「無理な恋愛」まとめ前編

「無理な恋愛」まとめ前編
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人生ひとそれぞれ。だから何が幸せかなんてみんなそれぞれ違う。そして、大人といわれる年になっても、どこかで色々考えたり悩んだり。そしていくつになっても恋したり。

#1
立木正午。バンドのボーカルとして活躍し現在はレコード会社のプロデューサーである。おじいちゃんと言われる年になってしまったが、立木は見た目も精神的にも全然若い。なにもかも手に入れてるように見えるこの男だが、なぜか哀愁が漂うのだ。
昔のバンド仲間、ケンちゃんのやっているロックバーに立ち寄り、しみじみと話す。自分が60才になってこんなにジタバタしているとは思わなかった、自分が子供の頃はその年の人は何事にも動じない悟りきってるものだと思っていたのにさ。恋とかそういうのもまだしたいな、ああでもないこうでもないと悩んだりしてトキメキたいと。
立木は奥さんと別れ、現在は独身。その光代は圭介という年下と再婚をして幸せなようだ。立木は光代とはひさびさに会ってから友達のような関係を続けているようだが、痛いところをいつも突かれ頭があがらない。なんにしても何か毎日不完全燃焼ぎみなのだ。そんな彼の前に、長野かえでという女性が現れる。
かえでは劇団を立ち上げ上京してきたが、レベルの差に圧倒されあえなく解散。現在は唯一残った仲間、久保律子とTVの再現ドラマの仕事を細々とこなしている。だが、もちろん本人達はそんな自分に納得しているはずもない。それにもう、そんなに若くもない。恋人もいないかえではさびしさからか子犬を飼うことにする。名前はチャッピー。そのチャッピーと公園を散歩中、ひとりの男が池に落ちた。その男・・チャッピーという呼び声に反応して池に落ちたのだった。その男こそ立木。
ふたりはそれがきっかけで知り合うことになる。助けてくれたお礼にと食事をご馳走する立木。あまりに豪華な場所と食事に驚きを隠せないかえでだが・・。立木が昔バンドのボーカルとして活躍していたチャッピーだと知りびっくり!実は犬の名前は母親がファンだったチャッピーから付けたものだったのだ。
成功している立木を素直に褒め、自分にはきっと何かが足りないんですと言い出すかえで。立木はそれを受け話しだす。「とにかく好きだった音楽が。毎日音鳴らして、売れるとか売れないとかそんなこと考えてなかった。今、楽しい。それしか考えてなかった。」そんな会話をするうち、立木はかえでの事を本気で好きになってしまったようだ。
ご機嫌な立木のもとに、信頼をよせていた部下・菊原が訪ねてきた。菊原には目をかけ、色々教えてきた立木。だが、菊原は辞表を持ってきたのだった。尊敬していましたが、今は立木さんのようにはなりたくないと。立木は昔は強引なほど情熱があったのだ。が、現在は今の流行の音楽をよくわからなくなっていた・・。音楽に対する情熱がいつの間にか薄れてしまっていた事を菊原に見抜かれてしまったのだろう・・。そして、かえでが自分よりずっと若い男と飲んでいる所を偶然見かけてしまう。今日もクラブで熱唱してしまう立木。その姿に、どこかせつなさが漂って見える。

#2
電車に乗っている立木。そこへ向かいに座っていた男が突然席を譲ると言い出した。どこかで見覚えがあるな?と思った立木だが、それもそのはず、その男はかえでといっしょに飲んでいた男だったのだ。
その男の名は龍彦。小説家らしいのだが、かえでいわく書いている所をみたことがない。そして働いてもいないから金もない。でも、どこか憎めないという男。かえでとは腐れ縁で恋人同士なのかもしれないが、落ち着いたら自分が駄目になるということでフラッと姿を消してしまう。かえではそんな龍彦と縁を切っていたはずなのだが・・。今はかえでの所に転がり込んでいるのだ。かえで自身、そんな状況を密かに幸せに感じているようでご飯の支度をして待ってたりしている。
だが龍彦は帰りたくないらしい。突然立木に話しかけ、ふたりはいっしょに飲みに出かけることになった。「ゴチになります。お金はないけど時間はたっぷりあるんやなあ、それが若者の特権でしょ?おっちゃんは金はもってそうだけど残された時間はあんまりないでしょ?」とさりげなく年長の人におごっては失礼になるからとご馳走になる龍彦。「そういう風にバランスがとれてる。若いうちはお金持ってちゃ駄目だけど、年寄りは持っている社会じゃないと。」と意味深な事もサラって言っちゃう。そして実はバイトを一日で辞めてしまったから女の所に帰りづらいと言い出す。もちろん立木はその女が「かえで」だと知っているわけだが、まさか立木とかえでが顔見知りだと龍彦は知らない。
苦手なんだ、がんじがらめになるのが。という龍彦の気持ちを理解する立木。ふたつにひとつだと龍彦に助言するのだ。女を幸せにすることに喜びを見出すかorさもなくば撤退かのどちらかだと。ちゃんと嫌われて別れるかだ、自分はそうしたよと。そうしないと女がひきずって可哀想だから。「どっちでもいい。でも、どちらかしかない。」どっちもやだなと言う龍彦に、女のために何かを捨てることは別に恥ずかしいことじゃないぞと言う立木。幸せにしてやったらどうだ?という立木だが・・。お人よしなのだ、立木は。
かえでは今度は自分がバイトしている居酒屋に立木を連れて行く。かえでは結局帰ってきた龍彦を追い返してしまったようだ。まあ無理もない、ご馳走作って待っていたのに帰ってこないんだから・・。
「なんか中途半端なんです」とかえでは酔っ払ったのか愚痴り始めた。そいつのこと嫌いなわけじゃない、でも大好きなわけでもない・・なんかもう、どうしていいかわからないらしい。男として迷ってるんじゃないか?と立木。迷わない奴よりよっぽど信用できるし、もし迷ったすえに君を選んだらもう二度と迷わない。「許してやったら?」その言葉にかえでは微笑んだ。なんで立木さんにはこういう話できるんだろう?きっと立木さんとは男と女の関係にならないから安心なんだというかえで。「立木さんそういう人じゃないし」とにっこり信頼の笑顔を見せるかえでに、ね!と微笑み返す立木。あまりにせつない立木の気持ちが、その笑顔からは微塵も感じさせないのが逆につらい・・。
かえでは龍彦と仲直りしたようだ。が、「だめだこりゃ・・。」と帰りひとりうなだれる立木がいた。今日もクラブのお姉ちゃん達の前で熱唱するのだ・・。

#3
立木の会社に元妻が訪ねてきた。保険の仕事をまた始めたようで、立木に保険の勧誘にきたのだ。若い彼女とはどうなってるの?結婚するの?とおもしろ半分で興味深々の様子の光代。「結婚なんてありえないから。そもそも付き合ってないんだから。」「はあ~?なにそれ?じゃあ片思い?」光代は大笑い。立木はあいかわらずこの元妻は苦手なのだ。。
またケンちゃんのロックバーに来てケンちゃんとお話。このバーはこじんまりしてて客もいないし世間話するのはもってこい。せつないもんだな片思いって。と立木。でもそういうのがしたいって言ってなかった?とケンちゃんに突っ込まれ、「これでいいんだ。」とひとり納得の立木。意味のない友達との会話ほど楽しいものはないよね。
かえでは女優やりながらバイトもこなし、日々疲れていたところに風呂のお湯がでなくなる。龍彦はかえでの所に居候しているので自分が直すと豪語していたが・・余計に壊しただけだった。「ふたつのタイプに別れるのよ。なんだかんだで最後に結果を出す男と結局最後まで結果を出せない男。」かえでの女優仲間、律子が言うが、龍彦は後者だったようだ・・。結局かえでは仕事から帰ってきて銭湯に行くことに。もちろん龍彦もいっしょ。ふたりで小走りで銭湯に向かうが、辿り着いてみればそこはお店を閉めてしまっていた。「まったくこの国から情緒というものが失われていくよな。」龍彦のぼやきをよそに、35才になって何やってるんだろ・・とかえではうなだれてしまった。そこへ立木の乗ったタクシーが通りすがり、立木は自分のマンションへと誘うことになる。
かえでと龍彦、ふたりと接点がある立木。もちろんかえでも龍彦も、不思議な縁だと盛り上がる。そして豪華なマンションの部屋にびっくり。龍彦は遠慮なしに振舞ってそのたびに立木は苦笑いだが、それもおもしろがっているようだ。「立木さんが許してやれって言わなかったら龍彦とは別れていたんだから。」とかえで。そして龍彦も、いつぞや自分のことを励ましてくれたことのお礼を言う。立木はかえでのことが好きなのだけど、やっていることはふたりの縁結びなのだ。。
ふたりは泊まっていくことになった。立木はなんとなくベットからでてベランダへ。高層マンションからみえる夜景は綺麗。だが、「いくらなんでもせつなすぎないか?俺・・。」そこへかえでもベランダへやってきた。「眠れないですか?」とグラスとワインを持ってきている。なんかロマンチックだ。ご褒美だね、立木さん。。
このマンションにきて自分はもうこういう所に住むことはできないんだろうな、20代だったら野望に燃えて絶対住めるようになってやる!と意気込んだだろうけど。どこか寂しそうなかえで。そんなかえでに、思いつめたような立木が、「たとえば・・僕と!いや、だから・・。」いっしょに住みませんか?とあとの言葉がでてこない立木。でも、「かえでさん。何が幸せかなんて誰もわからないんじゃないかな?思い描いた理想の自分と、今の自分を比較して落ち込むのはやめないさい。理想とか夢とか、思い浮かべて楽しい気持ちになるためにあるもので、落ち込むためにあるもんじゃない。わかる?」その言葉にかえでは少し元気になったようだ。
朝、いってらっしゃいとかえでに言われ、なんだか浮かれてしまう立木。仕事にもいつのまにか熱が入ってきたようだ。。一方龍彦は外をぶらぶら小説も書かず、仕事もしていないが、昔の小説仲間にばったり出会う。お互い書いているのか?と話しだすが、その相手は単行本を龍彦に渡した。期待の新人と受賞していたその本。昔の仲間はちゃんと書いていて、本を出していたのだ・・。
かえでは律子との会話の中で、立木がなにか自分に言いたそうだったのを思いだしていた。まさか?気のせいよねと頭を振るかえでだが・・。

#4
その夜、龍彦は帰ってこなかった。立木のマンションに居候しているかえでと龍彦だから、その夕飯は立木とかえでのふたりきり。
かえでの作る料理はおいしかった。かえでは料理は好きだと言う。だが劇団立ち上げて上京してきてからは毎日ドタバタしていてとにかく貧乏で料理を楽しむ時間などなかった。「道間違えたのかな?田舎でいいお嫁さんにでもなればよかったのかな?」そんな話を聞いていた立木。龍彦が帰ってこないことを気にしているんでしょう?と質問する。いつもフラっていなくなちゃうの?と。女優と小説家の関係ってそんな感じなのかなと自分もそれがかっこいいと思っていたから。とかえで。でもやっぱり心配そうな表情を時折見せる。そして・・龍彦はようやく帰ってきたのだが・・。
べろんべろんに酔っ払っていた。パブのお姉ちゃん達といっしょにもりあがって連れてきてしまう始末。龍彦の勘定は立木が払い、お姉ちゃん達を帰らせてさて、どういうこと!?とかえでは怒り始めるが、立木は「明日にしてあげたら?この顔はそうとう辛いことがあったみたいだから。」とマンションを出て行く。かえでと龍彦をふたりきりにさせてあげるためだ。すごくやさしい立木。だが、行ったケンちゃんのロックバーは閉まっていてね・・。なんだよ~!
朝、かえでは龍彦のかばんに一冊の本が入ってることに気づく。その著者をかえでは知っていた。龍彦の知り合いだと気付いたのだ・・。「そっか。だからか。」「違うで!」龍彦はこんな小説が認められてる日本文学に絶望してるだけと焦って言う。龍彦はこの本を読んでもいないのだけどね。。「・・わかってるよ。わかってる。」かえではやさしく微笑んだ。すごくやさしいかえで。そして、「がんばろう!私も協力するから!」と龍彦を励ました。時間もある、応援してくれる彼女もいる、物作りに100%絶好な条件がそろっている龍彦。もうこれで書かなきゃ男がすたるぞ。
立木は職場の部下の家に泊まったみたい。そしてかえでから電話があった。お風呂も直ったので自分のアパートに帰ります。龍彦も小説を執筆することになりました。うれしそうな声だ。ちょっとせつなそうな顔をするが、これでよかったんだと思い直した立木の顔には笑みがこぼれる。
机に向かう龍彦。その背中を頼もしそうに見つめるかえで。だが、その筆は一行に進まない・・。かえではドラマの仕事があるのでがんばって!と笑顔ででていくが・・。
メイク中、律子と龍彦の話題に。「あの手の男はがんばってというと逃げる所ない?」と律子。「うん。でも疲れてるんだと思う、龍彦も。自由に。」でもなんだかんだで今回はいつもと違うと信じているかえで。「でもいいよね?いままでがんばってこなかったわけだから、がんばったらすごい成功するかもしれない、夢があるわよ。」と励ます?律子。可能性が残されてない男よりマシだと言うのだが、律子は実はこの三流再現ドラマの監督と付き合っているのだ。でもなぜかかえでにはその事を言えない・・。自分の男には可能性がないと自分で思っちゃってるのね・・。
立木もケンちゃんの店に立ち寄って話してる。この恋はせつない、ふたりの仲とりもっちゃってるわけだから。でもなんだか彼女の幸せそうな顔とかみてると本当にうれしいんだよね。あんたならどうする?とケンちゃんに聞いてみる。「俺だったら3人でいっしょにいるよ。その方がロックっぽいじゃん?」「いいよねえ~あんたは。」「心の底からそう思ってないでしょ?」「うん。思ってない。」「でもそれってさ、愛なのかもしれないよ?」
マンションに帰ってきた立木。もちろん広い部屋に誰もいるはずもない、かえではもう帰ってしまったのだから。だけど、手紙が置いてあった。「本当にありがとうございました。立木さんのようなお友達がいて私達はとても幸せです。」お友達という言葉になんだかまたせつなくなってしまう立木。ベランダへでて夜景を眺めるその顔は、この恋にあきらめがついたような表情でもあった・・。
龍彦はしばらくして筆が進む。そしてあらかた書き終えたのかタバコを吹かす。が、改めてその原稿を読んでみて「なんだこりゃ・・。」と破いてしまった。かえでが夕飯の材料を持って笑顔で帰ってきた時には!・・破かれた原稿を残し、龍彦は消えていたのだ・・。
立木は後日、かえでとばったり出くわす。かえでの元気のない表情に気づき声をかけるが、「私・・やっぱりだめでした・・。」と泣きはじめたかえでは立木にもたれかかるのだ・・。その頭を立木はなでてあげるのだが・・。

#5
龍彦は小説を書くの放棄して、またかえでの傍から姿を消した・・。これで何度目だろう、自分の前から姿を消すのは・・。かえではつい立木にまた甘えてしまうのだった。
泣いているかえでをなぐさめようとふたりはお茶しながら話し始める。龍彦を無理にがんばらせようとして追い詰めてしまったと反省しているかえで。がんばれない時にがんばれって応援されてもね。立木もあわせるが、用するに女が男にこうあってほしいという理想と男が女にこうあってほしいという理想は決してまじあわらないと言うかえで。若いうちや付き合い始めはそれに目をつぶっていられるが、女も35才になるとそうもいってられないと立木相手にいつの間にか熱弁している有様。立木は苦笑せずにいられない。多分、龍彦は立木さんの所へ行くはずです・・。かえでは言い、嫌いじゃなければ置いてやって欲しい、でも龍彦が来たことは私には言わないで。滅茶苦茶な事をお願いし始めた。「さびしい時やっぱりね・・。あいつがどこにいるのか知ってると会いに行きたくなっちゃったりするの嫌なんで・・。」一瞬の間のあと「好きなんだね。」と立木。「今が一番好きかな・・。いなくなった直後が一番好きなのかも知れないな・・。」
そして立木がマンションに戻ってみるとやっぱり龍彦がドアの前でコンビ二弁当を食べている・・。そして元妻・光代もなぜかいっしょに待っていたようだ。龍彦は、ここにおいてくださいと立木に頼み、光代は立木のレコード会社の新人オーディションのビラを立木に見せる。龍彦の件はかえでからさっき聞いていたので事情はわかるが、光代の件はいまいちわからない。まさか自分がオーディション受けるわけでもなかろうに・・?結局本題も語らないままマンションをでて帰宅する光代。そしてラーメン屋のラジオから立木が昔やっていたバンドの曲が流れているのを耳にし、ひとり喜び痺れていた。昔を思いだしたのだろうね(笑)気持ちはわかる。まあ、別に嫌いなわけで別れたわけじゃないのだし、やっぱり特別だったんだろうな、その頃の光代の思い出は。まあ、それはおいといて・・。
落ち着いて晩酌している龍彦に、「小説書いてみたんだろ?がんばろうとしたんだろ?だめだったか?」と尋ねる立木。「わからへん・・。ちょっと怖くなっちゃって。だめだっていう結論がでたらどうしようって・・。」「そっか。」と微笑む立木は元バンドマンで音楽プロデューサーだ。同じ物を作る者として龍彦の今の心境を理解することができるのだろう。
立木はドラマのプロデューサーに挨拶される。以前主題歌で交流があったようだが、現在の担当しているドラマは低予算でギャラも安いからなかなか人気者がでてくれなくてと立木にこぼす。力があっても目立たない人いっぱいいるからと立木は返すが、どこかに30代のいい女優さんいないですかね?と言われ、立木はピンとくる!
かえでと律子は突然ドラマのオーディションの話が来た。再現ドラマじゃなくドラマの話である。そしてふたりは、そのドラマに出演することになった。いままでがんばってきて本当によかったね!とうれし泣きするふたり。そして・・撮影も気合が入り、バイト中も犬のチャッピーの散歩中にもセリフの練習。いままでにない充実した日々をかえでは過ごすことになった。
ある夜かえでと律子は飲んでいる所に立木を呼び出し今の喜びを報告。本当にうれしそうなふたりをみて立木もうれしそうに微笑んだ。その頃龍彦は、ケンちゃんのロックバーにきて、「あのケンケンさん?」「ケンケンじゃないよ。犬じゃないから。」やっぱりがんばってないようだ・・。
後日。立木のいるレコード会社にかえでが尋ねてきた。以前とは違いその表情は思いつめたように厳しい。立木を見つけたかえで、「立木さんがお願いしてくださったんですよね?ドラマの仕事・・。でも、でもね、立木さん、ひどいです。黙ってそんなことするなんて・・。コネだったなんて思いもしなかったから、あんなにはしゃいじゃって・・。バカみたい!そんなに私は物欲しそうに見えましたか?かわいそうにみえましたか?バカにしないでください!もうお会いすることないと思います。さようなら・・。」かえでは出て行ってしまった・・なんとも言えない悲しい顔する立木を残して・・。
かえでの後を、立木の秘書・祥子が追っかけてきた。祥子は立木からかえでの事を聞かされていて色々事情を知っていたのだ。「待ちなさいよ!私あなたみたいに自分の気持ちしか考えない女が大嫌いです。立木さんは権力を使ってあなたを無理やり仕事できるようになんかしてません。そんなことする人じゃありません。大嫌いなんですそういうことが。自分の力で成功した人ですからあの人は。頼まれたって全部断るし、無理やり仕事をさせたって不幸になるだけだっていつもそう言ってます。誇りをもって生きてるんです。」すごくがんばっている子がいる。実力はわからないが、実力があったらなら。とそう言っただけ。勝手に向こうが気を回したのかも知れないが、立木はそんなこと絶対にしない。「あなた立木さんのどこをみてたんですか!?見ちゃいないんだよね、あなたみたいな人は・・自分しか。」立木がずっと男してあなたに恋してきたこともわからないんですか?その言葉に「えっ!?」とかえで。そして自分のアパートに帰り考えていた。立木との様々なことを・・。その顔はせつなさでいっぱいで・・。

#6
立木が自分に恋をしていた・・。その事実に驚きととまどいを隠せないかえでは律子にそのことを相談する。ドラマの仕事も立木のつてで舞い込んだかもしれないということも。
律子はそうなんだ・・。でもドラマの事は感謝していると言う。そして、かっこいいんじゃない?立木さん。気持ち気付かれないように龍彦君との事応援してくれたりしてたんでしょ?せつなかったんじゃないかと思うよ?ドラマの事だって俺がしてやったってアピールしないし、普通するよ?しつこいくらいに!でもそれって相当好きだよね、かえでの事。やだっ!いい男じゃない?立木さん。「でも、ま・・だからってかえでも男として好きになれるかっていうとそれはまた別問題だけどね・・。」
その頃、秘書の祥子も立木の気持ちをかえでに思わず言ってしまったと詫びていた。立木はこまってしまう・・。「まいったなっ!・・それは・・。」祥子が言うには、立木のかえでへの気持ちを知った当の本人は、どちらかというとまったく予想していないという表情だったと。おそらく・・立木さんはかえでの恋愛の範囲内に入っていなかったんじゃないか?「はははは・・。やっぱりねえ・・へえ・・。」立木は苦笑いするしかない・・。
「電話して、恋なんかしてませんなんて言ってもなぁ・・。」と立木は携帯とにらめっこ。「終わったってことか・・。」と呆けていたところへ、そのかえでから電話が!!
かえでの母親・秀子がチャッピー(立木)に会いたいと押しかけてきてうるさいので、電話してきたかえで。秀子はバンド時代の立木の大ファン。知り合いだという娘(かえで)のつてで、人目会いにやってきたというわけだ。ちなみに・・、立木の元妻・光代も秀子と同じおっかけをしていた仲間だったらしい。光代は見事チャッピーのハートを射止めたのだが・・離婚して今の旦那と仲良く暮らしている。とにかくうるさい秀子だが、秀子のおかげで立木はかえでと再び会うことができるわけで・・だけど。
かえでさんの顔見るのつらいからこのままフェードアウトしたかったんだけど・・。「まっとうしようと思うんだ、俺はお母さんがファンだった人・・。まあ、無理な恋愛だったわけだし・・。」いままで立木の恋を応援してきた?部下の文平も悲しそうな表情をする。文平は担当のバンドの音あわせに最近は積極的に参加し、アレンジなんかも口をだして立木を喜ばせている。頼りなかったが、だんだん力を発揮してきているのだ。文平は昔バンドをやっていたがうまくいかなかった過去があった。今はレコード会社の一員として立木と祥子とチームを組んでがんばっている。その文平、立木にお願いを頼まれた。ライブハウスでかえで達のために歌うのでそのPAを任されたのだ。
ライブハウスに意気揚々と楽しそうな秀子。なぜか秀子はかえでの携帯で龍彦も呼び出して、かえでにとってわけのわからない状況に。ひさびさに龍彦とも顔を合わすが・・。それで出て行ってしまった龍彦を許せるはずもない・・。かえで、秀子、龍彦と貸切状態のおしゃれなライブハウスで生バンドを引き連れ熱唱する立木。秀子は昔同様悲鳴を上げて喜び、やるんもんやなあ!と龍彦も関心するが、かえでは真剣な表情で立木をじっと見ている。そしてミキサー卓をいじっている文平もいつのまにか涙目になっていた。そう、立木の目からはいつからか涙が伝っていたのだ・・。それでも最後まで歌い続ける立木。その立木の涙に、かえでも気づいていた・・。
ケンちゃんのロックバー。立木は、恋はおわったけど、お母さんは喜んでくれたから・・。とケンちゃんに言う。でも、お母さんが喜んでくれるほど自分は過去の人間なんだなあって思えてさ。昔の仲間で今も現役で曲作ってても、盛り上がるのは昔の曲でさ・・。そういう感じ?「俺さ、今度新しいバンド作るんだよ。メンバー全員20代。」ニヤッとケンちゃんが笑う。「いいよねえ。あんたは。」「心の底からそう思ってないでしょ?」「思ってませーん。」とここで、いつもバーの片隅ですまして本を読んでいるヨーコが一杯グラスを立木によこす。「私のおごり。」そして立木はケンちゃんと乾杯するのだ。恋のおわりに。。
かえでと龍彦。かえではひさびさな龍彦を飲みに誘う。かえでから立木の気持ちを聞いた龍彦。だが、うすうす気付いていたらしい・・。そしてかえでを残して立木のマンションに帰ってしまった。かえではひさびさに会った龍彦に立木の気持ちを話して相談してしまった。(ちょっとデリカシーがないよね・・)龍彦がなぜ早々に帰ったのかはわかっているらしい。「なによ、それ。正しいから・・むかつく。」
立木が帰宅すると龍彦がいる。龍彦が自分の気持ちを心配して帰って待っていてくれたと察した立木。「ありがとういい奴だなあ、おまえ本当に。かえでさんが惚れるのもわかるよ。」「でも客観的にみたらいい勝負なんじゃないの?」自分はこんなだし金もないし。将来はみえないし結婚考えられないし。おっちゃんは世間からみたら成功してるし金もあるし。と龍彦。「ばかやろ!決定的に違うんだよ・・。龍彦はかえでさんにとって男だ。俺は男ですらない・・くらべもんにならないんだよ。」気持ちはうれしいけど、今はひとりにしてくれと立木は言い、龍彦はその夜はマンションを出て行く。立木は龍彦をみるとかえでを思いだしてしまうのだ・・。
ある日、光代の今の旦那・圭介が立木のレコード会社を尋ねてきた。娘の朝子がオーディションを受けにくるから力になってあげてくださいと。あまりの親馬鹿ぶりに立木は笑ってしまうが・・。小川朝子。実は立木の実の娘。赤ん坊の時から会っていないのだが・・こういうことで再会してしまうのだろうか!?この前光代がオーディションのビラを持ってきた意味がようやくわかったというものだが・・。立木は実は困ってしまう。実の娘と対面するかもしれないという事実に。光代を呼び出して相談する立木・・いつも手帳に赤ん坊の頃の朝子の写真を忍ばせていた・・。オーディション書類の写真と見比べ、「こんなに大きくなったのか・・。」と感慨深げにつぶやく・・。光代は何で立木に呼び出されたのかわかっていたようだ。そして立木に言うのだ・・。
オーディションで朝子は最終審査まで残ってしまう。すごいことだが、最終審査では立木も立ち会うのだ。そして・・朝子が審査室に入ってくる。可愛い顔立ち、スラッとしたスタイルのいい美人。朝子は立木をジッと見るが、立木は下を向いてうつむいてしまっていた・・。「あなたにもあったのよ。チャンスが。私とあの子と三人で幸せに暮らすチャンスが。」光代の言葉を思い出している立木。あなたは自由と引き換えにあの子も捨てたのよ・・。それが現実。もう二度と手にいれることはできない・・それは受け止めてください・・。立木はゆっくりと顔を上げ朝子を見る。そして笑った。「じゃ。歌ってもらおうか。」
朝子が選んだ楽曲は、立木のバンド時代の曲だった。朝子も立木を意識してきっと会いにきたのだろう・・。だが、途中で歌詞がでてこなくなったのか歌うのを止めてしまった。無情にも伴奏だけが審査室に流れ続ける・・。「残念だけど・・不合格だね。歌手になりたいならどんな時でも歌えなきゃだめだ。他の道を探しなさい。そして幸せになってください。お疲れ様でした。」それが立木が娘に言う精一杯の言葉だった。ビルの窓から朝子達家族3人が幸せそうに帰っていく姿を見つめる立木。その顔はいまにも涙がこぼれそうだった・・。
夜、帰宅するためビルを出た立木の前にかえでがいた!笑顔で。「どうしました?立木さん。なんかさびしそうでしたよ。」その言葉に今にも泣き出しそうな立木がいる・・。

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