さんのおかげでがんばっている、あんな顔をみたのは始めてだな~。とかえで。「みんなよかった、よかったぁ~。かえでさん!がんばって!」立木は自分が会社を辞めようとしている事は話さずにかえでを励まし続けた・・。
立木は、当時自分の旗揚げしたマンションに立ち寄っていた。その時、朝子が偶然立木の前に現れる。朝子は立木の娘。あの時のオーディション以来だが・・。「此間はきついこと言っちゃったね。ごめんね・・。」「いえ、甘かったしその通りだと思いました。ただ・・。」朝子はあれから将来のことを考えるようになってしまったと。「なんか怖いんです。いままでずっと学生っていう身分でそれがいきなり放りだされるみたいで。何かにならなきゃいけないっていうのがなんか怖い。なんでもいいんだろうけど、なんにもなれない気がして・・。」「同じだな・・。僕も今、怖くてしかたがない・・。」そこで立木は朝子に笑顔をみせ、「こう考えてみたら?何かになろうとか、何かにならなきゃいけないなんて思わなくていいんだよ。」朝子はじっと立木を見つめている。立木は本当のお父さん。でも今のお父さんが自分の大切なお父さん。立木のことなんて最初は、全然関係ない人だってずっと思っていたかも知れない朝子。でもオーディションで出会って、そのあとも立木のことをずっと気にしてて。もしかしたら、この偶然は朝子が願っていたことだったのかも知れない。立木もうれしかっただろう、自分の娘とふたりきりで色々話ができたのだから。「どんな職業につこうと君は君だ。職業に選ばれるんじゃない、君が選ぶんだ。君のためにね。」「私のために?」
そして・・立木は会社を辞めた。祥子はその事を察していたし、文平も泣きじゃくり、ついて行きます!と立木を呼び止める。それでも立木はずっと笑顔で、「ごめんな。上の世代としてはもっとかっこよく終わりたかったっていうか、お前達に夢与えるような仕事の終え方みせたかったんだけど。なんかかっこ悪くてごめんな!」ふたりに抱擁し、「ありがとな、本当に!じゃあな!」立木の後ろ姿を涙目で見送るふたり・・。いつも立木が座っていた椅子には、別の人間が座っている・・。
立木は光代、圭介、朝子と食事をする機会を得る。別れた元妻とその家族、そして自分の娘。こうして仲良く食事をする日々がやってくるなんて。立木にとってこんなうれしいことはないだろう。でもそれは、立木がその時その時誠意をもって人と接してきたからこその事なのだ。だが、光代は気付いていた・・。立木の様子が少しおかしい事に・・。
立木は龍彦には会っていこうと思っていたのだ。いい奴だし、それとなくかえでさんを幸せにしろよって言っておこうと。でもみんな(かえで・龍彦・律子・監督)が集まっている所に顔を出すことになる。そして、かえでの映画の仕事が決まった。今電話がかかってきたのだ。喜ぶ一同。「でもさ、自分のためにがんばる!がんばれる事があるって、素敵なことなんだよ。みんな、がんばれ!」そう言ってから、意を決し!立木はかえでにデートを申し込んだ。一同シーンとなるが、かえではOKする。
ふたりは楽しいひと時を過ごすことになった。遊園地デート。「あのさあ、かえでさん?どういう関係に見えるんだろうか?僕達って。」「恋人じゃないですかね?遊園地だし。」「だよね~!」立木にとって、うれしい思い出ができたことだろう。
すべてやり尽くした。・・立木はマンションを引き払い、みんなの前から姿を消した・・。みんなに笑顔で「がんばれ!」とエールを送って回って。「一回ゼロになってみる。」立木正午はそう決めて、マンションを去った・・。

最終回
立木正午はかえで達の前から姿を消した・・。かえではケンちゃんのロックバーにきて飲んでいる。どうしているんだろ?立木さん。あの遊園地の時にはもう姿を消すつもりだったんだ・・。なんで気付かないんだろ、私は・・。「大丈夫だよ、かえでちゃん。チャッピーはぜんぜん大丈夫だから!」「いいですよね~、ケンちゃんさんは。」「心の底からそう思ってないでしょ?」「ぜんぜん思ってませんけど。」「あら~そうなんだ。」
だが、しばらくしてかえでのポストに立木からの手紙が届いていた。「挨拶もなしに突然いなくなってしまってすいません。正直言うと、かえでさんを目の前にしてお別れを言う自信がありませんでした、なさけないですね。20才そこそこでバンドを始めてから40年ずっと仕事漬けだったので、一度ゼロになってみようと思いました。かえでさんに出会って恋をしてからの日々は本当に楽しかった。本当にありがとう。でも僕は自分の気持ちばかり考えていて、かえでさんを困らせたんじゃないかと思ってます、ごめんなさい。だけどね、思いあがりかもしれないけれど、ひょっとして僕を選んでもらえる可能性もゼロではなかった、そのステージに上がれただけで僕はとても幸せです。自信も持てました。だから僕は元気です。デートで行った遊園地最高に楽しかった、絶対忘れません。龍彦君によろしくお伝えください。繊細で、やさしくて、人の気持ちがわかりすぎるほどわかってしまう彼のことが、私は大好きでした。私はかえでさんの幸せをずっとどこかで願っています。あなたは絶対に幸せになれる。でもさびしい時、つらい時、もし僕のことを思い出すことがあったら空を見て。きっとその時、僕も空を見上げていますから。どこにいても空は繋がっているから・・。立木正午」
その頃、立木は海を眺めていた・・。そして船が近づいてくる。その船には見たことのある顔が!?菊原!!菊原は以前、「今の立木さんのようになりたくない!」と啖呵を切って会社を辞めた一番の部下だった男。なぜ!?ここに。。
菊原は会社を辞めてから世界中を旅して・・じゃなく、お金がなかったので国内を旅して、お金がなくなったらまたバイトして。という日々を過ごしていたらしい、立木と会ったのは偶然だったわけ。あの時失礼なことを言ってしまって。謝る菊原に、おかげでもう一回チャレンジできたよと笑って返す立木。で、失敗して会社辞めちゃった。「で、答えでたのか?自分探しの?」「ゼロになってみようと思ってフラフラしてたんですけど、飽きてきました、そろそろ・・。」「俺もさ、三日で飽きたよ。」立木も菊原も時期は違えど同じことをしていたのだ。そしてふたりはこれからどうするんだ?と顔を見合わせている所に、波の音に混じってフォークギターの伴奏が聞こえてくる。すこぶる下手だ・・。立木はそのふたりに稽古をつけてあげることにする。
「いいんだよ~。最初はみんな下手くそなんだから。俺だってそうだったよ~。音楽好きなんだ?いいよな~やっぱり音楽!」立木は学生ふたりに音楽の話を熱弁し始める。「音楽をやってると楽しいことがいっぱいあるぞ~。まず、女にモテル!フフフ・・。」そんな立木の背中をずっと見ていた菊原は、「やっぱり音楽じゃないですか、立木さんは。」「えっ?だって40年やってきたんだよ?だから他にさ~」「他のもの探さなきゃいけないんですか?別に無理して他のもの探さなくてもいいじゃないですか。」それを聞いた立木。・・やってみるか?なんかやらかしちゃう?「やっぱレーベルかな!?インディーズ!」と、ふたりは突然俄然やる気になって早速事務所を構えてしまうのだ。。
律子は、「かえでの負担にならないように姿を消した立木さんのやさしさだよ。」とかえでを慰めている。もし、立木さんが姿を消さなかったら、いずれ龍彦君か立木さんのどちらかを選ばなきゃならないでしょ?立木さんの気持ちにはっきり答えられないって言えないでしょ?「かえでが元気でいることを望んでると思うよ。」「うん・・」
かえでは、がんばらないと立木さんに怒られる。と日々がんばっている。バイトに、女優に。だが、ふとさびしそうに夜の月を見上げて、「いままで本当にありがとうございました。ずっとお元気でいてくださいね。」そんなかえでの後ろ姿を龍彦は見てしまうのだ・・。
龍彦は監督といっしょに例の脚本を仕上げて、コンクールに出してきた帰りだった。「お疲れ。入選するといいね。」かえでの言葉に、「いや、それはないよ。そんなに甘くないし、冷静に見てもボツでしょ。でも続けるわ、俺。」龍彦も成長しているのだ。
立木と菊原は新人発掘のためのオーディションをしていた。だが、逸材なんてそんな簡単に見つからないし、そうそういるもんじゃない。でもふたりは楽しそうなのだ。。そこへ、祥子と文平が!!現れる。
ズカンが今になって赤丸急上昇の人気が出てきたということ。「戻ってきてください!」文平の頼みを断る立木。自分の勘は間違ってなかった。そのことだけで十分だ。それに今楽しい。そんな立木を理解してしまうのも祥子と文平なんだよね。ふたりも立木がいなくて寂しいだろうけど、なんとか元気で過ごしている。そして文平は・・「いいじゃん。私がいるから。ずっと返事してなかったけど、まあ、彼女ってことでよろしく!」と朝子にOKをもらってしまった!立木がいなくても全然かまわないじゃん!?よかったね文平。。
立木と菊原もついに逸材を見つけ、かえでも別の映画の仕事をもらっているよう。龍彦も黙々と楽しそうにパソコンに向かって原稿を書いている・・。そして、それぞれの一年間が過ぎた・・。
立木はレーベル第一弾アーティストの売り込みで目を輝かせている。律子は監督との間に子供もできて、結婚披露パーティを開いていた。もちろんかえでも参加しているが、龍彦の姿がない。龍彦は今度書く脚本のために、鎌倉に自費で取材に行っているのだ。そして龍彦は、砂浜沿いのオープンレストラン風のそこで、立木の姿を目撃してしまう!どこかの男と仕事の打ち合わせをしているようだったが・・!?しかし・・・。かえでに、立木を見つけた事を言えない龍彦。龍彦は怖かったのかも知れない・・。かえでの中の立木の存在が、現在どのようになっているのか計り知れないから・・もしかしたら、かえでは立木のことを・・。
かえでは武蔵野映画祭の助演女優賞を貰うことになった。いままでずっと日陰で、でもやり続けた事が賞という形で身を結んだ。これはとてもうれしいことだ。そんな時、龍彦は結婚指輪を買った。もちろん映画祭授賞式の日にかえでにプロポーズするつもりなのだ。
いままでなんとなくあきらめモードで女優を続けていたかえで。だが、そのかえでも女優で成功し始めた。そのきっかけは、自分のしている事を改めて見つめ直せたからだろう。そして龍彦も、プロポーズするなんてこと、前の龍彦だったら考えられない。それに書くことも、それ自体怖がっていたのに今はちゃんと書いているのだ。それぞれがそれぞれに自分なりの答えを出せるようになった。これは簡単なようですごいこと。ふたりは立木に出会って変われたのだ。
その立木は菊原に言う。「今さ俺、楽しい。50代より楽しい人生が!今無茶苦茶楽しい!だから年をとることを恐れるな。悪いことじゃないぞ~、60になったら60にしかない楽しみがあるんだよ。それを覚えておいてくれ。それから恋をしろ、いくつになっても。だって好きな人に自分をよく想ってもらうってすごいエネルギーいるだろ?だから恋するってことは生きるエネルギーなんだよ。」「俺もかっこいい大人になりてえ!」立木のように人生を楽しめることが、なによりの幸せってことなのかも知れない。
受賞式。かえではたくさんの拍手をもらい舞台の中央に立つ。そのドレス姿はとても艶やかだ。龍彦も律子も、そのかえでを眩しそうに見つめる。「がんばってこられたんですねえ。成功の秘訣はなんですか?」司会の問いかけに、「成功の秘訣はわかりません。今こうしているのも怖くてしかたありません。でもある人に言われたことがあるんです・・。もうこの先女優として認めらることはないんだなあって思っていた時・・」かえでは遠くを見つめるような目で何かを思っている。その目は潤んでいた。「・・思い描いた理想の自分と、今の自分を比較して落ち込むのはやめないさい。理想とか夢とか、思い浮かべて楽しい気持ちになるためにあるもので、落ち込むためにあるもんじゃない・・その言葉を信じて、やってきました。」拍手が巻き起こる。「素敵な言葉ですねえ。その言葉はどなたが?」司会の問いに言葉を詰まらせるかえで。「その人は私の・・」そのかえでの表情を見て、龍彦は気付いてしまった!そして・・「その人は私の大好きな人です!」大きな拍手が起きる中、「かえで!」と龍彦は立ち上がる。「おっちゃんはさ・・」そう言う龍彦の手に握られていたはずの結婚指輪は、いつの間にかポケットにしまわれていた・・。
龍彦は、かえでを立木の元に行かせてあげるのだ。自分は必ず脚本家として成功する。その時、その映画にでてくれよな!と。
鎌倉の海。「立木さん。いっしょにいてください!お願いします。」「いいの?僕で?」「立木さんがいいんです。立木さんが生きている間だけでいいですから。」「あのね?いいの~?まだまだ長いよ!僕の人生!」そして、やったあ~!!と万歳する立木。その顔は少年のように若く、輝いていた。。

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